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ある夜の事でした。季節は夏です。
少女は高校進学と同時にこの街へ引っ越してきて数週間経ちました。
少女は星が見たくて展望台へ行こうと歩いていた所、
一匹の黒猫が彼女の元へとやってきました。
少女が黒猫に触ろうとした所、
黒猫は一度少女の瞳をじっと見たあと、どこかへ行ってしまいました。
なんだったんだろう? と少女は少し首を傾げつつ
展望台へ向かうのを再開しました。
それから十分程、歩いた時でした。
少女は、先程逢った黒猫とまた道端で再会しました。
何故先程の黒猫と分かるのかというと
黒猫の瞳の色が青く宝石のように煌めいていたからです。
それは少女が今までに見たことのない程の綺麗な煌きでした。
その黒猫の瞳の色は、今日の満天の空に輝く星達と同様に
いいえ、星以上に綺麗かもしれません。
少女は黒猫に 何かな? と声をかけました。
黒猫は一声 にゃお と鳴きました。
そして少女の足のまわりをぐるっと一まわりしたあと、
ついて来て という表情で少女の顔を見ました。
少女は黒猫について行くことにしました。
黒猫の後ろを歩く少女、それから二十分程歩いた時でした。
黒猫と少女の歩みが止まりました。
黒猫と少女の目の前には一面壮大な輝きが広がりました。
その輝きは夜景と星空の光でした。
街と星空の輝きがとても綺麗で少女は驚きました。
黒猫は少女の顔を見ました。少女も黒猫の顔を見ました。
黒猫は にゃお と ひと鳴きしました。
もしかして私へのお引っ越しのお祝いかな? と少女は黒猫の顔を見て訪ねました。
黒猫は少女の言葉に答えるようにまた にゃお と鳴きました。
少女は一面に輝く綺麗な景色と星空をぐるりと見回したあと、
黒猫さんありがとう と黒猫にお礼を言いました。
黒猫は にゃお、にゃお と二鳴き(ふたなき)したあと
この場から立ち去ってしまいました。
少女は、また街の夜景と空いっぱいに広がる星を見ながら
それと、この場所を教えてくれた黒猫にまた出逢える事を
楽しみにしながら
これからも楽しいことが待ってるといいなぁ♪
とワクワクした声で言いました。
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本作品を朗読して頂いたのは声優の
三瀬みゆり 様です。
★朗読トラック(wav/約3分45秒)
★三瀬みゆり様フリートーク(wav/約3分55秒)
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朗読:三瀬みゆり様
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サークル:SpaceCat
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