パレオさんのレビュー一覧
レビュアーランキング | - | (役に立った数:3件) |
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投稿数ランキング | 630位 | (総レビュー数:18件) |
いちおし作品
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その日の食べ物にも困っているネコ娘と公園のベンチで読書する少年との会話劇。人の姿になってしまったからか食べ物の質と量に困っているねこみみ少女になにかと世話を焼いてあげるメガネ少年との間に微妙な距離感を感じるのが面白い。まるでまったく懐かないネコに辛抱強く餌付けをして徐々に距離を縮めているかのよう。何故かやけに押される松ぼっくりや鳥居に止まっている鳩など小物ひとつひとつが可愛らしくて穏やかな気持ちにさせてくれる。前回から描かれている少女の住処の描写も荘厳で美しい。ただ会話を読むだけでなく眺めて鑑賞して穏やかな気持ちにさせてくれる作品。
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2024年02月01日
腹ぺこネコ娘と公園で読書するメガネ少年とのとりとめのない会話劇。いつもの如く食べるものに難儀するねこみみ少女との何気ないやり取りの穏やかな時間の流れが描かれている。サンプルでは一部しか見ることが出来ない扉絵の細やかに描かれた背景と小ネタが見ていて楽しい。舞台が公園から少し広がり少女の住処が登場し彼女の家族の存在がほのめかされて物語に少し奥行きが増してきた。それらが表されるのも綿密に描かれた木々や木目の様子であるのがこのシリーズから感じられる素朴な魅力を表している。
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2024年02月01日
野性味溢れるネコ娘と公園のベンチで読書する少年との会話劇。何故か人の姿になっているねこみみの少女が公園でサバイバルする様子がいつもの如く展開される。昔は普通のネコであったであろうと思われる描写があるものを怖がることでその様子がうかがわれ、なんだか可愛らしくてほっこりする。著者の描く綿密で素朴な背景や少女の細いけれど柔らかさを感じさせる身体描写が個性として確立しており、ついつい繰り返し読み眺めてしまいたくなるシリーズ作品。
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なぜか人の姿をしているネコ娘と公園のベンチで読書する少年との会話劇。暑くてポニーテイルにしたねこみみ娘といつもの如くのどつき漫才。現実の猫の如く近くに居て可愛らしいので手を出そうとすると怒って噛み付かれてしまうかの様なやり取り。ほんの少しだけれど少年の現状が語られ二人の信頼関係が描かれる。その描写が精緻な背景画や少ない言葉のやり取りのみで描かれとても心地よい。著者の他の作品でも見られるがこのさり気ない心理描写が木材石材氏の真骨頂であろう。
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2022年01月31日
なぜか人の姿をしているネコ娘と公園のベンチで読書する少年との会話劇。いつもの如く自由気ままに生きるなぜか人の姿になってしまったぜにねこと彼女の傍らで静かに寄り添う少年との漫才が描かれる。今回は腹ペコのぜにねこが色々なものを食べる話。表紙では幸せそうに甘味を食べる彼女だがのらであるゆえにその日食べる物にも困るほど。人の体に慣れてないからか食べるものが体に合わずに難儀してしまう。ただただ本能のままに動き回るねこが可愛らしい。
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2022年01月31日
なぜか人の姿をしているネコ娘と公園のベンチで読書する少年との会話劇。過去の話を読んでいないと分からなくなるということはないのでこの話から読んでも大丈夫。いつもの公園いつものベンチで交わされる会話とツッコミ。暑くて死にそうになったりお腹が空いて死にそうになったり忙しなく動く様子が気ままなネコを彷彿とさせ、背景やキャラクター描写が更に洗礼されてくるくる表情の変わるぜにねこの可愛らしさが増している。
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2022年01月31日
なぜか人の姿をしているネコ娘と公園のベンチで読書する少年との会話劇。ぜにねこの突込みが理不尽になったり少年が変体チックになったりよりコメディ色が強くなった。自由奔放な猫を眺めて可愛いなと思いながら引っかかれた傷をさするようなそんな読後感を味わえる。照れ隠しでなくなってきたぜにねこの突っ込みは少年がだんだんかわいそうになってきて、もう少し報われている描写があって欲しいなと思う。
意思を持つラブドールと孤独な少年の体の関係を持たない同居生活。前回で物語りには一区切りが着き今回は番外編の様な内容になっている。雨が降る日の室内でいつも通りに過ごす二人。少年の趣味や料理の話をエロでまぶしたり的確な突っ込みでかわしたりしながら何気ない日常を送る。キャラクター造詣が確りしているのでそんなやり取りでもいつまでも見ていられる、見ていたいと思わせてくれるふっと心の緊張を解きほぐしてくれる様なそんな作品です。著者は2019年現在同タイトルのリメイク作を商業誌で執筆されております。気に入られた方はそちらもオススメします。私は商業誌で著者を知り新作発表が待てずに同人作を購入したという次第です。
意思を持つラブドールと孤独な少年の体の関係を持たない同居生活。生きてるってなんだろうという直球な題材をラブドールが街頭アンケートで意見を募りそれを地道に実践させるコメディで見せる本作が好きです。今回が一応のシリーズ集大成になっていてコミカルな要素も間に挟みながら二人の絆とは何なのか最終的な答えが提示され終焉を迎える。冬という設定がいい。わずかな温もりであっても確かに存在すると感ぜられるそんな季節が本作の作風にぴったりである。夜が開け二人の視線の先に訪れる朝を見ながら少女が語る言葉のひとつひとつが胸を打つ。とても静かだけれど深い感動が味わえる作品でした。素晴らしかったです。
意思を持つラブドールと孤独な少年の体の関係を持たない同居生活。すぐ脱ぎだすラブドールの少女のため服を買いに一緒に出かける少年だったが彼女の表情は相変わらず変化に乏しい。前回に引き続き何かにつけてエロい方向に持っていこうとする少女と冷静に突っ込みを入れる少年との掛け合いが見ていて楽しい。少年のことについて貪欲に知ろうとする少女とそれを決して拒否しない少年だが心が通じているのか空回りしているのか曖昧な様子で、それは読者にとっても同じくふたりの関係がどうなってしまうのかハラハラしながら見守ることになる。今回は少女の「楽しい」を求める話となるのだが相変わらず無表情を崩さない少女なのだけれど…と繰り返し読んで新たな発見があるとても丁寧に作られた作品です。