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Vtuberさん制作の音声作品ということで、不勉強ながら存じ上げておりませんでしたが、全12トラックを聴き終えた上であえて初見の立場のままレビューさせていただきます。
あと一応、私このような主観百合音声作品は聴き慣れている側なのですが、そうでない方へのアドバイス(?)として「もし最初は没入できなくても"壁"になって聴いていれば大丈夫」ということを先にお伝えしておきます。
さて本作は【純愛百合体験】と銘打たれている通り、女学生同士の恋を主人公の立場で楽しめる作品となっております。
ヒロインの名前こそ「月野木ちろる」のままですが、一般的なシチュエーションボイスと同様に『わたし』と『あなた』の関係性でお話が進んでいきます。
脚本の構成としては、ストーリーの中で繰り広げられる会話劇というより、会話を通して二人の時間が紡がれていくといった趣の形式で、スッと頭に入ってくる自然体なセリフ回しが特徴です。
また、セリフ以外でもASMR要素が良い意味で無造作というか「ただそこにある音」という感じで、そういったナチュラルさが本当に丁寧で最高の聴き心地でした。
後半トラック6からの展開も語り尽くしたいのですが、800字しか書けないので個人的な推しポイントを。
トラック3でまさに描かれてましたが、まだハッキリ恋仲とは言い切れない状態で「好きなタイプ」の話をするシーン、めちゃくちゃ好きなんですよね。
それが明確な人物を指しているのかどうか(自分なのか、それとも……)が気になって悶々としちゃうシーンなのはもちろん、少し不純な動機かもしれないけど自分の性格や振る舞いを見つめ直す"成長"のシーンでもあって・・・
やっぱりこう、幸せっていうのは「前を向いてる人」に降り注ぐものだと思うんです。
失うのが怖くて目を伏せてばかりじゃダメなんだって、大切な人との時間を守るために一歩踏み出す女の子達のお話、とっても素晴らしい作品でした。
男友達みたいな幼なじみシリーズのサイドエピソード集&エピローグということで・・・とんでもないイチャあま作品が投下されました。
見た目上の構成は3編×2エピソードずつの一話完結型で、YouTubeなど動画サイトのシチュエーションボイス的な感覚で楽しめるようになっております。
ただ、そうでありながらも二人が紡ぐ穏やかな時間の流れを少しずつ追体験していく構成にもなっており、
キュンキュンするポイントや、あったかくて心が和ぐようなポイント、無意識にニチャア…ってキモオタスマイルを浮かべてしまうポイントや、いじわるな甘責めにドキドキさせられちゃうポイント等々が随所に散りばめられていて、単体の作品としても完成されていました。
これは自分語りなんですが、常日頃から理想の音声作品を探し求める亡霊としては「また聴きたい」と思えるかどうかを最重要視してるんですよ。もちろん中にはヘビーすぎて気軽には聴き直せないけど凄い作品だったと思えるものもありますが、そういうのは映画とか連載漫画・連続ドラマや大作ゲームに求めているので、
一人静かに目を瞑ってイヤホンを付けるだけで楽しめる音声作品は、リピートしてこそって感じなんです。
そんでもって全年齢向けはもっぱらYouTubeシチュボを漁るタイプなので成人向けと比べて滅多に買わないんですが、今作はトラック2~4あたりでシチュボ文脈っぽいセリフ回しや演出を感じられて非常に楽しめました。
後半のほうは「あおいちゃんと僕」のストーリーに力が入っていて、こっちはこっちでシリーズファン垂涎って感じだったので、なかなかの良バランスに大満足です。
正直今まではリピートリストに入ってなかったんですが、本作含めてシリーズ第一作目からリピートしようと思えたし、あおいちゃんをもっと好きになれた、そんな作品でした。
シリーズファンの人はもちろん、普段シチュボを聴き回ってる方にもオススメの一作です。
ホントのジブン、というものは一体どこにあるのでしょうか
愛する恋人の前?両親や兄弟姉妹の前?ひとりきりになった時?それとも信頼できる友人との席で?はたまた仕事に熱中している時?
