透過雷管さんのレビュー一覧

『メイドのマナちゃんに癒してもらおう』に続いて、めぐみさんが登場!
ご存じの通りCrescendoさんのメイドさんはそれぞれが魅力を備えているわけですが、その中で彼女の特徴と言えば、そう「甘やかし」。
包容力で言えばナナさんも持ち合わせてはいるものの……ナナさんがふんわりとした空間で和ませる方、めぐみさんは心を解して和ませる方と、似ているようでまた異なります。その為甘やかし――あるいは甘やかしたいという意志においては右に出る者は居ないでしょう。
とはいえ過度にどろどろにしてくるのではなく、あくまでも寄り添って――スキンシップは強めだけど――安らげるようにしてくれるのが良い所。しつこすぎずに、ゆっくりと心を落ち着ける事が出来る時間を過ごす事が出来ます。

甘やかし、そしてプライベートでの時間ということで普段よりもボイスは多め。語り掛けてくる形になるのでそれを聞いていようとすると眠れない……と思いきや、聞こうとする意志が眠気に負けていく。頭皮マッサージとアイシングと耳かきで、一通り聞くまでに3回かかったのでその点は保証します。安心と信頼のお声と音です。

また音の種類も特筆すべき点でしょう。頭皮マッサージ→マッサージガン→フェイスローラー→アイシング→耳かき、と全く違う音/違う癒しが続いていくので聞くたびに新鮮。人によっては新しく好きな音を知ることにも繋がるのではないでしょうか?

また、癒しと癒しの間の時間を知れるというのも本作の魅力です。
普段の3D ASMRではどうしても書ききれない癒しの時間以外の描写や、プライベートであるからこそのいつも以上に砕けた雰囲気。そういった側面を見られる事は、より良く彼女達の事を知ることに繋がります。
それは単体で楽しい、面白いのは勿論。3D ASMRを見る(聞く)上でもプラスに繋がるでしょう。
そう、つまり、他のメイドさんの作品もいつか来たらいいなと思うのです。

癒しのスペシャリストを名乗るだけあり、野々花氏の『癒し』に対する知識、そして向き合い方は目を見張るものがある。
その分こだわりも強く、人によってはとっつき難いと感じることに間違いはない。「行う癒しの内容について指示をしない」という点などはその代表格だろう。
とはいえ、彼女のパフォーマンスを踏まえれば、癒しの内容に対して此方からリクエストを投げかける事自体が無粋だ。
定番の耳かきやマッサージは勿論、十八番ともいえるアイスグローブ、またウッドチップ×オイルといった素朴な癒し、一瞬身構えるもののうるささを感じないシェーバー。まるでおもちゃ箱のように多彩なその癒しは、しかし受け手側の事を考慮した順番に並べられている。無造作に見えて、計算されているその構造を理解した上で、「次はこれをして欲しい」などと言えるだろうか?

また、初めて癒しを受ける人物に対しても真摯である事も分かる。今からどんな癒しをするか、どのような癒しを受けているのか、それを懇切丁寧に説明している為、癒しに対して知見が無い人物であっても、今何をされているのか、この感覚は何処から来ているのかを理解することが出来る。
先述のリクエスト禁止という話とは反するかもしれないが、あるいはこの施術を経て自分が好きな『癒し』を見つけるという事も可能だ。


強いて問題点を挙げるとすれば、彼女の施術は多少長いという点だ。その上、左右交互ではなく片耳ずつじっくりと集中する傾向にあるため、もう片方が非常にもどかしい気分になる。その点を踏まえると、ゆっくりと癒されたい時に真価を発揮すると言っても良い。

そして、それを超える最大の問題点は、那須原野々花氏が癒しの一要素に無自覚な点だ。
「ささやき」。なるほど道具リストには載せないだろうが、彼女の癒しを語るには外せない。外せない、のだが文字数が足りないので割愛する。詳しくは実際に聞いて確かめてくれ!

クリエイターと受け手側の信頼関係で作られている、

端的に言えば本作はそういった作品だ。
これは作品テキストにも書かれている通りだが、まさにそれを目指して作られている。

ASMRは音をメインとしたコンテンツではあるが、それだけを目的として聞かれているわけでもない。耳かきに、マッサージに、シャンプーに対する印象を持って聞いている。
そして製作者側はその補強として何を使っているか、どんな素材か、感触か、色か香りかを示してくれる。おそらく覚えがあるだろう。

閑話休題。
本作は(前作もだが)そこから派生して『普段使われないアイテムだって、あなた / わたし であれば体験することが出来る』という組み立て方を意識的にしている。そして、それを理解できる点が本作の評価に繋がる。
もしこれがその意志のみで作られているのであれば曖昧な想像か、あるいは違和感を抱えて終わっていただろうが、そうではない。私たちはモニカがどこにいるかを知っているし、何をされているかを感じることが出来る。
それこそ長年培ってこられた知識と技術のなせる技だろう。

