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都会から一歩離れると、あちらこちらに謎の集落があるのをご存知だろうか?
そこには背の高い建物は無く、発展途上国のようなトタン屋根の家々が窮屈に立ち並んでいる。
人の気配もまばらで、暗く、どこか物寂しげな雰囲気を醸し出している。
遥か昔、その住民の子孫は代々に渡り、忌み嫌われる存在であった。
身分の差を政府がつくった折、政府より「一斉排除」の名目にてかき集められたその地域は周囲から掃き溜めのように扱われていたのだ。
かつての歴史で追いやられた人たちのコミュニティともいえるその集落では、今も尚、現代では考えられないような風習やルールが残っている。
まるで時がその場所だけ止まったような錯覚に陥ることもある。
また、その集落はよそモノに対し、警戒し、時に威嚇する。その土地そのものが、外界と交わる事無く独自の発展を遂げてきたのだ。
日本の原風景と言うべき場所なのか、あるいは閉塞された地獄と呼ぶべき場所なのか誰にもわからない。
治外法権ともとれるこの場所では、暴力、クスリ、強盗、強○とネガティブな言葉の事件が数多く起きている。
一つだけいえるのはこの整備された世の中であるにも関わらず、この地域では不穏に満ちたおぞましい出来事が起こっていることだけだ。
エピソオド2
『男根祭』
結婚を間近に控えた茶乱法 蘭は天真爛漫なフリーのキャメラマン。ふとした風の噂でとある集落の奇祭、『男根祭』の情報を耳にする。
好奇心旺盛な蘭は、早速現地に赴き取材を始める。暫く祭りを堪能すると、とある祭り役員に社まで案内される。
奇妙な匂いを放つお香を嗅ぐと突然男衆が社に入って来た。
そこで彼女は人生最大の悲劇に見舞われる。
その集落こそクラヤミ集落だったのだ。
薄れゆく理性の中、絶望がゆっくりと彼女の脳細胞を侵食していった。