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※ 注意事項 ※
本作は「わたしの中に……」というタイトルで発表した短篇を《男の娘(こ)》モノである事をオープンにして再構成した物です。
ヒロイン(?)の《男の娘(こ)》のお相手は男の先輩ですので、そういう絡みが苦手な方はご遠慮戴いた方が良いかと思います。
【 タ イ ト ル 】
男の娘(こ)だってしちゃうモン♪
【 作 者 】
夏目 棗(なつめ なつめ)
【 登 場 人 物 】
● 歩(あゆむ) = ヒロイン(?)……実は男の娘(こ)。小柄で セミロングの栗色の髪をツインテールに。パッドで詐欺っている胸をかなり気にしている(笑)。
● 先輩 = 中肉中背。顔はまあまあハンサム系。成績は中の中、スポーツはあまり得意でない、それなりの男子。
【 梗 概 】
前の日に憧れの先輩から告白された歩(あゆむ)は、朝の6時に飛び起きると、気合を入れて薄化粧を施し、先輩の自宅へとやって来たのだった。そして、昨夜の内に2センチ程裾あげし直したセーラー服のスカートを少し恥ずかしそうに引っ張った。歩のその短いスカートの中には、他人(ひと)には知られてはいけない秘密があったからだ。
何故って、歩は男の娘(こ)だったのである。
けれど、歩は自分では女の子だと思っている。女の子を欲していた両親によって、歩は生まれた時から女の子として育てられてきたのだった。スカートを穿き、女の子言葉で話し、女の子と遊んで育った。そして、両親の教育と躾の賜物だったのかは判らないが、歩は誰が見ても女の子にしか見えなかった。
そんな歩も思春期を迎える頃になると、流石に 他の女の子たちと自分が “ホンの少しだけ” 違っている事に気がついた。両親にそれとなく訊いてみた事があったが明るく笑い飛ばされてしまった。
それからは、歩は “それ(ホンの少しだけ違っている事)” を慎重に他の女の子たちから悟られぬように隠すようになっていった。
しかし、そんな歩にある日、転機が訪れる。
ちょっとした失敗から保健室の養護教諭の先生にバレてしまったのだ。処が先生はそんな歩をあっさりと肯定してくれたのだった。
それからというもの、歩は先生から “男の子とスル” 為のレクチャーを受け始める。それは、男子を悦ばせるフェラチオの仕方から、疑われずに挿入に至る仕方にまで及び……歩は立派な《男の娘(こ)》に成長したのだった。
そして今日、歩は先輩の自宅の呼び鈴に手指を伸ばす。
(彼氏彼女になったんだモン……朝、起こしに来るのって、『お約束』よね♪)
歩の当初の行動計画はこうであった。
まず、玄関の呼び鈴を鳴らす。しかし、両親が不在(単身赴任だった父親の処に母親が世話を焼きに出掛けて早ひと月あまり、未だ帰って来ないのだと聞いていた)では呼び鈴に答える者はいない。そこで仕方なく(?)、昨日ちゃっかり仕入れた隠し場所から玄関の鍵を取りだして家に入る。先輩の部屋が二階なのも確認済みである。一応、ノックをしてみる。勿論、返事は無い。部屋に入る。目覚まし時計を確認して、当然タイマーを止める。歩が優しく起こしている最中に無粋な音を響かされては堪らないというものだ。それから、カーテンを引いて窓を開け、清々しい朝の空気を部屋いっぱいに取り込んでから、先輩にお目覚めのキスをする……完璧なシナリオであった。
……筈なのだが。
目覚まし時計のタイマーを止める処までは順調だった。しかし、ベッドで眠る先輩の姿を見た瞬間に、その後の爽やかで清々しいシナリオが一瞬で霧散してしまったのだった。
今はまだ初夏の入り口である。掛け布団といわずとも、毛布なり、タオルケットくらいは掛けている筈であった。そして、中々起きないようならその毛布なりを『起きないなら、これ剥いじゃいますよ♪』などというらぶらぶな追加シナリオすら思い描いていたのだった。
しかし…………。
先輩は、タオルケットはおろかパジャマすら着ていなかったのだ。パンツ一丁で寝ていたのである。
しかも、そのボクサーパンツの股間は、見事なまでの『朝の兆候』を、歩に見せつけていたのだった。
(か、彼女だったら…お、おふぇらくらい…し、してあげるべきよね?)
頬を染めて、躊躇いながらもベッドにのぼった歩は、先輩のボクサーパンツを、する、する、と降ろしてゆくのだった…………。
◆
本作は400字詰め原稿用紙換算52枚程のオリジナルショートストーリーです。今回は立ち絵を4枚収録しました。
また、おまけとして元になった「わたしの中に……」も同梱しました。