カナリアンさんのレビュー一覧

とてもユニークな作品で、横浜の様々な観光スポットを巡るという内容。
こういう構成、コンセプトを目の当たりにして、音声作品の新しい聴き方というのを知った気がします。

みなとみらい近辺は駅前の街並みが好きではあるものの、赤レンガ倉庫と汽車道を除けば具体的にその周りを散策したことはなかったので、色々な観光スポットを知ることができました。

作品内には実際に現地で聴くための環境音のない「現地ver」と、家で聴くために環境音が入っている「お家ver」と2種同梱されていて、現地verでは実際の場所の環境音とともに作品を聴きながらスポットを巡るという聴き方が楽しめそうですね。

お家verでは環境音が入っているので、情景を思い浮かべながら聴くスタイルとなりますが、マップアプリケーションなどで見られる360度のパノラマ写真などのサービスと併用すると面白いと思います。
スポットによっては写真のみだったり屋内までは見れなかったりしますが、赤レンガ倉庫や海の見える丘公園などは十分用意されているものもあるので、ヒロインのOLさんがどの場所のことを話してくれているのか、実際に探しながらマップを巡るのも楽しい聴き方かなと。

この彼女との旅行でこれらのデートスポットを巡るので、彼女の言葉からその表情が思い浮かぶような、感情を込めて語られるボイスドラマもとても心地が良いです。

……と、思わず心配になってしまうような可愛らしいジャケットが特徴の本作。
割と親しい人から届いたボイスメッセージがテーマになっています。

演者である和鳴るせさん曰く「突発で録った」とのことなので、ほぼほぼアドリブなのだと思います。
そういったところもあって、ボイスメッセージらしく考えながら喋っているような間や言葉の合間に入る笑い声であったりだとか……そういった自然な演技がとても魅力的だと思いました。

今作は3人の人物(カノジョ・実家の弟・会社の後輩)からのボイスメッセージがそれぞれ3～4種あり、いずれも中音域程度の声質です。
また、ボイスメッセージなのでバイノーラル要素はなくモノラルですし、そもそもヘッドホンで聴かなくても良い仕様です。個人的にはスマートフォンから直接再生するのがオススメ。
さらにボイスメッセージとして考えた場合、聴く場面も様々なので普段の生活の中でふとした時に聴くとそれっぽい気分に浸れます。

例えば自分の場合、カノジョからのボイスメッセージは布団の中で(癒し成分満載の声によって寝ましたが)、弟からのボイスメッセージ/会社の後輩からのボイスメッセージは、夜に家事的なことをしながら聴きましたが、吹き込まれていた内容を再生するといい感じの雰囲気が味わえました。
カノジョからのボイスメッセージは1日の終わりや始まりに嬉しい内容になっていますし、弟くんからの家族近況はそのリアリティと内容に苦笑、会社の後輩は気怠げな感じなのにとても報告内容が素直だったりと……そんなありふれた日常感が良いのです。

パッケージには電話的な音質に加工されたバージョンも含まれているのですが、そちらで再生すると雰囲気が増しますね。

普段自分からは率先して使わないボイスメッセージですがその良さを教えてくれる、そんな作品でした。

2022年6月に発売した「～お茶と囁き。お耳癒しとマッサージ～」に続く、第2弾。
とはいっても内容が続編というわけではないので、安心です。

今回もタイトルにある通り「お茶」がひとつのテーマとなっておりますが、前作が「薄茶」であったことに対し本作は「濃茶」を題材にしています。
くわえて定番の耳かきほか、特に今作ではネイルケアやハンドケアの部分にこだわりを感じる作風になっていました。

改めて聴いて素晴らしいと思うのが、その没入感。
聴き始めてすぐに感じるのが、田舎の片隅にあるような和室の一部屋に招かれたかのような環境音。驚くほどリアルで、その風景が想像できそうなほどです。
その中で茶道を嗜まれている伊ヶ崎さんが聴かせてくれる濃茶を点てる音や、茶道具の音が重なると、聴いているのがとても心地よくてたまりませんでした。
茶道に詳しい方なら、より楽しめるのではないでしょうか。

メニューもよく考えられていて、ハンドケアの関連から耳かき、ヘッドマッサージと、体の部位的に次第に上の方へと進んでいくような構成。
ハンドケアでは手全体のケアから爪を切ったりやすりで整えるという貴重な音まで聴けるので必聴です。こちらはおまけのASMRでも、そのこだわりについて語ってくださってますし、整えた爪の表現のが伊ヶ崎さんらしくて笑ってしまいました。

