しろしろしーろ✯さんのレビュー一覧

実はこちらの作品は前に聴いたことがありました。
ですが私の中でもう一度お兄ちゃんとしっかり向き合うために完全版を購入させて頂きました。

本編、兄として抱いてはいけない気持ちに葛藤し、ついに溺愛する妹の元を離れる決意をするお兄ちゃん。
ヒロインも彼の事を愛しているので、急にそんなことを言われたら追いかけたくなるもの。

見てしまった彼の秘密。
迫られる究極の選択。例えどんな真実が待っていても、一緒にいられる覚悟があるのか…そしてその選択の先にはどんな未来が待っているのか…
ぜひ確かめてみてください。

特典ドラマボイスは2人の恋人になる前と、その後のちょっとした物語になっていました。
特にマンネリ化しないか心配してるヒロインちゃんと、まさかそんな風に思われているなんて思わなかったお兄ちゃんのキョドりっぷりは聴きごたえ抜群です!

総尺約160分の中で2人の今まで歩んできた道を追体験した後、私個人的な感想をここに残したいと思います。

冒頭、ぐっちゃぐちゃに快感に乱れる聖女様と騎士団長様。
敬語で言葉自体は優しいのに、言葉の端々から伝わるヴィランオーラ。

魔王城? ○供? えっ、一体何が…?
すでに何回も絶頂に達せられ、少しの休憩の間に語られたのは、2人がまだ人間だった頃の馴れ初めと思い出。


ヒロインは何でもハッキリと物申すさっぱりとした性格。
魔王を倒すのはあくまで元の世界に帰る為、皆の為ではなく自分の為だと主張する潔さ。めっちゃカッコイイ…

なのに騎士団長であるアダムの前では無意識に抱きついたり、正直者だからこそのストレートな言葉に彼はタジタジ。2人のやり取りを聴いていると胸が温かくなります。
特に異世界から来たヒロインの父や兄代わり宣言に、思わずクスッとさせられました笑

でも、魔王を倒しても元の世界に帰ることができなかった。

それどころか監禁され、皇太子殿下に押し倒されていたという衝撃の事実。
こんな腐った世の中だったのかと絶望する彼と、それでも彼の幸せを願う為に自分が犠牲になることを選ぶヒロイン。

でも彼はそれを許さない。

魔王になって追いかけてきた彼の姿はもう、騎士団長の面影はない。
ヒロイン以外の人間は全て滅んでしまえばいいと言い捨て、魔王城で闇と快楽の渦に陥れる。
もうあとは元の世界にも帰れず、居場所は魔王城の彼の胸の中のみ。

八神さんが正義と悪の対比を見事に演じられていて、思わず息をする事を忘れてしまいそうになる。
そしてSEも台詞の邪魔をせず、リスナーを世界観にとことんのめり込ませる。

どんなに世界が変わろうと、彼の身体が人間では無くなってしまっても……
彼の愛だけは不変である。
これだけはハッキリ言える2人の激動の物語を、ぜひあなたも堪能あれ。

いいですか。あなたはこれから猫になります。
そして雨の中をさまよっていたら優しげなお兄さんに保護され、カフェのようなお家に連れて帰られます。

再生した瞬間、しとしと降りしきる雨の音に驚きました。
あまりにもリアルで、雨の匂いまでしてきそうな雰囲気に飲み込まれそうになります。

雨で濡れた体をタオルでごしごし。
雨の音が良質すぎて完全に設定通り猫になってしまった私は､
程よい力と嫌にならない程度のごしごし加減にウットリ。
ずっとごしごしされていたいと思えるほど気持ちよかったです。

それから耳掃除の耳かきも絶品。
その際に語りかけるような独り言も混じってくるのですが、それがとても気楽で落ち着いて聴いていられて心地よいです｡

最後は彼と共に眠る際に聞こえてくる心音。
心臓の音って誰かの温もりを間近に感じられてすごく落ち着きます。
心音なしバージョンも収録されているので、その時の気分によって聴き分けられるのもポイント。

全然眠気がない状態でも、この作品を聴くとすぐに眠れるような安心感とリラックス効果がふんだんに詰め込まれた作品｡
お求めやすい価格帯でもあるので、気になった方はぜひ。

