一陣の光さんのレビュー一覧

素直に想いを告げるヒロインに対し、大人としての
立場と、男としての感情との、狭間に揺れる主人公
を繊細に描く”険持ちよ”先生、表題作・第19話から
第27話までを収録した、三巻目。
印象に残った収録作品は、素直に想いを伝えてくる
ヒロイン・”葉月海”への、それまで、押さえつけて
きた感情のタガが外れ・・・な第27話「昨日の事」。
普段と変わらない様子の”葉月海”に、内心、ホッと
する”井上風太”と、ある決心をする彼女が対照的な、
お話でした。
読んでいて感じたのは、自分の恋愛感情に真っ直ぐ
向き合う”葉月海”の姿。輝いて見える、その表情に
読んでいてヤラれました。障害を少しづつ乗り越え
てゆく”井上風太”と”葉月海”から目が離せない一冊。

作中の季節は夏真っ盛り。海へお出掛けしたり、同
僚と飲みに出かけたり、な”クミカ”御一行様を描い
た”小野中彰大”先生、表題作・第28話から第32話と
番外編を収めた五巻目。
印象に残る収録作品は、好物のハンバーグを前にし
ても、食欲のない”クミカ”さんに・・・な、第30話
「夏バテvsクミカ～くらえひとすじ流れ星～」。定
番・梅干しパワーで、食欲・復活な”クミカ”を微笑
ましく描いた、お話でした。
読んでいて感じたのは、外星人とのお出掛けが定番
になった”クミカ”の人間関係。和気あいあいで初め
ての海を堪能する、ボーイッシュな水着姿の彼女が
記憶に残りました。
ほっこりする読後感が堪能できる、表題作の五巻目。

ヒロイン”日比乃備(ひびのそなえ)”視点の
R18的発想と”百合川真(ゆりかわまこと)”
視点のヒロインともう一度友人関係を再構
築したい思いとの、ズレや誤解がストーリ
ーを疾風怒涛に牽引する、”まいたけ”先生
表題作・simulaton,1~8を収録した、一巻
目。
印象に残る収録作品は、どんな状態におち
いってもその発想にブレのない”備”と、彼
女の発想に、態度や言葉で燃料を投下する
”真”との、絶妙なコンビネーションが楽し
める、simulaion,2「終電」。まぁ、そう
なるわな的結末が二人らしい、お話でした。
読んでいて印象的だったのは、巻末のあと
がきに～どうしてこうなった～とある、本
作企画時の変遷。ヒロイン”備”の被害妄想?
な発想展開力と緻密な分析力は、かなり凄
いです。その能力を別の方向で活かせば立
派な推理小説家になれますよ、たぶん。
”日比乃備”の個性がきっと記憶に残る一冊。

中原家の姉・兄・妹が、何故、超個性的なのか
という謎が、少し理解できる”ほっぺげ”先生の
表題作・四巻目。
読んでいて感じたのは、中原家の母”里美”さん、
父”次郎”さんの登場で、中原家が、今の状況に
至る源泉が理解できる点。また、クラスメイト
女子の一人だった”新城麻帆”が、前にも増して、
前面に出てきています。”まりあ”と”祐介”との
過保護な関係を軸に、家庭生活や、本巻では夏
休みエピソードですが、学校生活全般に、その
世界観を広げている、”ほっぺげ”先生の四巻目。

十八番の写真構図な美人画だけでなく、バラエティ
に富んだ表情を見せる、ヒロインの描き方へと進化
してきた印象を抱く”東タイラ”先生、雑誌・ビタマ
ンへ2017～2018年に掲載された短篇六本と、本巻
描き下ろし一本を収めた、短篇作品集。
印象に残った収録作品は、美人、かつ人妻でセール
ス・ウーマンな”瀬戸まなみ”と、後輩の”村上”くん。
営業成績優秀な彼女が、アメリカ支社に転勤するこ
とになって・・・な「ゆるカワ先輩の蜜溜まり」と、
その、後日譚・描き下ろし「蜜のはげまし」の二本。
読んでいて感じたのは、柔らかなヒロインの表情を
上品に描く、その画力。本巻を読んで、その印象を
強くしました。コミカルで、軽快な読み心地の一冊。

