抹茶茶さんのレビュー一覧
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まずはじめに。主人公たちモン娘の見た目はすこし独特なデザインで、ともすれば引いてしまうかもしれません。ですが、そのちょっと引いた感情こそが、この作品に感情移入できる鍵となったりもします。そして、次第にかわいく思えるようになってきます。
ですので、ぜひ引くだけにとどまらず、興味を持っていただければ、いちファンとしてこれほど嬉しいことはありません。
以前フリーゲームをプレイして以来、次回作(時系列としては前ですが)作成中ということで長らく気になっていましたが、まさかここまでの大作となるとは思っていませんでした。
個性豊かな(本当に個性豊かです。なにせ種族からして全員違うので)主人公たちの特性を活かして、さまざまな強敵を打ち破っていく戦闘ももちろん楽しいのですが、このレビューでは特に、ストーリー面を強く推そうと思います。
王道のストーリーラインを支える、共存と歩み寄り、異文化交流、居場所といった大小ざまざまなテーマ。
基本的にコミカルでありながらも、モブのちょっとしたセリフにまで行き届いた丁寧な筆致が、締めるところはバッチリ締める綺麗さにつながっています。
(配慮と呼ばれて厭悪されがちですが)読者の心情へのフォロー、あと細かい伏線もかなり丁寧です。
先へ先へぐいぐい読ませる物語と、簡単ではないにも関わらずすらすら進めるゲームバランスに、ボリュームが気になりませんでした。
全16章、濃密で長い、とてもいい時間を過ごせました。文句なしのオススメ作品です。
見た目がどうしても受け付けないというのでなければ、ぜひ一度プレイしてみてください。
でも健全というのは嘘です。かなり嘘です。
たしかに直接的な描写こそないけどさあ!!!
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数百人単位の生成/固有NPCが各自のルーチンで動く世界で、
たった一人となって生きる、タイトルに違わず壮大なゲームです。
あなたは冒険者としてダンジョンを攻略し強敵を討伐するもよし、
士官として上司の無理難題に奔走し出世を狙うもよし、
領主や国王として広い大地を治め時に戦争するもよし、
商人として作成と交流、素材集めに没頭するもよし。
……ですが、特に戦闘面のカスタマイズ性が非常に楽しいです。
数多くのユニークな特性があり、選ぶだけでも一苦労。
スキルや装備も、威力やリソースや追加効果や付与能力など、
多数の項目の細かな調整によって様々なものを作成することができ、
多様な戦術を考えさせてくれます。
NPCのセリフは口調とシチュエーション、友好度や上下関係ごとに
バリエーションに満ちたものが設定されており、没入感を高めます。
上記の戦闘のカスタマイズ性と合わせ、
強力な/好みのNPCを発見する楽しみもあります。
一方で、やりこみ部分に目を向けた際、
いくつかの問題点が立ち上がってきます。
まずひとつは、最終的にやることが戦闘になりがちな点。
戦闘以外で目指す目標となりうるイベント、例えば、
ミニゲームの大会、国家間の最終戦争といったものがなく、
ロールプレイの幅が少し狭まるように感じられます。
渋めの確率要素。
(必須ではありませんが)一部レアアイテムのドロップ率は非常に低く、
セーブ&ロードで狙うのであれば、かなりの試行回数が必要です。
上記と合わせ、やや作業感が強まると感じることもあるでしょう。
また、バグが大小多く、特に、
(発生事態はごく稀ですが)セーブデータに致命的な影響を与えるものが
現バージョンにおいても(!)残っている点も、
やり込む際には外して語ることができません。
総じて粗削りな点は多いですが、
一つの世界に生きる人々の息吹を感じながら、
自分もその一人となることのできる気持ちのいい一作です。
2023年07月21日
フリーゲームelonaの血を濃く受け継ぐ作品。
ローグライクとはあるが、カジュアルさ・やり込み甲斐・カスタマイズ性はJRPGに近い点も。
◯評価点
・最初の設定によらず転職が可能で、最終的にすべてのスキル・アビリティを習得する機会があり、最大まで育成することができる。やり込み甲斐はバッチリ。
・ランダムにエンチャントの付いた装備を作成・発見する楽しみ。高額高レアリティの装備が販売されているのを最初から目にすることができる施設もあり、モチベーションが高まる。
・主人公、仲間のグラフィックや口調を自分で設定することができる。一部の人にとっては最も重要で、たまらない部分。
・町人や動物、魔物など、出会うユニットはほとんど、仲間にしようと思えばすることができる。仲間になれば上記のほとんどが適用可能に。
◯課題点
・すべてのスキル・アビリティが最大まで育てられるため、最終的にはどんなキャラクターであろうと万能の人となり、没個性となってしまう。
・能力値にアビリティが紐づいていないことや、フィート・才能といった要素が存在しない(スキル・アビリティに統合されている)ことが原因だろうか。スキルの数や装備の枠には限りがあるとはいえ、もう少しキャラクター間の差別化要素が欲しかった。
・よって、その気になれば仲間にできる豊富なNPCキャラが仲間にできることも、初期グラフィックや初期戦力に多少のブレがあるだけで、あまり多くのキャラを仲間にしたり使ったりしようというモチベーションにはならない。
・個人の好みによるところが大きい点ではあるが、主人公が世界の創造者であるという設定や、そこを中心に進むストーリーは、自由なキャラクターメイキングという観点からは受け入れがたいかもしれない。
入門としては良いが、経験者にとっては少し気になる点がある。
作者のレスポンスが良いようなので、今後のアップデートに期待といったところ。
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