他のIFルートと違い、IFルート[C]では彼女の心の叫びが見られます。
彼女(和鳴るせさん)がリアルにシャワーを浴び、化粧水か乳液をつけ(ぺちぺち音がする)、聞き手の方にやってきますが、聞き手に自分を好きかどうか聞いて、聞き手がうなずいた後、首を手で絞めて殺そうと(殺すつもりはないけれど)してきます。首を絞められるぎちぎちという音、彼女の中の葛藤、苦しみ、不完全さ、つらさ、そういったものがごちゃ混ぜになった発言、このシーンでなぜか自分は「嬉しい」と思いました。
他のルートでは、彼女は完全に聞き手の上位に立っていて、自分の本心、根っこの部分を隠せていますが、この首絞めのシーンでは彼女自身の隠しきれないつらさが発露されています。全トラックを流しで聞いていたのですが、やっと、「ああ、彼女は自分に自身をさらけ出してくれたんだな、本音を見せてくれたんだな」と思いました。もちろん、和鳴るせさんご本人が演者として、恐らくシャワーシーンから撮ることで主役の彼女が憑依したのだと思いますし、素晴らしい演技力、説得力があったと思います。故人ヒース・レジャー氏のように、素晴らしい演技をした後、役に憑依されて自殺されず本当に良かったと思います。
また、聞き手としても、彼女の感情、愛情を感じ、首を絞められることでまるでセックスのように一体となり、彼女のことがたまらなく愛おしくなりました。まさに首をぎちぎちと絞められる音が、彼女の苦しげにはき出される言葉一つ一つが愛情として感じられ、最期に彼女が首絞めを止め、窓を開け去っていった(飛び降りたのだと思います)時、たまらない喪失感を感じました。
恐らく私自身、三日間一人寝たきりだったので作品に没入しやすかったのだと思います。他のサイトで購入してだいぶたってから聞きましたが、和鳴るせさんの素晴らしい演技力に脱帽いたしました。
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