時々「これは本当に悪魔や悪霊に乗っ取られた、でもいいのでは」と思ってしまう作品を見掛けることがあるのですが、この作品の場合は完全に「二重人格」でないと成立しないと感じました。
この作品のヒロインである愛名は自分のことを嫌い、友人に陰口を叩かれてもゴミ箱にされても笑っていようとするキャラです。
血のつながりがあると言っても子供と親は別物であるのに、明らかにライン超えしてる一言に対しても「空気読んで笑わなきゃ」なんて思っている娘です。
自分を大切にすることを忘れ、一人苦しんで自責していたらそりゃあ壊れますよね。
裏人格のマナがやったことは最初のうちはサポート的なものですが、短期間で信頼を獲得し依存させていくのは本当に上手かったし、最終的に主人格たる愛名にやった「トドメ」はとても辛いものだと思います。
それでも彼女(達)の結末を否定できない、したくない自分がいて複雑な気持ちです。
結局自分のことを救えるのは自分だし、それが最悪なものでも肯定したい。
もし私自身がこの愛名の立場であれば同じことをするかもしれないと思うからかもしれません。
完全なメリバですが、個人的にはハッピーエンドかもしれないです。
めちゃくちゃ時間かけて自分と向き合わなきゃならないし、どんなに自分のことを嫌いでも自分に対して嘘をついていても受け入れなきゃいけない。地獄のように思えますが、それが別人格の自分を大好きになる行為となるとなんとなく明るい気持ちになれるかも。
裏人格たるマナの愛であり怒り、罰なのではないかな?と、感じます。
正直、個人的には「先にその友達とやらに報復してからしようよ」と思っちゃったけど、スマホにデータ残ってたらワンチャン…?(余韻…)
色んなことを考えることができ、とても楽しめました。考えを纏めたつもりですが乱文になってしまいすみません。