名状しがたいめすがきサンプルボイスちゃん

(※ 特に読まなくても本編のエッチなコンテンツにはそれほど関係ないです)

そこに近付いたとき、あなたはそこが期待していたような場所ではないらしいと知った。
白昼の息苦しい熱気の中で、たどり着いたあなたの前に姿を現したのは、
妖しく手招きするように昼空に向けて突き出してそびえる不自然に角張った遺跡の街並みだった。

もはやこの遺跡に生きているものは物陰を這い回る虫などを除いては誰も居なく、取り残されて、
なお得体の知れない気配の底に埋もれる過去の遺物は、あらゆる形や角度から不吉な気配を滲ませていた。
静寂に包まれているのだが、物陰や壁などの無数の真っ黒な開口部がすべて
あなたの挙動を注視しているような不穏な妄想をかき立てて、心を落ち着かなくさせた。

一度、あなたの傍を遺跡の住人である虫が特徴的な音を立てて走り抜けていったが、
それは小さな蜘蛛のようにも見えたが、明らかに足の数が蜘蛛よりも多かった。

絶え間なく注がれるたくさんの、そして無言の注目。その妄想はもはや度を超えてあなたを押し流し、
あなたは何処とも知れない吹き溜まりのような片隅に流れ着く。
そこは連なる遺跡の街並みにぽっかりと空いたような隙間で、空を隠して薄暗く、遺跡の気配の騒々しさ──
無数の小さな蜘蛛モドキどものたてる物音も遠くなったように思えた。

あなたは何かの痕跡のようなものを見つける。
篝火のように使われていたものらしい。
あなたはそれに火を灯す。
もしこの先、何かがあって行き先を見失ったとしても、何度でもここへ戻って来ることができるように。

この場所でなら、落ち着いて音声を聞くことができるかもしれない。
音声を聞いてみますか?

CV出演:千種蒼 様
https://x.com/ao_chigusa

イラスト:団栗むい 様
https://x.com/donguri_noki

効果音:
タイガーリリー様
効果声素材集　by tigerlily

他:シマ
https://x.com/Sima_Doujin
https://ci-en.dlsite.com/creator/23093

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