どのトラックも安眠要素が強いですが、ハンドケアや耳かきでたっぷり2時間近く聴いてからのヘッドマッサージはリラックス効果が高く、一番睡魔がすごかったかと思います。
(初回視聴はトラック2でスヤスヤと落ちましたが……)

音だけメニューもありますが、個人的には伊ヶ崎さんの声ありの方が好きです。
声が好きというのはもちろんですが、台詞だけでなくネイルケアや耳かきなどで聴こえる息遣いまで入れてくれているのが、本当に好き。
癒してくれる人が近くにいることを感じられる……というのがとても良いと思うのです。

レビュータイトルにまったく意味はない。
「かみ」って6回ぐらい言えたかな。

しかしこの作品の中に含まれている神という単語は、そんな数には収まらない。
何回言ってるんだろうと数え始めたけれど、1トラック目で50を超えそうな勢いだったから数えるのをやめてしまった。
とにかく神アピール、神の圧がすごかった。

そんなダラダラしてしまう気持ちに喝を入れようと舞い降りてきた神は、どうやら自分専属らしい。
自分専属ってことは守護神か?いや、この止まらない喋りっぶりは守護神ならぬ私語神だ。
とにかくやる気スイッチを入れる方法を模索しようと喋りまくってくれる。

それでもダラダラするもんだから、神の口も悪くなるし時にはナチュラルに舌打ちだってされちゃうし、うるせぇとか面倒くせぇとも言われちゃう。

しかしそんな神様でも。

座り込んで立ち上がる気もない僕に、ポキポキと骨を鳴らしながらも立ち上がり方のお手本を見せてくれたり。

布団に入ったまま惰眠を貪っているなか、早く起きろと言いながらも添い寝スタイルでピロートーク展開してくれたり。

まともな飯を食えと言い始めるから、栄養バランスうんぬんの話かと思ったら、食べれる時に好きなものを後悔しないように食べろという。

ツンツンしているけれども、この神様は優しさの塊なのであった。

なので聴き終わった後は。

飯の話をしている時の居酒屋で飲みながら話してる感が好きだから、またお喋り聞きたいし。
添い寝はかなり密着してくれるし起こす時だけじゃなくて寝る時にもお願いしたいし。

そんなやる気というか願望というか、神が想定してない別のスイッチが入ってしまった気がするのであった。


・・・ということで最後に定番のふりーとーくを聴くと、うっかすっか感抜群突発アドリブ作品の制作スピードの速さに驚きます。

それなのにこれだけ面白い話が出来上がるなんて。
それだけ素晴らしいネt・・・いや、神が降ってきたに違いないですね。

2022年からリリースをスタートした淫ラジDL版も、わずか1年で第5弾まで到達しました。

今回も前作までと同様の構成を踏襲しています。
本編では第102回～第106回(2021年3月31日配信分～2021年5月5日配信)を収録。wav音源も併せて収録されているので、ASMR要素の強いコーナーはもちろんラジオ全体を音泉での公開版とは異なる高音質で楽しめます。
また、ここだけでしか聞けない各回収録後のおまけ音声も同梱されています。

懐かし回セレクションでは第23回～第25回(2018年12月19日配信分～2019年1月16日)が収録されており、そのうち第23回が「副音声版」としてピックアップされていまして、個人的に最大の楽しみがこの副音声版でございます。
*2018年1月2日は年始の関係でお休み

ということで、録り下し音声は今回も約2時間の大ボリュームです。

副音声版も早いもので第5弾。前述の第23回が題材となりまして、番組スタートから半年ちょっと経過したタイミングですね。

「淫ラジの番組に慣れてきた当時の伊ヶ崎さん」
「淫ラジの副音声に慣れてきた現在の伊ヶ崎さん」

・・・という両者の対比が聴きどころ。
コロナ前の当時と現在の環境との大きな変化を痛感しながらも、伊ヶ崎さんの声や考え方・趣味嗜好のようなものが変わってないことを面白おかしく聴くことができました。
ラスト1分がひどい笑(褒め言葉)。かなりツボって笑ってしまいました。

「復刻ASMR」や「復刻安眠研究部」も今作の本編もしくは懐かし回セレクションの中からチョイスされていますので、また一味違った音や演技の違いなどを楽しむことができたと思います。

第4弾までと異なり、フリートークとなる「シロクマ耳かき店」は40分弱とかなり長め。
内容も比較的パーソナルな話題が多く、伊ヶ崎さんをもっとよく知りたいという自分にとってはとても嬉しいトークばかりでした。

