ティナ・バレンスタイン
『蒼薔薇』と呼ばれるスナフ王国出身の傭兵。
旧暦時代の化学兵器であるプラズマ・カノンを搭載した従機ブラウ・ローゼを愛機とする。
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作品内容
あらすじ
「引き金を引く理由ならある。私が生きるために、今、貴方を撃つ」
ティナ・バレンスタイン、齢二十。
歳にそぐわずあどけなさの残る容姿に、冷ややかな表情を乗せた女狙撃手は一人、傭兵として依頼をこなすべく魔獣討伐へと向かっていた。
手には母の形見の魔導砲、傍らには、武骨な巨躯の機械兵を携えて。
奪われる命、奪う命──トリガー一つで決まる命の争奪の末に、薄氷と評されたティナが求めるものは『強くなること』、『生きること』。そして…
【魔法×ロボット×スナイパー】
科学文明が滅びた異世界を舞台に展開される、ガンアクション・ファンタジー。
文字数:約27,000字
挿絵:10枚
キャラクター
作品を彩る挿絵
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——従機、ブラウ・ローゼ。
金属製の巨人は応えることなく、泰然とそこにあった。
ティナはそれだけで——この世界に両足で立っていられる、いつもそんな気がするのだった。 -
昨日いた枯れ木だらけの森とは違い、針葉樹の森は深く閉ざされていた。ティナはそこから動くことなく、意識を右目に集中させる。
機兵の目とも言える魔晶球から映像盤に送られていた景色が、森の中から雪山の外へとあっという間に移り変わる。
ティナの右目前方には緑色に光る魔方陣が浮かび上がっていた。
『イーグル・アイ』と呼称される風魔法の一種である。
魔晶球の前にレンズの形をした空気密度の濃い空間を作り出して、光の屈折をコントロールすることで望遠を可能にする。 -
ガルバスは狙撃用スコープを目元まで手繰り寄せた。
ガルバスの右目をスコープの緑色の光が淡く照らす。
視界に映るのは十字に切り取られた雪山の景色だ。
周囲を探り、とある針葉樹の森を見つけたところで、ガルバスは口が裂けんばかりに笑う。
「あんたは俺の天使になるのかな? それとも——死神になるのかな?」
山脈はいよいよ黎明を迎えようとしていた。
明るい朝日が上り、山を更に白く染め上げていく。 -
狙撃には理由が必要だ。
動機と言い換えてもいい。
敵の命を刈り取るために、トリガーを絞る強い動機が。
(私は生きるために——お前を殺す)
ティナは操縦桿に付属しているトリガーを引いた。
ブレイズ・リアクターからのエネルギー供給と共に、プラズマ・カノンの銃口から青白い光が迸った。
磁界、すなわちEフィールドによって維持されたプラズマは一条の矢となって1キロ先の森へと突っ込んだ。