作品内容
憧れの騎士団へ
「アンタさあ、リドニア騎士団に入るのが夢だったよね?」
小さい頃からの夢、エレブ大陸が誇るリドニア騎士団に入り騎士として活躍する事だった。
「何でそんな事を聞くかって?そりゃアンタに騎士団に入ってもらうためよ」
姉が突拍子も無い事を言って来た。出来るならとうに入団試験を受けている。でも自分には
入団できない理由がある。
「出来るわけないって?……ふふふ、こっちに来なさい!」
無理矢理姉の部屋の化粧台に座らされた
「いい、アンタは今日から女の子になるの」
「出来た!……わ、我が弟ながら可愛いわね」
髪を切られ姉の服を着せられた。鏡で自分の姿を確認するとそこには
女の子が居た。
「この見た目なら誰もアンタが男だって分からないわ、バレないためにも
無言を貫くのよ。アンタは無口な魔法使い。いいわね」
確かにこれなら入団試験は受けられる。しかし、それは犯罪では?
「アンタさあ小さい頃は男は入団出来ないって言っても聞かないで
ひたすら魔法の練習してたでしょ。最近諦めたみたいだけど今でも
魔法の研究とかしてるわよね」
……未練が無いわけない。性別が男というだけで騎士団に入れないのは
納得がいかないからだ。
「まあ、この世界は女の方が魔力を持っていて、肉体強化で男より強くなれる。
だから騎士団は女限定なのよね。でもアンタは男でも稀な魔力を有して生まれ
てきた。きっと騎士団に入るように生まれてきたのよ!」
必死に説得しようとする姉の姿に心が揺らぐ
「くくく、アンタが騎士団に入れば一生不労で生きていけるもの。
給料の半分は仕送りするのよ」
一瞬で想いは砕けた
「ちょっと!嫌そうな顔をするな!アンタが騎士団に入って欲しい気持ちは
嘘じゃないわよ」
……姉弟は孤児だった。姉は○端も行かないのにいつも自分の世話を焼いて
修道院に引き取られた後もずっと一緒だ。恩は感じている。それに騎士団に
入れるなら…
「性別が何なの?アンタは騎士として国を守るのが夢でしょ。
バレなきゃいいのよ。ぐへへ……」
結局ごり押しされるパターンだ。ならいっそバレてもいいから受けてみるか
「ようやくヤル気になったわね。それでこそ我が弟、いや妹よ。行ってくるのよ」
「あっ、そうそうアンタは今日からフラウって名乗りなさいね」
名前まで用意してたのか。何だかんだ自分の夢を後押ししてくれる姉の想いには
応えてあげたい。邪な考えであっても
「最後に!きっと何処かで団員に勘付かれる時が来るわ。その時の為に……
こうしてフラウとなった男の娘は憧れのリドニア騎士団に入るため王都を目指すのであった。
基本CG30枚以上
クリア後回想部屋あり
可愛い主人公が騎士として奮闘していく物語です。
体験版は九月を予定しております。