冬ちゃんと主人公(自分自身)暖かいけれども冷たい──
あらすじ通り、過去に亡くなってしまった今でも愛してやまない恋人にあいに行くお話です。
絶対に現実では成し得なかった、成し得られるはずもなかった過去を得て、目の前にいる大切な人とのいつ終わるかもわからない暖かい冬を過ごす。
しかしながら、やはりどこかで感じている、現実ではあり得ないという無常なれど変えようのない事実が冷たい氷柱となって心を刺してきます。
心が身からあふれ出す不安で止まない吹雪に見舞われ凍え張り裂けそうな気持ちを溶かしてくれるのは冬ちゃん。幻に温度は本来ないはず。
ですが、包んでれた愛しい人は幻想であると思っていても、決して大きくはなくとも、確実に動いている心臓、鼓動があります。
まるで、生きているかのように。
寒いと感じたら、冷たいと感じたら、暖かい、優しい所に包まれたくなりますよね。私は冬ちゃんとこのままでいたくなりました。
今年の冬は寒すぎることはなかったですけど、長く感じました。
いつ終わるんだ、まさか終わらないのではないのかと日々思っていても、やはり自然と終わりが訪れました。
どんなに長いものにも終わりはあります。
ですが、例えそれが、長くても、短かったとしても、いつか終わらなければいけないものだとしても。
終わりまで、終わっても、大事な大好きな人とありたい。
そういう暖かい気持ちになりました。
小さい頃から心音がとても大好きな人間だったので、なんとなく
「あぁ~心音聴きたいなぁ」
という生半可な気持ちと好きな声の方だ、と軽く購入してしまいましたが、聴いて涙で言葉が出ないストーリーに感動しました。
数年ぶりに泣き疲れ寝るという事をしましたが、迎えた朝はとても清々しかったです。
二人の選ぶ道もきっとそうであるといいなと思います。
心音好きとして言えるのはこの心音は本当に、本当に暖かな心音です。
冬ちゃんに会いに行ってみてはいかがでしょうか。