ハズレ屋さんのレビュー一覧

正直、設定が辛くて重いです。
「こんな……こんな苦労して生きてきた、いたいけな少女に何をのんきに耳かきしてもらっているんだ……!」という自己嫌悪に襲われますが、これも作品を彩るスパイス。
このシナリオを書いたのは、相当人の心の機微に敏い軍師のような人に違いありません。

ヒロイン・くぅちゃんの生い立ちが過酷である分、彼女からのおもてなしが、主人公くんに寄せられる信頼の重さが浮き彫りになります。
天才の所業ですね。

自分にできることを精一杯おもてなしとしてくれるくぅちゃんですが、手拭いを水で濡らす時につい遊んでしまったり、お母様との思い出をぽつぽつと語ってくれたり、しっかりしているようでやはりまだ幼い女の子なのだと実感して「守護らねば」との気持ちが生まれます。

そんなおもてなしの内容は、手拭いで耳を拭く、耳かき、梵天の代わりに尻尾で耳を撫でる、となっています。
どれも音が良いです。最高です。
個人的には手拭いパートがとても好きですね。

誰かと寄り添いたい、寄り添われたい。
今回の作品はそんな人に刺さるのではないかと、思います。

この演者さんには珍しい甘々な雰囲気の作品です。
ゆるふわ～な雰囲気のお姉さん「帆乃香さん」とデートに繰り出した主人公くんが耳かきしてもらうお話です。

この帆乃香さん、ふるふわ～な雰囲気に違わずちょっと抜けていてトラブルメーカーなところがあるようで、本人も気にしています。
……が、フィクションにおいてドジっ子は長所でしかないので爆アドです。
楽しそうだったり、ちょっと凹んだり、嬉しそうだったり、コロコロと変わる声音から帆乃香さんの表情も容易に想像できて大変癒されます。おっとりしたワンコのようです。演者さんの技が光りますね。

耳かき音、環境音もとても落ち着いて雰囲気が良いです。
これに優しくてふんわりしたささやき声が組み合わさるとスゴイ幸せです。
「なんとなく人恋しい」とか「彼女欲しいなぁ」とか思っている人、聴いてください。きっと満たされます。

私はアニメ視聴のみですが、とても好きな作品です。
シナリオが原作者直々の書き下ろしですので、漫画やアニメの続き・幕間のように自然に楽しめるのが、このシリーズの最大のポイントだと思います。
また、どの作品も声優さんの演技が光ります。アニメで見る凛々しい姿とは違う、それぞれの女の子の普段見せない一面が味わえて大変趣深いです。

個人的な内容についての感想。

定番のASMRとして楽しむなら、輪ちゃんとメアリさんが良いです。
耳かき、歯磨き、髪やお肌のケアなど、王道のシチュエーションと音で、2人ともなんだかんだと甘やかしてくれます。
輪ちゃんの歯磨きと、メアリさんのデレっぷりは必聴に値します。

蕨様、眠目ちゃん姉妹、月夜師匠の作品は、シチュエーションボイスとして大変良いです。
ASMRとして音が良いのはもちろんなのですが、蕨様、月夜師匠は特にドラマパートが濃い印象です。
内容としてはどちらも「旅行」が軸になるのですが、2人のキャラクターの違いが如実に表れていて、聞き比べるのも楽しいです。
眠目ちゃん姉妹の作品は、さとりちゃん、ミソギちゃんに挟まれて色々イタズラされる内容です。
中身は実際に聴いてほしいのですがシリーズで一番過激かもしれません。
両側からイチャイチャ弄ばれるのは大変倒錯的で良きですね。

そしてなんといっても天羽斬々ちゃんです!
個人的に一番のお気に入りです。単品でも買いました。
セクシーなイケボから繰り出される斬々ちゃん節。最高。
大好きなペットにするがごとく甲斐甲斐しくお世話してくれます。
かと思えば支配欲やら独占欲やらが暴走しちゃうのか、時たま手荒に扱われ「斬々ちゃんの所有物」だと刻み込まれてしまいます。最高。
特に指で歯を磨いてくれるのと、乱暴に耳かきされてしまうのがお気に入りです。

どれも素晴らしい作品です。
このコンプリートセットを買うも良し、お気に入りのヒロインだけ購入して操をたてるも良しですね。

満を持して登場、天羽斬々ちゃん。
一から十まで甲斐甲斐しくお世話してくれます。
まるでクリスマスに欲しかったおもちゃを貰った子供のようで、とても可愛らしいです。

絡み付くような、押さえつけるような声音で囁かれるのは天にも昇る気持ち。
アニメのように動きが無い分、声優さんのウマさが際立ちます。
ドスの効いた声でこちらに迫ったり、切なそうな寂しげな声で囁いたりと色々な天羽ちゃんが見られます。

内容に関してですが、朝食や飲み物を作ってくれたり、歯磨き、耳かきをしてくれたり、書をしたためて披露してくれたり。
あまり、特殊なシチュエーションではありませんが、その全てで独占欲、支配欲が前面に押し出されており、よく見るシチュでも天羽ちゃんならではの作品に仕上がっていると思います。
「支配されたい」「飼われたい」という気持ちを持つ方にはバッチシハマる作品になるでしょう。