この作品を聞けば夏を思い出します。物語はあなたが帰省した際に、思い出の神社に行き過去に戻るという内容。
だからこそあなたがこの作品を聞くときは、神社であの時へ、あのお姉さんに会いに行くことが出来ます。
小夏の距離の近さや不意の台詞はただのいたずらお姉さんなだけでもなく、天然なわけでもなく寂しい心があるからこそだと気づく。
その時により小夏を好きになります。
■音声
ASMR作品だからこその音にこだわりを感じます。
小夏の声の近さや囁き声の息もどきっとさせられるような質感を持っていて耳心地が良いです。蝉や虫の鳴き声は本当に夏にいるのだと、この場所にいるのだと思えます。
耳かき音はその音の良さよりも、会話の中にある「耳かきされる時間」をどちらかというと感じます。
この作品はASMR×シナリオだからこそ、あの夏に戻って少し恥ずかしいという気持ちを抱きながら、膝枕で耳かきされてください。
安眠への実用性は耳かきトラックで十二分にあると思いました。自分は3日連続で耳かきパートで眠っていました。
■シナリオ
ASMRとシナリオのバランスが取れている作品で個人的に刺さりました。この作品は台詞量はあるものの、環境音や効果音、吐息がかかるような距離の近さ等ASMR作品として整っているように思いました。上田麗奈さんの演技もあってですが、心地良い時間を感じられます。
物語後半の展開と、小夏の気持ちが揺れ動く時間はきゅっと胸が締め付けられますが、だからこそ幸せな未来が感じられる最後でいい物語を見れたなぁとしみじみとしながら聞き終えました。
■雑多な感想
上記でASMRとシナリオのバランスがいいと書きましたが、本作のように全体のクオリティが高いともっとシナリオに浸りたいと思ってしまいました。小夏の不安定な心の中で「あなた」がいるからこその明るさがあるように感じていて、もっとその時間を過ごしたかったです。