僕は最期まで心安らかに生きることができました。
雲一つないような、抜けるほど晴天の昼下がりだったと思います。
人生に悔いが無いと言えば、それはきっと嘘になると思います。
でも、最期の最期まで大切にされて、心安らかに眠りにつくことができから、大丈夫だよ、瀬島。
現役せしナースと記載ある通り、看取りボイスのストーリーの解像度が非常に高いです。
間の取り方や、少し照れくさそうな声に、シチュエーションも相まって「あぁ、僕はこれから死ぬんだな」と自然に受け入れることが出来ました。
死を受け入れてしまえば簡単で、あとは信頼できる専属ナースさんにお任せ。
「沢山勉強して準備した」この言葉がどれだけ深いものか、全体を通して知ることになるでしょう。
個人的には美容室などで髪を洗ってもらうのが好きなので、炭酸シャンプーが好きでした。
その丁寧で心の籠ったケアに、だんだんと本当に眠くなってくるのですが、
添い寝パートに入った瞬間ドキリとさせられます。
心音を聞いている間も、瀬島の動きが耳にダイレクトに伝わってきます。
瀬島の心音と重なるように、鼓動の一つ一つが思い出の扉を叩くような、そんな最期の添い寝。
ベッドで聞いていて良かったです。クッションがそこにあったから。
終わらないでくれ、と強く願いながらクッションを抱きしめる。
うつむくと本当にクッションで窒息して終わりそうになるので注意が必要でした。
配信でも心音ASMRをやったことがあったと記憶していますが、その時は照れくさそうにすぐ終わっていた気がします。
今回はたっぷり満足するまで聞けて最高でした。
そして、現役せしナースのこだわり、でしょうか。
エンゼルケアなんて言葉を聞いたのは納棺師を題材にした映画ぶりです。
看取られる側の視点ではなく、看取る側の視点で書かれた作品は珍しいのではないでしょうか。
看取りボイスのひとつの答えだと思います。
これで安心して逝けるよ、ありがとう瀬島。