ゴシップを好む人は、本性などという得体の知れないモノの在り処を突き止めようと躍起になったりするようですが、そんなものは探して見つかるような代物ではありません。
なぜならば「見せたいジブン」こそが真実の姿であり、第三者から観測できる様子は仮初めの姿でしかないのですから
神崎さんと過ごす時間に「建前」や「駆け引き」といった野暮な振る舞いは必要ありません。他愛もない会話で時間を潰すも良し、意外な一面を目の当たりにして優越感に浸るも良し、あまりの気恥ずかしさに言葉を詰まらせてしまうも良し・・・
神崎さんが心を許す、数少ない学友として放課後のひとときを楽しく過ごす。ただそれだけで良いんです
最終トラックでは「ラブラブ/あまあま」タグに恥じない濃密な空間が待ち受けており、そのインモラルな雰囲気に思わず身構えてしまうかもしれません。これが本性なのか、裏ではこうも豹変するのか、などと無粋な勘繰りをしてしまってもおかしくはないでしょう。
しかし"あなた"は、カリスマJKモデル神崎なおに密着取材を続けるインタビュアーではなく、普通の女子高校生神崎なおのクラスメイトであり、かけがえのない友人でもあり、そして唯一の恋人であるわけです。
学校での時間も、気遣い無用な友達としての時間も、秘密を共有する甘い時間も、どれも二人だけの特別な時間。
あなただけに見せる、神崎さんの「本当の姿」を、ぜひ堪能してください。
追伸:こいびとちゅー、あまりにもえっちすぎる・・・
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2021年04月02日
率直に言うと80点だった。
しかしフォーリーに期待しすぎて、80点です!というより
20点減点…となったことをご容赦いただきたい。
一つは足音。
私にはどうしてもドタドタ歩いてるように聞こえてガサツな印象を受けた。
人によっては無邪気な赤ちゃんみたくヨチヨチ歩いてるようで可愛いのかもしれないが……
もう一つ、おかゆを食べさせてくれるシーンは
空っぽの陶器でカチャカチャおままごとをしてるように感じた。
これも「すぐ冷めるよう一口分だけ鍋からお椀によそってくれたのを匙に持ち替えて掬った」
と捉えれば器に当たる音が目立つのも納得できるかもしれない
考えすぎだと思われるかもしれないが、宣伝として
「フォーリーによって録りおろしたこだわりの環境音で、高い臨場感を味わえます」
みたいに期待を煽られて聴くと『これが"正解"なのか』と感じてしまう。
良いとか悪いとかではなく、別にSEがどうとか触れられていなかったり
誰が作ったかクレジットされている程度のほうが「想像の余地」は残されるだろう。
苦労した分アピールしたいのは理解できるが、効果音は「気になったら負け」だと思う。
その証拠に【トラック3】は非常に満足した。
タオルで拭いてくれる音なんて別に聴いていて何とも思わなかったけれど
それこそが"自然"であり、癒やしの空間という臨場感でリラックスできた。
人は凄いものに惹かれるのかもしれない、けれど凄いからといって満足するかどうかは別だ。
正直言ってSEオフのトラックも同梱されていれば嬉しかった。
我々はあくまでもエンドユーザなので「どう作られたか」よりも
「どう出来上がったか」をアピールしてほしい。
これだけ書いといてなんですが、
序盤は元気になってほしい一心で看病してくれるのに
終盤になると次のデートをせがんできたり
甘えたい気持ちが我慢できず背中に抱き着いてくるところが
可愛らしくてキュンとしたので是非そこを楽しみに聴いてください。
まだまだ甘えん坊な妹、コトネちゃんのために
休日を捧げる心地よさを味わう作品です。
いきなり何だと思われるかもしれませんが
「何気ない」って、演出としてめちゃくちゃ難しいんですよね
だって普通は「気になる」じゃないですか。
それでなくたって一歩間違えれば「退屈」になってしまう。
こういった簡単なようで意外と難しい演出が綺麗に整っている
というのが今作の魅力になっています。
せっかくの休みなのに、妹に連れられて近所の神社まで
しょうがないなあと思いつつ小さな身体を背負っていく。
些細なことにも目がいって度々話を振ってくる彼女に
他人よりは愛想よく、かといって当の本人よりはそれとなく
そんな調子で会話を続けながら歩いていく。
もちろんこれはこれで心地よい「何気なさ」なんですが
ちょっとした会話の間や、
ついついなんとなく適当な返事をしている間にも
まばらに走り去っていく自動車が震わせる空気や、
境内を進む途中で踏みしめていく砂利の鳴る音、
平日や休日なんて知る由もない小鳥たちの声が人知れず流れ去っていく。
「それ」がふとした瞬間、耳に入ってきて「なんだか悪くないな」とか思いつつも
また彼女の言葉を耳に入れ直して会話に戻る。
なんかこういう時間がすーっと過ぎ去っていくの、良いですよね。
『え?それトラック2だけの話でしょ?』と思った方、その通りです。
メインディッシュはトラック3&4です。
でも、やっぱり序盤の導入がしっかり作られているからこそ
リラックスした状態で「主役の音」に集中していけるんじゃないかな、と思います。
ギラギラしてるわけじゃない、でもどんよりしてるわけでもない
そんな「何気なさ」ぜひ堪能してみてはいかがでしょうか。
そういえば
『"えーえすえむあーる"って……あんま、喋ったりしないんだっけ?』
ってセリフ、可愛らしくてお気に入りです。
2017年01月14日