淫ラジDL版も早くも第4弾。

今回は前作第3弾からの続きという感じで、第97回-第101回(2021年2月3日配信分-2021年3月17日配信分)の本編と、それぞれ収録後の未公開音声が収録されています。
その他、懐かし回セレクションということで第19回-第20回(2018年11月7日配信分-2018年11月21日配信分)と、第22回(2018年12月5日配信分)も収録。
いずれも放送当時より高音質なwav音源があるのが嬉しいですね。

空いている第21回(2018年11月28日配信分)は毎月最終水曜日の「日直回」にあたり、日直回パーソナリティの天知遥さん他、ゲストに藍沢夏癒さんをお迎えしている関係で未収録となっているのかなという感じです。こちらは伊ヶ崎さんのCi-enの有料プランにて、2018年12月26日のバックナンバーから聴けます。

さて、今回も録り下し音声がさくさん入っています。

「復刻ASMR」は淫ラジで受け付けたリクエストの再収録。
リクエスト内容は同じでも同じ音になることは決してないので、ASMRの奥深さと楽しさを感じることができますね。特に伊ヶ崎さんは物を使ったASMRが上手で、咀嚼音もとてもきれいなので、この録り下しは必聴です。

必聴といえばやっぱり副音声版ですね。
伊ヶ崎さんご本人は変わらず乗り気じゃなさそうですが、本当に素晴らしい企画を考えてくださったと思っています。
またすごく初期の放送を選んでくださるのがいいですよね。その分精神ダメージが増えているようで、恥ずかしがっているような伊ヶ崎さんの様子を聞いていると、とてもニマニマし・・・いえ、癒されますね。
今回の副音声版では、犬のような連続鼻息の再現(腹筋使うしめちゃくちゃ難しい)の主副音声コラボがあったり、度々眠気を誘うところもあり、一緒に聴いてる雰囲気もあったりと、良かったです。

次回も副音声版、楽しみにしてます!(大声)

恒例・定番となりつつある音泉で配信中「淫ラジ」の総集編第3弾。
今作の淫ラジ本編は、第92回-第96回(2020年12月16日配信分-2021年01月27日配信分)の他、懐かし回セレクションということで第14回(2018年09月19日配信分)と、第16-17回(2018年10月03日配信分-2018年10月17日配信分)が収録されています。

本編は音質重視のwav版があり音泉にて配信されているものより高音質なので、ASMRや安眠研究部のミニドラマを存分に楽しむことができます。
wav版は伊ヶ崎さんのCi-enでも指定プランに加入されていれば、最新回が音泉で公開される度にその前回分が入手できますが、このDL版であればある程度まとめてパッケージされている分コレクターとしてはやはり嬉しいアイテムです。

さて、やはりDL版といったら録り下し音声。今作も2時間弱たっぷりと収録されています。

各本編のおまけ音声はCi-enでも配布されていない、ここだけで聴ける音声。基本的に本編収録後に録られているので反省会っぽくもありつつも、ゆるい感じのトークが楽しめます。

今回もあります副音声でピックアップされたのは第14回。
数年ほど期間が空いていても、トークをしている地声は変わらずとても可愛いままですね。
今作も今までのDL版とスタイルが違っていて面白く、今回は本編に対して茶々を入れたりしつつご自身が本編で行ったASMRやイタズラで声を上げたりと、過去の現在、2人の伊ヶ崎さんの攻防が垣間見えます。
おまけ音声にも一部あったのですが、たまーにおかしな笑い方をされるので釣られて自分も笑ってしまいました。

録り下しASMRでは個人的に好きな髪の音が入っていたのが嬉しかったです。伊ヶ崎さんは髪がとても長いとのことで梳かす音はとてもきれいで聴き応えがあります。その他マッサージ音声も充実していて、価格的にもお得な内容です。

ヤンデレ・メンヘラのヒロインだけが存在する独特な世界。

彼女により聴き手は監禁され、この世界についてほとんど語られず。それ故に多くの想像をし様々な解釈をする、まさに聴き手が主人公となるお話。

冒頭5分以上もの間一切の台詞がなく生活・環境音だけで構成されており、知らない世界に放り込まれたような感覚に。
一瞬聞こえる外の音も無慈悲に窓を閉じられ聞こえなくなりカーテンも閉められ、いよいよ外界から隔離される。
そして初めて聞こえる彼女の声。何も纏う事を許されず、身動きも取れず、視界すら奪われているのがわかるうえに、肝心なことは何も語られず、「すでに自分は終わっている」という事だけを暗に突きつけられる。

その先は3つのIFで展開。

「共依存」は他と違い明確な答えを返さず、行動に表さずというところが大きな違いだろうか。言うなれば「現状維持」。
この後の発展として「絶望」もしくは「乖離」へと繋がるような。その選択をするための要素がここにあり、何も選択しなかった結果が共依存ではと解釈。

