ほげはげさんのレビュー一覧

脳髄をくすぐる、怒涛の囁き声が
トラック1では、27分間かけて、徐々に深みを
増してゆく作品です。
驚いたのは、その演技。
元々の音量が大きく、全編が囁きで構成される
作品なので、セリフ以外の雑音が無く、
故にボリュームを上げていくと
微かな息遣いとホワイトノイズが聞こえます。
これがまた、編集点のない長尺が多くて
圧巻の演技力を感じずにはいられません。
所々に出てくる「なんて…」という言葉は
下屋則子さんが囁くと、逸品になりますね。

ご奉仕ディスク2・本編とセットで購入する事を
前提としたような内容で、ストーリーも地続きとなってます。
10分足らずの内容に880円も払えるか!!
って思いながら、ボーナスを謳っているので
乗りかけた船だと思って、本編と同時に購入して
一緒にプレイリストに放り込みました。
時系列順に再生して、ボーナストラックだという事を
意識せずに聴いていた所、ラストにファンサービスが
待っていました。
バイノーラル収録の利点を自在に操る下屋則子さんの
特徴的な囁きが、これでもかと炸裂します。
なんだこれは!と思ってプレイリストを確認したら
ボーナスディスクに収録された部分の内容でした。
この脚本は、ずるい。

Heaven's Feel最終章を見たあとの興奮冷めやらぬまま
キャスト繋がりでこの作品を買いました。
言ってるセリフは「あなた」とのあま～い会話であり
湿度が高い、濡れ濡れした感覚の言いわましが特徴的。
作中では感情の起伏が少な目なので、可能な限り
ボリュームを上げて、静謐な環境に移動してしてから
奏でられる声に集中してみると、口から発せられる
小さな小さな音が官能的に聞こえてきました。
耳元で囁いている瞬間に、よりいっそ感じられます。
「近い!距離近いから!」と、一人でテンション上がってました。
情感たっぷりの脚本も素晴らしいですね。
定期的に聞き続けられる作品です。
思い出をありがとう。

※ボーナストラックは同時に買っているモノとしてレビューしてます

疲れた日の甘々耳かき・もっと疲れた日の甘々耳かきで
存在を知った声優さんの、ライブ配信の音源との事で
ASMR/ボイス作品というカテゴリーには当てはまらない
モノとなっていました。ジャンルが選べません。
強いてチェックするとしたら、着衣でしょうか…
魔王でも生まれてきそうな重低音で響いている、作られた
心音とは違い、イヤホンを着けていないと聞こえない程
小さな鼓動がずーっと鳴っていて、こっそり私的な
空間に入れたくれたようなワクワク感もあり。
これを売るってどうなのよ。でも良い。
R18にカテゴライズされているのは謎です。

ギャルゲー的なヒロインとの、情感たっぷりな会話を
楽しめます。感情の起伏が激しいので
寝る用というよりは、起きる用でしょうか。
バックでザワザワ鳴っている雑踏が、ジャケット絵と
合わさって、作品の雰囲気を醸し出しています。
トラック1からトラック2へとストーリーが
繋がっていくのですが、時間が一気に飛ぶので
物語の入口と出口だけを抜き出した格好となっており
シチュエーションを聴かせる作品なのかもしれません。
合間のエピソードが幾つかあれば、トラック2の
儚さが増すのではないでしょうか。
据え膳食わぬはなんとやら、な積極性は好きです。
本編とは関係ないですが、ボーナストラックを
聴くと応援したくなります。

トラック1で耳かき音をさっさと済ませ
そこから先で物語が展開します。
彼氏が社会人で、彼女が高校生、という
設定でしょうか、年の差カップルですが
同い年のようなやりとりをしているので
それを感じさせません。
あとはイチャついてるのをニヤニヤ
しながら傍聴しましょう。
耳かき音や衣擦れの音など、なかなか
低音の利いたエッジの強いモノなので
再生環境によっては刺激が強いかも
しれません。自分の鼓膜には負担が
かかりました。

キャラクターの声は常に左右をうろついていて
真ん中で喋るシーンは殆どありません。
バイノーラルでの収録が一貫しているので
それはそれで良いと感じます。
囁きメインで、ヒーリング目的の効果音が重なる
作品なので、声は雑音にかき消されるかと
思いきや、平時から囁いているような声優さんの
声質のおかげで、電車の中でも聞き取れます。
先輩・後輩の関係でストーリーが進んでいきますが
先輩が後輩のファン、という設定上
敬語だったりタメ口だったり、年下視点だったり
年上視点だったりする所に面白さを感じました。
ラストで時系列が吹っ飛び、魅惑の世界に誘われます。
おそらく自分の妄想が具現化したのだと思います。

タイトルの通りの内容です。
延々と囁かれる、というのは好きな方には向いていると思います。
徹頭徹尾、無声音で進行する作品だと思っていたので
有声音の部分が有り、期待はずれだった感はあります。
ぶっ通し無声音で喋り続けるのは相当に大変なので仕方ないですね。
声が低いのか高いのか、ほぼ判別する要素がないのに
無声音でもなんとなく察しが付いた事は新しい発見です。

恋人同士がキャンプに行くストーリーで
やってる事は想定内のイベントです。
しかし全体の流れが滑らかにスーッと進んでいき
ほぼ凹凸無く終わっていく感覚を、睡眠に使うも良し、
声優さんの少し掠れた声色でホンワカするのも良し。
絶妙な音量で聞こえる環境音も、華を添えています。
長さも多すぎず少なすぎず。サラッと流すには
ちょうどいいのではないでしょうか。
ガッツリ聞く作品ではありません。

独特なシチュエーションの作品です。
中でも一番耳に残ったのは、生活音の数々。
どこから発せられた音なのか、歩く音や
調理する音、食事の音など、複合的な要素で
部屋の広さがなんとなく想像できました。
フローリングに物体を落とした時の、発生源と
反響音の重なりはとてもリアルで
誰か居るのか?と、部屋を見回してしまいました。
殊座さんの掠れた声が好きです。