魔界道具というそれこそ突飛な道具だから際立っているのではと思う方もいると思う。
それを反証するのがトラック4だ。本当に意味が分からない(※)のだがシャンプーをリンスと、あるいはその逆と勘違いすることが出来ないだろう。
いやあまあこれも魔界の物らしいのだが、そこまで突飛でなくてもその違いを理解できるし、理解出来るとされてるからこんな微細なものがトラックとして用意されているのではないだろうか?
※実際にはシャンプーとリンスの扱い方の違いを表現しているから、かもしれないが。


ところで話は全然変わるんですけど、トラック01って滅茶苦茶ビビりませんか。
「あれ? これイヤホンセットしてるよな……?」って。

そう、ファイル_03の事だ。
「お前もこちら側に来ないか」という声が聞こえてくるようなオーラを放っているそれら。パトラちゃん様の(いろいろな)経験と趣味嗜好に従ったシチュボは自由と個性の体現。
あなたはどれが気になりますか? 私は白ギャルか妹が良いと思います。
……サンプルにギャル耳かきがあるじゃん!

話を本編に戻そう。
環境音から取りに行くこだわりと、長年の(ASMRの)経験に裏打ちされた音で作られたシナリオASMRは心が落ち着き、そして情景が浮かぶ素敵なシチュエーション。難点は全部聞くのが難しい所。最初シャンプーまでしか記憶に残ってなかったものね。寝て起きて聞き直して寝て聞き直して起きてようやく一周終わったものね。
元々シャンプーやヘッドスパが好きというのがあるけど(それこそトラック02→Youtube動画高音質Ver.の高級理容室とか最高)、それにしたって「通しで聴くぞ」と思っても寝かされるんだからすげえや……


少し真面目な話をすると、ではパトラちゃん様もとい周防パトラのASMRの良さはどこにあるかと言うと――"静かさ"。雑味がなく、聞かせたい音だけがクリアに耳に届く。下手すれば音だけが突出しすぎて違和感を生みそうな所、そういったことも無く音に没入出来る。この辺りは声有りが上手く機能してるなって気がします。
声が無い方が良いという方もいると思いますし、私も声少なめな方が好きなのでその気持ちはわかるんですけど、『周防パトラ』に関して言えば声があっても眠れるんですよね。ふっしぎー
無論声無しがダメってわけではなく。収録されている音オンリーのも聞き心地が良いですし、短時間なので仮眠とかにも適していそうですし、耳かきソムリエになれそうですし。

1作目、2作目、3作目と様々な趣向を凝らしているこの状況。果たして4作目はどのようなものが飛び出してくるのか。気が早すぎると思いますが、楽しみになりますね。

書いてタイトルの通り。2時間じっくりと耳かきを堪能できます。

特筆すべきはマッサージ。耳掻き前の準備である本段階で既に非常に気持ちが良く眠気を誘います。このトラックだけでも多様な音を楽しめるという点もまた良いですね。
一方で耳かきも充分なクオリティを持ち、気持ち良い所を的確に刺激されるプロの手腕を味わえます。
マッサージも耳かきも、耳を満遍なく満たしてくれるのが良いんですよね……

そしてそして忘れてならないのは環境音と、そしてシロナちゃん。
リアリティ溢れる雨音が生み出す空間はまさに雨の日の室内。そこでシロナちゃんの説明を聞きつつ施術をされる様は時間以上の贅沢。繰り返しますが、あっさりコースとは果たしてなんぞや……

あとシロナちゃんに関しては単純に動きと会話が可愛いですよね、なつっこい小動物感というか、適度な"あざとさ"というか、仄かなむずかゆさというか。
良いですよね。

御機嫌よう、メスガキをお求めの皆々様。
本作はそんなダメな大人たちに適したASMR作品となっております。


前半は(序盤のジャブを除けば)正道なASMRと言えるでしょう。
綿棒や梵天をはじめとした各種アイテムによるマッサージは丁寧であり、罵倒を聞いたら心が折れそうな日であっても安心して聴くことが出来ます。
この場面の特徴は、なんといっても両耳責めの多さ。
本作はその大部分について「右」「左」でトラックが分かれておりません。そしてそれらトラックでは同時に両耳を責めて貰うことが出来ます。
両耳を同時に刺激されるのは、片耳をマッサージされる時とはまた別な感覚である、というのは既にご存知かと思います。どちらもそれぞれの良さがあるのは言うまでもありませんが……両耳で聴きたい、という日にこれほどうってつけの作品も中々ないでしょう。

