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女神の間違いにより異世界に飛ばされたおれはお詫びの品として時間を止められる時計、愛称はトッキー、を貰い受け、始まりの村へと降り立った。
異世界の魔王を倒さなければ元の世界に戻ることは出来ず、勇者が魔王を倒すまでおれは始まりの村の安宿で生活をしていたんだ。
バイト先の娘カルラが魔物に襲われた時、待望の勇者アルファが現れ、なんやかんやでおれはアルファの魔王討伐の旅に付き合うことになった。
始まりの村を出て二日が経った。
想像していた通りおれは何の役にも立たなかった。元の世界でもそうだったが、異世界の知識があると言っても日常生活が送られる程度で食べられる植物や狩りの知識や技術などは持っておらず、全てアルファに任せている。
魔物討伐もそうだ、あんなに恐ろしい生物を相手に出来るはずもなく、アルファから付かづ離れず守られながら終わるのを待つだけ。
アルファは何の嫌味も言わず、笑って守ってくれるのだ。
イケメン善良陽キャだよホント、まさに勇者だね。
「あの村に寄ってもいいかな」
アルファが進行方向を指さした方には小さな村があった。
「休憩していくのか?」
「途中で出会った旅人に聞いたんだ、あの村に寄って行ってくれって。何もなかったらすぐに出発するよ。アキラは疲れていないかい?」
優しく気遣うアルファにときめきそうになる。こういう気遣いが大事なんだよな。
実際歩くペースもおれを気にしながら、でもそういう所を気づかせないようにしているアルファのおかげで旅の疲れは今のところない。
「おれは大丈夫だ。村に寄っていこう」
5500文字程度です。エッチくありません。