【簡体中文版】【アニメ第8話付属・銀の耳かき・昔話安眠導入】蓄音レヱル むむむ【CV.楠木ともり】

副丘県は、若待港――北開道の雄、ムロランを遥かに上回る取扱量を誇った、かつての日ノ本最大の、石炭ターミナル港。
鉄道で、市電で、車で、いかだで――ありとあらゆる交通手段を用いて駅から港へと石炭を移送していた、その喧騒の中で、むむむも働き続けていました。

いまは石炭の産出もなくなり、すっかりと落ち着いた港には、けれど巨大な道路橋がかかっています。
石炭と人と。列車と車と。運ばれるものも、運ぶものもまるでかわってしまっているのに、けれど、人の営みのざわめきは、どこか変わらずに響きます。

そうした音を愛するむむむは、マスターであるあなたとふたり、今なお残る渡船を楽しみ――
疲れた耳を、これもまた副丘の誇りである特産品、”たまいちの塩”によるソルトマッサージと、海水ミネラルたっぷりの保湿クリームとで癒やします。

そこから続く耳掻きは、鉱山からの産出物つながりで、銀製のもの。
最初はひんやり、けれどもすぐにお互いの熱で温もっていく耳掻きは、極上のやすらぎをあなたに与えてくれることでしょう。

まどろみながらのウィスパートークでむむむが聞かせてくれるのは、ほんの少しだけ切ない過去と、だからこその、あなたへの感謝と、愛情です。

名探偵で頭脳明晰、だからこその苦労をたくさんかかえてしまっているむむむと、どうぞお互い、ささえあって癒やし合っていただけますと幸いです。

思いやり合うことから生まれる優しい時間はきっと、深く静かな癒やしに満ちていることでしょう。

「……マスターとレイルロオドとの理想的な関係。とは少し……いや、かなりズレているのかもしれませんが」

「マスターくんと出会って、出会えて。むむむはやっと知り得たのです。パートナーがいる。安心しきって背中を預けることができる。それがどれほど、大きな喜びであるのかを」

日ノ本一の巨大石炭ターミナル――若待駅と若待港での石炭移送に従事しつつも、天性の捜査能力をかわれ、警察組織での捜査補助にも駆り出され続け、そのどちらでも大きな成果をあげつづけてきたかわりだねのレイルロオド――それがD60 66専用レイルロオド、むむむです。

『天性の捜査能力』……非常に聞こえはよく、また実際に大いに役立つ能力ですが、しかし”鉄道車両の運転・整備の補助”を目的として作られたレイルロオドにとっては、その能力の裏付けとなる想像力・創造力は、むしろ不要な――どころか事故の発生要因にすらなりうる、危険なノイズにすぎません。

帝鉄の品質基準からみれば、規格外の――本来であれば解体・廃棄されるところを、捜査能力のあまりの卓越性ゆえに継続運用されつづけてきた……それがずうっとむむむを包み続けていた、極めて不安定な環境です。

そんな環境にあるからこそ、若待港の喧騒はむむむにとっては癒やしであり。決して渡ることが許されない対岸へとすいすい渡っていく船は、むむむの大きな憧れでした。

時はながれ、むむむはむむむの運命のマスター。”マスターくん”こと、あなたに出会います。

むむむの能力をまったく疎まず、こころのそこから称賛し。どころか捜査への有意な協力さえしてくれる、こころのそこから信頼できる、パートナー。

むむむの不安定さを一気に解消させてくれるあなたに、だからむむむは、思い出の全てを伝えます。

喧騒を、ざわめきを愉しみながら、ともにめぐっていく若待港と、その渡船。
喧騒に、ざわめきに疲れた耳を癒やしてくれる、ソルトマッサージと海水ミネラルたっぷりのクリームによる保湿ケア。

銀の耳掻きがつたえてくれるむむむの手のひらのぬくもりは、やがであなたを、おだやかな眠りへと導きます。

むむむとの時間をたのしみながら、むむむを支え、支えるその手に、どうぞ支えられてあげてください。

パートナーシップという安定は、きっとあなたにも深い癒やしと安心を、与えてくれることでしょう。