朱に交われば赤くなる、の例えの通り、バリバリ
仕事をこなすようになった”白鳥綾子”が頼もしい、
”ひらふみ”先生、表題作・Banned13~Final(26)
を収録した、二巻目(最終巻)。
印象に残る収録作品は、いまいち、ソリが合わず、
反発し合う事の多い”庄司先生”と”白鳥綾子”。そ
んな中、”綾子”の発注ミスが発覚して・・・・な
「Bannel24」。なんだなんだいってリカバリー
に入る”庄司先生”の、”白鳥綾子”を認めている姿
が印象的な、お話でした。
読んでいて感じたのは、その場の環境に、順応し
つつ、たくましくなってゆく”白鳥綾子”を丁寧に
表現しているところ。そっち方面の知識は豊富に
なっても、仕事に忙殺され、実体験する間の無い
彼女が、少し、かわいそうな感想を抱いた、作品。

各作品のヒロインに、巨乳が、もれなく標準装備
な”藍吉はづき”先生の、雑誌「ポプリクラブ」で
2012年から2013年に掲載された短篇四本と、雑
誌「ナマイキッ!」で2016年から2017年に掲載
された短篇四本が収められた、短篇作品集。
印象に残った収録作品は、小さなカフェでバイト
している”藤井”。二つ年下で、アイドル的存在の
”小山恵梨香”が、更衣室で着替えているところを
見た”藤井”に、彼女が、責任とって貰ってくださ
い、と、言い出して・・・・な「Break Time」。
顔を真っ赤にしながら告白、迫ってくる”恵梨香”
が愛らしい、お話でした。
読んでいて感じたのは、基本、主人公の男性に好
意を抱いているヒロインが、赤面しながらエッチ
に迫る、その姿を丁寧に描いている点。軽快な読
み心地を提供する、イージーゴーイングな流れに、
華をそえている、と、感じました。
明るく華やかな世界観、”藍吉はづき”先生の一冊。

脂ののった中トロ、の様な設定、そのものが
面白い”遥一”先生、表題作・1話～18話と描
き下ろし、あとがきが収められた、四コマ作
品集。
印象に残った収録作品は、転倒して、気を失
った”ナイ”ちゃんのズレたウイッグを、そっ
と元に戻す”純”・・・な「そっと閉じる」。
読んでいて印象的だったのは、今まで、異性
の友達おろか、同性(女子)の友達も出来なか
った”白石純(♀)”に告白した、男子・生徒会
長の”紅孝太郎(♂)”が、彼女の希望を受け入
れ、女装して”ナイ”となり、”純”との友情(?)
を育んでゆく・・・という、設定そのものの、
新鮮さと美味しさ。”孝太郎”が、ここ一番で
ツメが甘いという、その抜けっぷりが却って
”ナイ”の美少女(美少年?!)さを演出していて、
面白さを呼び込んでいました。
設定の、新鮮な創り込みが重要な構成要素で
あることを、ヒシヒシと感じさせられる一冊。

”小野中彰大”先生の筆致がバージョンアップ、
”クミカ”の世界観が、より一層深まった印象
な、表題作・第22話～第27話までを収録した、
四巻目。
印象に残った収録作品は、打ち合わせが済ん
だ”クミカ”。帰り道に、彼女が見かけたもの
は・・・な「第27話・夏祭りは気もそぞろ」。
浴衣姿の”ミムラ”・”エイリア”・”クミカ”が
眼福な、お話でした。
読んでいて感じたのは、”チヒロ”に対する想
いを再認識・確認する”クミカ”の姿。バージ
ョンアップして、整理された描線で描かれた
”クミカ”の表情が記憶に残りました。
まだまだ、ひろがる”クミカ”の世界、四巻目。

外星人同士な、後輩の同僚、仕事先で知り合った方
の、パーソナルな側面を紹介した”小野中彰大”先生、
表題作・第15話～第21話までを収録した、三巻目。
印象に残った収録作品は、花粉の季節。外回りから
帰った”キヨシゲ”が、”クミカ”へ、お願いしたこと
とは・・・な「第17話・七つも無いけど七不思議」。
臓器にケバケバが、沢山生えていたり、触手で毎朝、
飛行して通勤するなど”クミカ”のことに、より詳し
くなる、お話でした。
読んでいて感じたのは、知り合いの”エピ―”や同僚
で後輩な”エイリア”のパーソナルな側面を紹介する
ことで、”クミカ”との、関わり合いの深さを表現し
ている点。食文化を通し、広がりを見せる”クミカ”
の世界により、多面的な要素を加えることで、展開
がより広がりを持った、という、感想を抱きました。