今作を聴いて、この「Bitter Sweet Jam」シリーズは痛みや想い、切なさだけではなく「禁断の関係」にもスポットを当てられているのかな、と思いました。
今作は女性同士の前に教師と生徒という立場に置かれているので、関係を否定する要素が重なるのではなかろうか、と。
基本的に雨宮先生視点で展開する物語で、雨宮先生は序盤で澪のことを「雨雲が彼女を連れてくるように」と考えています。
それは雨の日にだけ来るからだけではなく、澪に惹かれていく雨宮先生の心の中にだんだんと増えていく否定の気持ちや澪の友人に対する嫉妬などの気持ちも表しているのかな、と感じました。
澪もぐいぐい押してはいたのだけれども、中盤過ぎから同性友人から告白されたことや、見てみぬふりをしていた事実をはっきりと自覚したことなどから諦めようとします。
ここまでの展開は微笑ましくもあったので、聴いていて本当に切なかったです。
基本的に冬の雨の日に会っていた二人が、春の晴れの卒業式に会うラストは本当に素敵でよかったです。
キャストさんや百合が好きな方はもちろん、切なさや辛さの要素が入る物語を聴きたい方にオススメできるかと思います。