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遊ぶには公式の『クトゥルフTRPGルールブック(第7版)』が必要となります。
CoC第7版『色付く牢獄』は「1人で探索者の作成や、卓の簡単な流れやルールが体験できる」というコンセプトを基に作られたゲームブック式ソロシナリオです。
探索者の作成も日程も必要なく、第7版ルルブとダイスさえあれば小説を読むような気楽さでCoCシナリオを遊べちゃいます!
具体的には、ゲーム前編で探索者の作成、後編で実際にCoCを解説付きでソロプレイする……といった趣向です。ゲームが終わる頃には、1人の探索者とクトゥルフTRPGの流れを理解(おさらい)した貴方がそこにいる……はず!!
・前編
それは白痴のような呆け故か、あるいは狂気を望む意思が為か。世界は全てが混ざり合い、混沌としていた。
ドロドロの世界の中、私は……自分という意識、狂気の世界と混ざることのない確かな正気、自我というものがあることに気が付く。
瞳に映し出された光景は監獄、あるいは手術室のようであった。
そこには奇妙な器具が机に並べられた薄暗い部屋と、頭上の一点に熱いほどの光を発する電灯。そして、冷たい肌触りの椅子に腰かけた私がいた。
・後編
あれから1ヶ月。
あの悪夢は既に過去のものとなり、しかし身の回りに新たな事件という事件もなく、代わり映えのない日常を繰り返している。
しかしそれは休日の朝、起床を促した着信音と……手にした携帯電話に残された、見知らぬ電話番号からの留守電によって大きく崩れた。
留守電には電子音が混じった不快な音の中で、抑揚のない低い声がたった一言――『役割を果たせ』、その一言だけで録音は終わっていた。
たったそれだけの変化、日常との乖離。しかしそれだけで充分だった。
――私のこと、そして自分の役割を思い出すのには。