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僕は人を殺してしまった。
その日の僕は嫌なことがあったり特別気分が良かったわけでもないのに、なぜかお酒が進んでしまい、酔っ払って調子に乗っていた所をたちの悪い酔っ払いのオヤジに絡まれてしまい、喧嘩になってしまった。
気がつくと僕に喧嘩をふっかけてきたたちの悪い酔っ払いオヤジは倒れ込んだきり起き上がってこなくなっていた。
僕は裁判にかけられたものの、正当防衛とのことで人殺しの罪は無罪放免となった。
僕はほっと一息ついたものの、理由はどうであれ僕がこの手で人を殺してしまったことには変わりなかった。
僕は巨大な行き場のない罪悪感に苛まれながら、ずっと誰かから人殺しと言われ続けているような気分で生活していくことになった。
そんなある日僕が一人暮らしをするアパートの部屋に一人の女性がやってきた。
その女性は僕が殺した酔っ払いオヤジの元妻だった。
「こんなこと言ったらいけないのだけれども、私は夫が死んでくれて本当に良かったと思っています。あなたが夫を殺してくれて本当に良かった。あなたのおかげで私は助かりました。」
聞くところによると、僕が殺した酔っ払いのオヤジはとんでもないダメ人間で、暴力を振るわれることやレ○プ同然に無理矢理何度もセックスさせらることなど日常茶飯事だったらしい。
僕が殺した酔っ払いのオヤジの葬式には彼女を除いて誰一人として参列に来た人はいなかったらしい。
彼女の身体にはいたるところに痣があった。
しかし、それ以上にとても美しい女性だった。
文字数:1404文字