UTAKATA的鑒賞一覽

追憶シリーズ2作目!
未来への希望を感じさせる結末を描いた前作、今作もまた甘く切ないテイストは踏襲しつつも独自の展開を切り開く!

作中の冬ちゃんはあらゆる挙動が可愛く健気で甘やかで幸せいっぱいな表情をこれでもかと見せてくれます。
先輩とのお茶目な応酬はありし日の幸せな日常を肉付けして確かな存在感を感じさせます。
聴いているだけで作品世界の情景が目に浮かぶこと間違いなしです。

故にこそ覆ることのない現実の残酷さに切なくなるのですが…

シナリオの展開は当初自分が漠然と想い描いた救いの形ではなかったけれど寧ろそれで良かった思えます。この作品は間違いなく『2人にとってのハッピーエンド』な物語として見事に仕上がっています。

話は変わって
……いやCVの石見さんの演技が迫真過ぎる!!!!!
ほんわかした幸せシーンも破壊力えげつないが感情を爆発させる場面では聴いている側が強制的に意識を惹きつけられる情念を声に乗せてきて震える羽目になりました…声優さんすごい(語彙力喪失)…
シナリオも素晴らしい物でしたがそこにこの演技!作品の独特の雰囲気と相まって文句なしにおススメの名作です。
10日間限定特典が非っ常～に豪華なので早めに購入することを勧めますw

頑張るあなたを労い讃えてくれるノリのいい彼女
非の打ち所がない理想的なヒロイン!…というわけではなく勢いとテンションにまかせて少々調子に乗ったりもする庶民的な一面も見せてくる。
高尚ではないかもしれない何なら俗物的かもしれない、でもだからこそ二人の日常に沿ったいくつもの「○○で賞」を伝えてくれる素朴で優しいお話。
ところどころで挟まれるツッコみそうになるキレッキレな思い出話など二人がこれまで積み重ねてきた日々が垣間見える。
ただ褒めるだけでなくあなたへの不満点にも言及しラストに繋がる、二人がその先へと進むための区切りのような踏切板のような手作りの授賞式をお楽しみください

同サークル作品の「しょにおや!」シリーズにおける小原好美さん出演作が個人的に滅茶苦茶ぶっ刺さったので期待値高めで購入
そして期待に違わぬ甘酸っぱい青春いちゃラブが展開され無事?悶えることとなりました。
後輩くんをからかう時の軽やかな声音、囁く時のしっとりした声音、可愛さ全開の甘やかな声音…とそれらのギャップが場面場面で没入感・臨場感を高めてくれます。
個人的には息遣いやセリフ間にふと自然発生する無音の静寂といった登場人物同士の距離を感じさせるかのような空気感が大変心地いいです。
(余談、初めに挙げていた作品での好きな要因でもあるので演じられている小原さんの表現力の魅力なのだと確信しました)

クラスメイトの執事&お嬢様による甘やかし甘やかされな空間、早くもASMR化。
内気で照れ屋で依存度高めなポンコツお嬢様が普段世話になっている執事へのお礼にお世話したりやっぱりお世話されたり終始二人のイチャイチャが満載
甘やかされだけでなく甘やかしも堪能できる点もお得、というか重要。
やはり静久お嬢様は照れさせて羞恥に悶える様がよく似合う…
元の漫画にボイスが加わり漫画からの読者も作品の新たな展開に触れられ、
漫画未読の新規の人でも本作から楽しめる内容となっている。

距離感バグッてる後輩シリーズの新作
今作でも後輩ちゃんとの同棲生活が展開されます。
ヒロインの夢華ちゃんは小悪魔したたかで一途な女の子、
同棲生活を機に一気に先輩との距離をつめようとするが…!?
タイトルからヒロインがバグッてるかと思われるかもしれないが実際のところは夢華ちゃんのわっかりやすい猛アピールを距離感バグッてるで済まそうとする先輩こそがバグなのでは…!
終始積極的に押してくる後輩ちゃんも実はいっぱいいっぱいだったりとちょっと臆病な2人のイチャイチャに悶えたい方にはオススメ

野中藍さん演じる理容師さんが終始方言で話しかけてくれるASMR
博多系か長崎系かと思われる方言(違っていたらすまない)でともかく明るく最初から懐いてくる
その勢いはリスナーに相づちすら許さない程でひたすら話す。捲し立てる!カットに取りかかる頃には完全に理容師さんのペースに呑まれることになるでしょう。
静寂とは真逆の騒がしい空間で癒しを与えてくれる作品

野中さんの演技は流石の一言で恐らくはかなりの長尺を延々1人で喋り続けているだろうに危なげなく自然な語り口で進行していく

惜しむらくは作中で使われる効果音がちょっとイメージと合わない点
櫛で髪をとかす際にバサッみたいな音だったり
髪をカットしているハサミの音が何だか重く鈍い
チョキチョキ散髪音なはずがザクッ、ジャキッな音が多く心地いい音ではあるんだけど時折(え?今何切ってるの?)という感覚に陥る

結名 美月さんの癒し系ASMRだ!と思い深く考えずに飛びついたら上記の公式から生み出されたとんでもねぇモンスターが待ち伏せしていた…

開幕、柔らかく儚げな声音に即座に購入の正解を確信したところに聞こえてくる不穏な単語…お薬…?お医者さん…?もう逃がさないと言わんばかりに展開されるみーみちゃん(ヒロイン)タイム
トラック1から濃いの浴びせてきて、それが彼くんのお家の玄関先(屋外)で繰り出された事実に思わずツッコむ(この娘はヤバい!でも滅茶苦茶面白い!!)

みーみちゃんは病んでいて、不安定で、自分の世界を見ているのか現実を見ているのかもコロコロ変わって、でも彼くんへの愛情は深く大きく抱いていて…

囁く声は詩を朗読ているかのように優しく少し寂し気に包み込んでくれる、
かと思えば一転あらゆるものを振り払うかのように彼くんに甘えて全てを委ねてくる。ゆったり穏やかな空気に中に紛れ漂う壊れた思考。

幸福と安堵と悲観と不安の緩急が頻繁に移り変わるみーみのテンションはジェットコースターを思わせるがジェットコースターと異なりみーみは我々の予想したレールの通りには進んでくれない怖さが付きまとう…そしてその怖さが故に耳を離せなくなる。

癒し系ASMRだと思った?
残念、癒しが必要なのはみーみちゃんなのでした!
誰がここまでやれと言った!(褒め言葉)彼くん頑張って!

不安定でどこか壊れた彼女の幸せを願わずにはいられないが彼女の幸せがどういった形をしているのかも私にはわからない

そらおとのストーリーと結名 美月さんの熱演による名作。いや敢えて「怪作」と書こう。確かにおススメできる作品となっていますので気になられた方は体験してみると新しい世界が開けるかもしれません。