「絶望」は視界が遮られているがために、出掛けると嘘をついて部屋に留まった彼女に気付かぬまま逃げるものの、長い間身動きが取れなかった聴き手に立つ力はなく。上方から聞こえてくる彼女の声に、床を這いつくばる自分がわかるので、文字通り絶望しかない。

「乖離」はすべて意思を放棄する。
聴き手の意思を捻じ曲げて自身の望む通りにしていく世界こそが彼女の理想。しかしそもそも意思を放棄されてしまえばどう捻じ曲げようにも自分の望む通りにならず、その理想が崩れてしまう。「どうでもいい」をいくら捻じ曲げても「どうでもいい」ので。
ここで彼女の世界が終わるとすると、作品名にある「あなた」は彼女のことを指す解釈もあり得るのかも……?

フリートークは和鳴るせさんによる作品解説で聞き応えがあります。
聴き手の数だけ幅広い受け止め方ができる素晴らしく奥深い作品です。

お風呂と入浴剤の概念がキャラクターとして登場し、それにまつわるASMR要素がたっぷりな作品。
「おふろさん」をメインとし、「頭」「顔」「体」の各部位を洗うトラックでは、水音・洗う音を豊富に含んだ気持ちの良い音が楽しめます。
シチュエーション通りにお風呂で聴けば気分が上がると思いますし、寝る時に聞けば安眠音声としてリラックスした気持ちになれる、それぐらい良いASMRとして聴くことができると思います。

「おふろさん」もそうですが、「ハーブ」「ゆず」「さくら」「ひのき」「ローズ」の入浴剤のキャラクターたちが、すごく個性的。
お互いに掛け合いをしていたり、わちゃわちゃと話している様はまるで絵本のような世界観。それぞれ担当されている声優様の声も同様に個性に溢れているので、その可愛いらしさに癒されますね。

単純に音声として楽しめるだけではなく、好きなトラックの順番を入れ替えたり組み合わせたりすることで自分だけのお風呂パートを楽しめるという遊び心もあるので、日によって聴き方を変えることもできそうです。

こうしたところが活かせるように、多少の誤差はあれど個別パートの長さはほぼほぼ均等に作られていて、かつそのパートごとの内容の軸を統一して大きな差がでないように作られているのは、組み合わせやすさを考えた時にとても良いポイントだと思います。

自分としては、忙しくてお風呂に浸かれない時だからこそ、寝る時に聴きたい作品だなと感じました。そういう時でもゆっくりと湯船に浸かっている気分になれたりもするでしょうし、良い音と声を聞きながら眠ることで良い夢が見られそうです。

げっぷ。
それは生理現象。

げっぷ。
それは生きるために必要なもの。

げっぷ。
それは無意識に出てしまうことがあるもの。

ということで、「げっぷは安眠音声」という新しい世界を提示しにやってこられましたのは、もちろんこのサークル「+ ucca ∫ ucca +」でございます。

そうだよね。全年齢だよね。げっぷは生理現象だし寝ている時に出るかもしれないよね。

ということはスヤッスヤな寝息や、ムニャムニャクチュクチュ言っちゃうお口の合間に、囁きのようなげっぷが出てしまうことだってあるんじゃあないか?
そんななさそうでありそうなシチュエーション「だけ」を凝縮して、平然と世に放ってきてくださいました。そこにシビれる!あこがれるゥ!
成人指定のものより控えめで、寝息との緩急も程よく、げっぷ音初めての方にも良い作品です。

さて、「安眠用」と言いつつも「本当に寝れるのか?」という至極当然な疑問が。

結論から言うと、寝れました。
確かにある程度の睡魔はあったと思います。

トラックの順番通りに右から・・・左から・・・と聴いていき、さぁこれから両耳トラックに入ろうか!
・・・というところでベッドイン。
寝ている間にげっぷが途切れないように左右・両耳の全トラックをまとめたプレイリストを作りループ再生の準備も万全です。

両耳からすやすやクチュクチュという音の合間に、控えめとはいえ、やや力強いげっぷ音が聞こえてきます。
「おおぅ、両耳から同時に聴こえるげっぷ音は片耳だけよりも、やっぱり圧が違うなぁ・・・♪」
なんて、数回楽しんでいますと・・・


・・・落ちました。いともたやすく、あっさりと。
そして目が覚めたと同時に聴こえてきたのもげっぷ音。

その音は控えめで優しくて、こんな素晴らしいげっぷ音が聴ける私はきっと特別な存在なのだと感じました。
今では私が購入済み。げっぷ音初めての方に勧めるのはもちろんウィスパーげっぷ。
何故なら皆様もまた特別な存在だからです。