ですが。
紳士淑女の方々はまだ若干の物足りなさを感じるでしょう。
ASMRとしては申し分ないが――メスガキはどうした。そんな思いが伝わります。
勿論ご安心ください。後半ではその需要を十分に満たすトラックがご用意されております。より具体的にはトラック15。本トラックではタイトル通りのメスガキ囁きを堪能することが出来ますが、それだけではありません。
本作は全編通して、トラックの前後にちょっとした囁きが挟まりますが――後半ではその囁きもより『生意気』さを増しており、ダメな魂にスッと染み渡ること請け合いです。

甘やかされ、馬鹿にされ、良きダメ大人ライフを堪能しましょう。


唯一難点を挙げるとすれば、トラック分割のタイミングでしょうか。
トラックの最初にマッサージの内容を説明するケースと、直前のトラックの最期で説明が挟み込まれるケースがある、そのちぐはぐさは少々気になる点です。とはいえ、それはトラックを細分化して頂いた結果故に発生したものですので、仕方のないこと、大きな問題点では無いと思いますが。

ちょいとダルっとした感じ、怪しげなお姉さんノノさんに癒される本作。
「自慢げに癒してくる」その姿とその態度に劣らない様々な道具による癒しは安心のCrescendo品質ながらいつもとはちょっと違った感じを楽しめます。

その中でもトラック6 → トラック7の流れは最高の一言。
絶妙な動きとタイミングによる、「こちらを完全に見透かしている」テクニシャンな癒しの時間。ASMR界隈広しと言っても、ここまで的確に責め癒してくる機会はめったにお目に掛かれない。至高のひと時と言って良いでしょう。


こればっかりは説明するよりも、実際に聞いて感じてもらうしかない。
損はしない、実際に聞いて感じてくれ。

春告精、リリーホワイト。
道中ボスとしての初出ながら、春という季節の一つを司るその性質は非常に象徴的であり、幻想郷の春には欠かせない存在として今もなお親しまれている。

本作は、そのリリーホワイトを存分に摂取できる作品、総集編だ。
ほんわか柔らかなリリーホワイトとイケ可愛知性派(?)なリリーブラックを中心とした掛け合いは、200Pに渡る可愛さの暴力。
春に絡んだりチルノ&大ちゃんが絡んだり、二人だけの時間が流れたりと様々な日常を見ることが出来る。

多様なのはストーリーだけではない。本作中だけでも様々な衣装が用意されており、サンプルの水着以外にも寝間着、冬服、猫耳、浴衣等々……様々な姿を見ることが出来る。凄い! 全部可愛い!

そう、ばくPのリリーは滅茶苦茶可愛いんですよ。
かわいくてやわらかくて、ころころ変わる表情が魅力的で、それでいてちょっと"えっち"な雰囲気を漂わせる絶妙なバランス。これを電子版で保有出来るというのが非常に素晴らしい、ありがたい。

より正確に言えばばくPの描く子ってみんな可愛いんですよね。
特にロリ可愛さの表現が滅茶苦茶に良いので、ロリ要素がお嫌いでなければ是非本作を手に取って欲しい。

大量のKAWAIIトラック!!
KAWAIIをふんだんに詰め込んだノレるコンピレーション!!

声の雨に打たれ癒されるのもよし、
ノリに任せて頭を振るのもよし、
本作を組み合わせて新天地を作り出すも良し、
クオリティ・オブ・ライフを向上させる声ネタ、
脳に直接効く栄養素の詰め合わせがここに!!!

"うにゃうにゃ" "わやわや"した曲が好きなあなたや、
イルちゃんの声に惹かれたあなた。
日々疲れているあなたに是非。

昨今のASMR作品からすると価格対時間は若干高めに思われる本作。しかしアロマミストで日頃からお世話になっているフルーツポット様からの作品×ポラリス流星群様が制作に噛んでいるということで購入に踏み切らせていただきました。

さて肝心の中身ですが、「声による癒し」に比重が重く置かれていると感じます。作品全編を通して会話をしている時間が長く(特典の添い寝ボイスも同様)、可愛い声を聴いてリラックスしたいという方にはオススメ出来るでしょう。

耳かきやヘッドマッサージの音もそれ自体は良い感じであり(耳かきは音が高めた為好みが分かれると思いますが)、マッサージを受けている感覚は感じられると思います。ただし先述の通り声が中心となっていることで、あくまでサブとして位置づけられていると感じました。
その為、耳かきやマッサージの音を重視するという方にとっては思っていた癒しを受けられない可能性があるため、注意をするべきかもしれません。

纏めてしまえば、声有りを求めるなら良い感じ、声無しを好むならば少し購入を考えた方が良い作品ということになります。
個人的にはどちらでも構わない点、実際聞きながら眠っていたという事実を踏まえて、満足の行く作品ではありました。
ただ、トラック2のマッサージについて、マッサージ音が非常に小さく声とのバランスを取るとほぼ聞こえない状態→実質的に無音になる場面が多少あったということで評価を4とさせていただきます。