唐突に声をかけてきてやたらツンデレ…というかソンデレ(尊大なデレ)をかましてくる自尊心のかたまりのような少女。最初はなんだこいつ偉そうだな本当に偉いんだっけか天人ってなんだよと思っていた。
しかし彼女と関わっていくうちに、彼女に弄ばれていることに喜びに近い感情を覚えていく自分を自覚する。有頂天で、わがまま、おてんば、じゃじゃ馬、だけど可愛い。愛くるしい。
好きだと言われた。
彼女の顔が赤い。私も赤くなっているのだろう。数刻前に言われたばかりの同じ言葉が、意味を持って熱を帯びる。感情が溢れてくる。出会ってまだ日の浅いというのに、目の前で赤面する少女の告白を受け入れる以外の選択肢は、私にはなかった。キスをする。熟した果実のように、甘い時間。
人間の一生は短い。きっと彼女よりも先に私は死んでしまうのだろう。だけど生きているうちは精一杯、そばにいようと心に決めた。
比那名居天子、私は彼女が好きだ。
っていう作品