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映画の現場から始まったサウンド用語に「DME」というものがあります。
Dialog (会話)、Music (楽曲)、Effects (効果) の頭文字です。
世に出回っているすべてのサウンド付きコンテンツはこの「DME」のそれぞれを少なからず含んでいます。
ある程度大きい制作スタジオではサウンド全体を見渡す専門のディレクターがいることも。
「効果音が一緒に鳴っても埋もれないように、このセリフはハキハキと吹き込んでもらおう」
「映像に合わせて、この曲はテンポを○○BPMにして○○秒のところにキメを付けよう」
「この作品はほぼ全編がリアル調だけど、ここだけはコミカルな足音で和ませよう」
音同士の絡み合いはもちろん、時として音以外との作品要素との兼ね合いも考慮して、効果的な演出を探るわけです。
一方、同人ではどうでしょうか。
声を録る人は声だけを録って声だけをまとめた素材集を販売し。
音楽を書く人は音楽だけを書いて音楽だけをまとめた素材集を販売し。
効果音を作る人は効果音だけを作って効果音だけをまとめた素材集を販売している状況です。
いいえ、むしろこれは当然のことですし、同業の先輩たちをくさすつもりはありません。
それに同人サークルさんを大手と比較すること自体、ナンセンスかついじわるなのですが。
ただ、これだけゲームサウンドの面白さや奥深さ、あるいはボイスドラマ作品の隆盛が叫ばれるご時世にあって。
たまにAudacityやSoundEngineで「これでいいのかな?」と自信なさげに弄りつつ。
これらバラバラのものを四苦八苦しながら組み込むのはいささかツラかろうと思うのです。
2021 1st mvt.以降のPALETTEでは、DMEすべてのサウンドアセットを少量ずつ収録します。
DME間での音量バランスや波形先頭の調整など、すぐにでも使えるよう鍛え上げた「Ready-to-use」な音源の数々。
一部だけを使ってもよし、なるべく多くを使い切ろうとするのもよし。
こなれてきた方なら、他の素材同士を馴染ませるための基準にする、などといったこともできそうです。
「ダイアログ目当てで買ったけど、エフェクトもうまくハマった」といった偶然があってもよいでしょう。
リリースごとにパッとわかりやすいテーマがあるわけでもないし、量に対して安いわけでもない。
コンセプトからして、複数本が揃うことで真価を発揮するタイプである。
「いわゆる『フリー素材』」の延長としてお探しの方には少し扱いづらいパックかもしれません。
ただ、――もちろん、常に100%の整合性を保証できるわけではないにしろ。
このパックに入っているサウンドは、お互いにそれなりにつじつまが合うように作られています。
くらびすたというサウンドデザイナーが、あなたに代わってディレクションを執ったようなものです。
聴くたびに、使うたびに、あなたの血肉になる。
PALETTEに収めた音源があなたのインスパイアの源となれることを願っています。
【共通】
フォーマット: Microsoft Wave (WAV)
サンプリング周波数: 48 kHz
量子化ビット数: 24
【ダイアログアセット】
チャンネル数: 1 (モノラル)
トリミング基準: イン -60 dB, 1 ms / アウト -72 dB, 50 ms
音量: 一律 +6 dB
【ミュージックアセット】
チャンネル数: 2 (ステレオ)
ラウドネス基準: EBU R 128 / -23 LUFS
付録: RPGツクール仕様 Ogg Vorbis (192 kbps)
【エフェクトアセット】
チャンネル数: 2 (ステレオ)
トリミング基準: イン -60 dB, 1 ms / アウト -72 dB, 50 ms
音量基準: RMS -23 dB
ダイアログアセット声優: 倉浪あおさん
ジャケットイラストレーター: 亜美寿真さん
その他全部: くらびすた