いつも気高いヒロインの月社妃が、一度も見せることのなかった弱さの部分を、私たちプレイヤーは各々が想像することしか出来ませんでした。ですが、ルクルさんのシナリオと御苑生メイさんのボイスによって、これまで知ることのできなかった彼女の側面を、これ以上ないくらい鮮明に、可憐かつ残酷に、受け取ることができました。
紙まほ本編では語られなかった、物語の余白を埋めてくれる作品を見ることができたのは非常に嬉しかったです。同時に、これより先には何もないと、彼女と兄の物語はこれが最後だと、幕引きとなってしまったことには、一抹の寂しさとやるせなさを感じてしまいました。
そういったやり場のない想いを抱えてしまうことが、「愛した妹にもう一度会えたとしても。」の私なりの結末でした。