はささんのレビュー一覧

天人たる比那名居天子の恋。
はじめのうちは上位者らしく、一般ピープルであるニンゲンを玩具扱い。耳に息を吹きかけて反応を愉しんだり、力の差を見せつけたり。要するに自分が全てを掌握している、だから従えということを示したいらしい。
しかし、そんな中でもニンゲンが簡単に死ぬことが分かっているからか、上からではあるもののニンゲンを気遣う場面もあったりする。根の優しさをうかがわせる。
ここらへんはソフトM向けといった塩梅である。

4トラック目から比那名居の態度は軟化する。
寒さに震えるニンゲンに、あくまで暖を取らせる目的で添い寝する比那名居だったが、予想外に同衾の緊張を味わう羽目になる。
ニンゲンの視線が気になるから反対側を向けと指示するものの、すぐに背中を向けられる寂しさに襲われて元の向きに戻させ撫でさせたりと忙しい。
ここでおそらく、比那名居はニンゲンをただの玩具から『一緒にいるとドキドキして、けれど安心するモノ』に評価を改める。以降のトラックでは甘えたがりな側面を発揮して、キスをせがんだりする。

そうした過程で比那名居天子は戸惑いながらも自分の恋心を自覚していくのだった。

また聴いている側つまり私も、トラックが進むにつれて、高飛車なお嬢様という初めの印象から、寂しがり屋な少女へと彼女の人物像を捉え直していった。
あと桃缶食べたくなる。

最後にお気に入りの台詞を書き留めておきたい。
6トラック目にあった、
「酔いは醒めても熱は消えなかった」という言葉。
一時の熱情に浮かされているわけではなく、確固たる本心で惹かれていると伝わってきてとても良かった。

ひろやまひろし先生のおくるブルアカ同人誌ということで、推しのソシャゲ本を推しの描き手が手掛けたからには買う以外の選択肢がなかった。
ゲーム開発部っていうのもまたこう……言葉は濁すがまひろ先生らしいチョイスで良い。

読んでみた感想だが、全年齢ながらもモモイやミドリの下着姿や蕩け顔が入っていたりするのでサービスシーンは多いと感じた。特にミドリは水風呂()につかるところでちょっとラインを越えている表情をしている。

小ネタも多く、「! アリス知ってます!」となる場面ばかりだった。
アリスには人の心が無いしモモイはアホの子だしユズは巨乳だしユウカはロリコンだった。


ラストのモモトーク含めて満足感たっぷりであった。黒服は泣いていい。