まさか、ここに来ての映画への引用があるとは……。
シュプリームの完結を飾る11巻は、最高のバンドが最高の演奏を見せて、最高のまま走り抜けるエンドを迎えています。
どういう終わりになるのかと思いましたが、なるほど。
この終わりはなるほどでしかないというか。
ノースシージャズフェスティバルという大舞台を前に、彼らは
「ヨーロッパ1と確信できるような最高の演奏ができたら、解散しよう」
と約束しています。
奇妙な約束ですが、成功すれば成功しただけ解散が決定づけられる物語でした。
その話し合いの風景は、かつて雪祈が挫折した日と同様の手法が採られている。
演奏シーンのモノトーン感強調といい、この作品には改めてその手法の幅広さに驚かされますね。
映画でも引用された手法が、今回も形を変えて適用されている。
また、同様に、驚かされたのは再会したガブリエル。
というか、厳密にはMr. スポック(愛犬のチワワ)の発言なんですが、彼は微妙に映画に引用されてそうなセリフを吐いてるんですよね……。
NUMBER FIVE が最高だったように、JASS もまた最高だった。
台詞の共通性には、そういう隠れたメッセージが見えてくるような気がしています。
エンドロールのような、ノルウェーはオスロでのラストライブもまた良かったですね。
ブルーノとハンナの一件は普通に笑いましたが(笑)、それも含めて味わい深いエンドです。
最後に置かれたのが、オスロライブでのメンバー紹介というのもまた。
解散の余韻を最高に深めてくれる、良いエンドでしたね……。
無印に続き、シュプリームも最高でした。
最高に楽しい読書をさせていただけた。ありがたい。