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「圭太くん、おまたせっ!どうかなぁ、ちょっと…がんばってみたんだけど?」
海辺でレジャーシートを広げて待っていると、水着に着替えた陽子さんがやってきた。
彼女の名前は岸本陽子さん。俺・岸本圭太の義理の姉であり、兄貴の奥さんだ。3年前に2人は結婚したんだけど、
もともと兄貴と俺が仲がいい方だったせいもあって、新婚の頃からちょくちょく家に遊びに行っている。
実はこの気さくで優しくて、美人でスタイルのいい兄嫁に、俺はひそかに想いを寄せている。
だって、家に遊びに行ったら必ず笑顔で迎えてくれるし、いっつも胸が当たるくらい距離が近いし。
酒飲んだらタンクトップ1枚でめっちゃ無防備なのにボディタッチしまくるし。
これで意識しない方がおかしいって。もちろん、本人にも兄貴にもゼッタイ言えないけど。
「っていうかゴメンねえ?せっかく3人で来る予定だったのに、あの人ほんっと仕事バカだからさー。」
これで道中何度目になるか分からない、陽子さんからの謝罪。
今回、兄夫婦の誘いで来た海旅行。ところが肝心の兄貴が急な仕事で来れなくなってしまった。
これは中止かな?と思ってたら、奥さんの陽子さんが「ホテル代がもったいないから圭太くんと2人で行く!」と言い出したのだ。
俺としては、憧れの陽子さんと2人きりで旅行だなんて!と内心嬉しくてドキドキしっぱなしなんだけど。
「その…あたしなんかと2人じゃ、つまんないよね?それに水着…いいトシしてビキニはNGだよね、あはは…」
考え事をしたまま黙って凝視しちゃってたら、陽子さんが俯いてしまう。長く艶のある髪をくりくりと指先でいじるのは、彼女が困った時にする癖だ。
俺はあわてて
「そ、そんなことないです、嬉しいですよっ!あ、水着めっちゃ似合ってます!陽子さんもともとスタイルいいですし!白い肌も素敵ですし、胸とかすっごく魅力的で…あ」
まずい。フォローのつもりがいらんことを口走ってしまった…。
「そっかぁ良かったぁ♪圭太くんもその海パン、カッコいい…よ?」
なんで疑問形?と思いつつ、言いかけて固まっている陽子さんの視線の先をたどる。
そこには…ボクサータイプの水着の真ん中で、布の上からでもカタチがわかるほど勃起した俺のペニスが…。
「うぇっ!?あ、そのこれは違くてっ!」
あわてて手で隠す。じっとみつめる陽子さんの頬が心なしか赤い。
「ね、ねぇ…それ…どうにかしないとマズい、よね?あ、あたしのせいなんだから…あたしがなんとかしなくちゃ、だよね」
「え!?な、なんとかって?」
最初は幻滅するか、警戒して距離を取られるかと思ってたんだけど…陽子さんは逆に一歩近寄ってきた。
「いいからいいから。ちょっとこっち、来て?」
そういって微笑んだ目許のほくろが、なぜかいつもより色濃く見えた。