最後まで聴いたあと、涙が止まりませんでした。

最愛の兄に身を売られ、遊郭でお客を相手にする日々。
そんな中久しぶりに兄の顔を見かけ、思わず物を投げつけて気を引きお客として上がってもらう。

何も情報が無いまま聴くと妹を売るなんて最低な兄じゃないかと思いましたが、事情を知ると深い訳があったそうで。

実家はお金に困り、経済的な援助のために油問屋に嫁がせることになっていたヒロイン。
でも他の男の物になって独占されるくらいなら、不特定多数のやつに抱かれている方がまだマシ…お兄さんの考えはだいぶぶっ飛んでるなぁという印象笑

ヒロイン、お兄さんのことを恨んでいるのかと思ったら全く逆。
お兄さんにされることならどんな事だって嬉しく感じてしまう大好きっ子。
それが例え命が失われることだったとしても。

一見すると2人ともイカれた愛の持ち主かと思うかもしれない｡
でもそこには2人だけの確かな兄妹愛と信頼がある。

これは悲恋。
でも彼らにとっては一緒にいられるならハッピーエンドなのかもしれません。

私もこんなイケメンで優しくて大切に思ってくれる兄弟が欲しかった!!

兄弟水入らずでドライブ中の3人。
お兄ちゃんである琢磨くんはしっかり者で頼れる長男。
弟の恭平くんはヒロインであるお姉ちゃんっ子で人懐っこい子犬のような雰囲気。
どちらも違った魅力があり、車の中の会話でも仲の良さが伝わり聴いていて思わず笑顔になってしまいました。

近くにある出店を回るシーンがあるのですが、ここで2人のヒロインに対する溺愛っぷりが半端ないです笑

琢磨くんはヒロインと二人でお店を周っているとお店の人にカップルに間違われてしまう程の甘やかしぶり。
琢磨くんの上品な振る舞いぶりも多分そうさせるんだろうなぁ…そして勘違いされた後にすごく嬉しそうに惚気ける姿が少し可愛いです笑

恭平くんは出店で買ってきたさつま揚げをさり気なくあーんしちゃいます。
それはまるで恋人同士のようにイチャイチャしながら…でも｢お姉ちゃん｣って甘えられたら抗えない!!

そして車のトラブルによって近くの旅館に1泊することに。

打ち明けられる2人の好きという想い。
始まる耳舐め、身体への愛撫にキュンキュンが止まりません｡
どちらのキャラクターも冬ノ熊肉さんが演じていらっしゃるとの事ですが、それぞれに個性が光っておりとても聴きごたえがありました。

優しくて頼りがいがあるけれど､かなり嫉妬深いお兄ちゃん。
可愛くて母性本能がくすぐられる犬系男子なのに､雄みを発揮する弟くん。
2人に挟まれてたくさんの愛をぶつけられちゃいましょう!

従兄弟の遺品整理から出てきた本物の女性と見間違うかのように作られた人形。

私はこちらのシリーズはこの作品が初めてなのですが､どうやら他の方のお名前やエピソードがちょいちょい出てくるので､他の作品もとても気になってしまいます。

ある酒に酔った夜、不気味だと言って隠していた人形と勢いで交わっていく。
最初は彼女の身体の作りを確認しながらゆっくりと。

こんな愛玩人形ごときに俺は情を持たない。
あくまで性処理道具のように淡々と犯されていく。でも人形の性能に驚き感心しながら彼自身もだんだんと快楽を感じていく。

彼女のメンテナンスをしている最中では彼の移り変わる心情やセミに激おこな姿も見られて少しクスッとさせられた笑

初めは不気味とさえ思っていた人形に愛着を持ち始めていく｡
｢微笑んでくれたのか?｣、｢背中をさすってくれるなんて｣
人形なので表情の変化や自分から撫でるなんて有り得ない。
ですのでこのセリフは彼が彼女に溺れ夢中になっていく様子が見える。

