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ブラック企業に働いて疲労困憊で満員電車に揺れて家路につくあなた。恋人もいなくて、寂しい部屋に帰ると明かりがついています。そこには美しい白い羽をもった天使がいました。
「あ、これですか!偽物じゃないですよ。本物の天使の羽なんですから。ちょっとだけ、浮くんです。ほらほら、こうやって羽バタバタさせると、ね、ね、ね、足元みて下さいよ。数センチ浮いてるでしょ。あ、だめですよ、ルミカの下着のぞいちゃ。もう、話を脱線させないで下さい。それで、どうしてあなたのところに、突然現れたかというとですね。天界で大天使様が大事にしていた、フィギアって言うのかな?可愛いお人形さんをうっかり壊しちゃって、「ルミカ、ワレえ羽もぎとって空から死のダイブさせたろか」って言われちゃいまして。え、大天使って、関西人?それ、ルミカには難しくて分かんないです。
そうそう、丁度あなたのお部屋に飾ってあるようなお人形さんです。え!このお人形さん、そんなに貴重なものだったのですか?!ううう、最悪だわ。で、罰として地上に行ってヘタレを一人救ってこいって言われて来たんです。ご、誤解しないで。大天使様って、口は悪いですけどいつも地上の人を真剣に憐れんでますから。それで、朝の満員電車であなたを見つけたわけです。はい、わかりますよ。ストレスで、眠れてないんですよね。顔が、なんだか、ボーッとされてるんですもの。明けない夜はないっていうけど、不眠で起きた朝は最悪ですよね」