カリブ海さんのレビュー一覧

JKとカーレースを組み合わせた異色の青春物語。
本来の世界とはほんの少しだけ異なるIFの日本が舞台であり、法整備などの社会的な仕組みについてもしっかりと設定されている。そのため、ストーリーにも説得力が生まれており、架空の世界でありながらもリアリティーが感じられた。また、心と身体に後遺症を持つヒロイン「佐藤陽葵」はトラウマの元である車を拒絶せず、むしろ積極的に関わっていく強い人間性に好感が持てた。
美少女達が切磋琢磨しながらドライブスキルを磨く微笑ましい姿が魅力的な作品。

多忙な元ヤンOLが化け猫を拾ったことでプライベートが充実していく。
ヒロインは結構な美人だが恋人も居らず、家と会社を往復するだけの灰色の日常がリアルに描かれている。そんな彼女が猫(ひな)に出会って共に生活する内に笑顔が増える様子が微笑ましかった。
自分のことで精一杯だった人間が他者のことを考えるようになり、少しずつ理解し合っていくハートフルな成長物語を社会人で表現する展開も新鮮で楽しめた。

ブラック企業で社畜として使い倒されていたOLが異世界に行く。
異世界モノでよくある「転生」ではなく「転移」であるため、あちらとこちらを行き来しながら主人公が成長していく。
灰色の日々を過ごす内に心身ともに疲弊する姿が世知辛く、現代人なら誰もが共感できるであろう光景をリアルに描写しているのが印象的だった。また、異世界の人間と関わることで主人公の心境に変化が起き、自分の力で苦境に立ち向かおうとする様子がカッコ良かった。

男子高校生「貴一」と女教師「ハナ」が二人を暮らしをするコメディー作品。
メインキャラの貴一とハナが親戚あるいは幼馴染であることは読み進めていく内にわかるが、詳しい関係性は判明していない。
今作のテーマは「睡眠」なのか、安眠に必要な知識を自然な形で読者に提供してくれるため、ただのラブコメ漫画ではなく生活に役立つ参考書にもなる点が便利で良い。
ハナはオンとオフの差が激しく、学校ではさっぱりとしたしっかり者だが自宅では結構抜けているため、そのギャップに萌えた。所感としては合宿での入浴シーンが眼福だった。

亜人のロリメイドと女主人によるハートフルな日常が描かれている。
新人メイドのメルはドジっ子だがひたむきな努力を惜しまないキャラであり、そんな彼女が少しずつ成長していく過程が尊い。メルを使用人として迎え入れた主人は人間関係にトラウマを抱えており普段は無愛想なのだが、メルと関わっている時は穏やかな笑顔を見せるところにグッときた。
時々二人の暗い過去が明らかになるが全体的にはほのぼのとしているので気軽に読める良作である。

漫画家としての活動に行き詰まっていた女子大生が思い切って旅に出る。
最初の行き先は会津若松の温泉街であり、見知らぬ土地で一人で過ごすことによって味わえる新鮮な雰囲気が生き生きと描写されている。現地の観光スポットや交通費、食費などについて紹介している点にも臨場感があって良かった。一度の雑旅ですっかりハマってしまったヒロインはその後病みそうになる度にどこか遠い所に行きたくなってしまうという金のかかる趣味に目覚める展開が面白い。
途中からはヒロインの友人や後輩も加わって賑やかになるのもほのぼのとしていて微笑ましかった。

都会と大人に憧れる女子高生がエッチな青春を謳歌する。
唯は都会の女の子に負けないくらいの美少女でそれなりにモテているがまだ処女であり、エロ本を目にしただけで恥ずかしがるほどウブなところが可愛い。そんな彼女がクラスメイトのイケメン生徒会長と関わる内に仲良くなって初めてのセックスを経験するという正統なラブコメ展開が甘酸っぱくて良かった。また、生徒会長の方も未経験だったらしく、ぎこちなくも一生懸命腰を振るのが微笑ましかった。

辛く重い過去を背負った主人公に新たな家族ができる。
偶々買った冷蔵庫が付喪神で時間に干渉することすら可能な権能を有しているというぶっ飛んだ設定が新鮮で衝撃的だった。また、料理や掃除などの家事だけでなく、セ◯クスまで可能という優れた多機能性が理想的で素晴らしい。元々家電なので価値観などの面で人間とは差があり、主人公と噛み合わない部分もあるが、そんな二人が一生懸命理解し合おうとする姿が尊かった。ほのぼのとしたラブコメ系かと思いきや、終盤で急に殺伐とした展開になったのが意外だった。

魔王傘下のオーク軍団によって城を包囲され、逃げ場の無い状況に陥った皇女「ルカ」と女騎士団の物語。
命よりも騎士の誇りを優先するクリンフリート団長は集団自決を決意し、他の騎士達も彼女に賛成するのだが、赴任したばかりのルカだけは猛反対し逃亡するという温度差が面白い。殺意マシマシで追ってくるルカの助っ人としてファンタジーRPGでお馴染みのセーブクリスタルが登場するのだが、本人の頭と運の悪さが災いし何度も死に戻りする展開が間抜けで滑稽だった。また、斬首、焼死、圧死などのバラエティーに富んだ死に方にも慣れ、プライドを捨てて毎回なんとか突破口を見つける様子が逞しくてカッコ良い。

渋谷で次々に起こる猟奇事件の調査を独自に進める高校生男子「拓留」とその仲間達が危険に巻き込まれていく。情報強者を自称する拓留は基本的に他者を見下しているのだが、幼馴染の来栖乃々を始めとした家族や友人達には優しく接しているところに好感が持てた。
事件の内容はどれも凄惨であり、主人公達の平和な日常との対比がしっかりと描かれているのが印象的である。また、事件を追う過程で乃々が何者かに刺されたり、体育館で公開対談をする予定だったプロのジャーナリストが新たな事件の被害者になってしまったりして、主人公の日常が豹変するという展開にスリルがあって面白かった。