最後は海に沈んでしまう運命。
それでも愛する彼女と最後まで過ごし、死ぬまで一緒に。

彼がストーリーが進むに連れて変わっていく様子を楽しみ、共に人生を歩んでいるような感覚を味わえます。

冒頭、少しの静寂の後、聴こえてくる彼の泣く声。
どうやら義脳によって目を覚ますことが出来たようで､彼のとてつもなく心配した声色に胸が締め付けられる。

ブレインマシーンインターフェイスを応用した人工の脳…
少し想像出来ない要素ではあるものの、記憶を無くしたヒロインを想ってくれる人がいるってとても幸せですね。

手術後、経過観察のために大学病院の近くに引越し、新居で心機一転また新しい生活が始まる。

…そのはずだった。

ヒロインがまた傷つかないように、危ない目に遭わないように絶対外に出そうとしない彼。
それは単純なものじゃなくて、どこか不穏を孕んだ気持ちの悪いものへと変わっていく。

最後の結末には驚かされました。もうこの道しか彼には残されていなかったのか…
イメージが最後に逆転し圧倒されながら終わりを迎えたので､聴いたあとはしばらく頭の整理でボーッとしていました。

佐和さんの演じ方もキャストトークで語られていた通り、なるほどそういう意図が…と納得致しました。
色んなシーンの感情の変化、ヒロインへの気持ち、彼という人間性を耳で感じられる。

カナリアレコード様の新作とお聞きし、イラストやサンプルを見た際、そんなに闇っぽさやヤバさをあまり感じなかったのですがこれはやられました。

人間はいつ、どこで、どうなってしまうのか分からないものですね。

スイートピロートーク
このタイトルに偽りなしの最高に幸せな時間でした。

待ち合わせをしてケーキ屋さんで一緒にケーキを選んで､おしゃべりをしながらお家に帰って。

まず待ち合わせっていうのがとても良いですよね。
この2人の関係性や会えた時の彼の楽しげな雰囲気がひしひしと伝わってきてこちらも嬉しくなっちゃう。

そして彼女ファーストで振る舞いも紳士でまさにカッコよくて頼りになる理想の彼氏。
これはもうこれから彼氏になる方はお手本にして欲しい。
なんなら教本にして配りたいレベル。

でもイチャイチャし始めると少し意地悪になるんです。
ギャップ!!好き!!
痛い事とかすごくSに豹変とかそんなんじゃないです。
ヒロインがちゃんと受け入れてるのを分かっててやってるのでますますタチが悪い。(いいぞもっとしてください)

やや短めの尺でおやすみ前にサクッと聞いて幸せな気持ちのまま眠りにつける。
疲れた心に速攻幸せチャージ、しちゃいましょう。

お父さんの恋人としてお家に料理を作りに来たり遊びに来るヒロインのお手伝いをしてくれる彼。
爽やかで優しげで、まさに優等生でこんな息子さんだったら結婚して同居する事になっても心配することは無いですね。
そしてエプロンを褒めてくれる時近づいて来ないで私の心臓が跳ねました笑

ですがそれは表面上だけでした。
実はヒロインを一目見た時からずっと女として見ていた彼。
お掃除するために訪れたヒロインを招き入れ､そして何と急に牙を剥きます。
ドアを閉めた瞬間にかなり深いキス!!
抑えられない想いをこれでもかとぶつけてそのまま突入です｡

それからは恋人の目の前で、ベッドの上で、プレゼントされたエプロンのままで……
背徳感マシマシで言うことを聞かざるを得ない状況に追い込まれてしまいます。
そしてトラックを追うごとに激しさは増し、それでも自分のものになってくれないヒロインに父親への悔しさと嫉妬を募らせる。

もっと早くに出会えていたら、もしかしたら2人が付き合っていたのかも。
前作と合わせてまた聴きたくなる作品。

きっかけは本当に偶然だった。
たまたま出会ってしまったのがヒロインだった。

彼の動画を見ていて､興味があったから。
それを話すと嬉しそうな彼が色々と動画を見せてくれて､廃墟の魅力について語ってきた。
同じ感性の人と出会えて嬉しい。君に決めた。
そうして始まる拉致監禁生活。

全ては彼の計画のために利用されただけ。
自分勝手で、命令してきて、気分が悪いと無理やり犯してくる。
一見最低に見えるけれど､トラックが進むにつれて垣間見えてくる彼の苦しい過去。

最後まで聴いた時、それでも貴方は彼を許せないと思うかどうか。
もちろん今までしてきたことは到底簡単に許せることでは無いし､彼だって許して欲しいとは言わない。

でもぜひ最後まで聴いて判断して欲しい。
聴き終わった後、私は当分トオヤマの事で頭がいっぱいになりました。

樹海に引き続きとてもいい作品でした。