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「フリックドロップ」 へのレビュー
2017年11月17日 スケアクロウ さん
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筆者の環境ではインストーラーの初期段階になぜか2時間以上を要したので、特に機体スペックが低めの方はのんびり待たれるように。 初期段階さえ過ぎれば後は(ゲーム本編も含め)スムーズに進行する。 (状況:読了、所要時間のんびり読んで15時間ほど) 本作は選択肢のないノベルで、文章量も比較的多めになる。 立ち絵の上に文章が乗るため、キャラの表情が変わるたびに全体に再表示が掛かるのがテンポをやや悪くしている。 特殊読み(例:創(う)まれる)や独特の表記、意図的な誤字が普通の誤字や表記のゆらぎと重なるので多少の慣れが必要だが大きな問題ではない。 セーブポイント数は15と少なく感じるが、これと別に後からチャプター単位で再読できるためこれまた問題ではないだろう。 舞台は技術的に見ておそらく遠未来。 隕石衝突で人口の99%を失いながらも再興を目指すこの世界には、いま3つの知性が存在している。 1つは人間、2つは人工物(ロボット)。 現在の人工知能の延長上にある産業用ロボットーIタイプと、全く違ったアプローチから創まれ、ぱっと見では人間と区別のつかないヒューマノイドーHタイプ。 本作は人間とロボットのありようについて、「現時点で最高のヒューマノイドを作る」ライラック構想にかかる10日間(×2シナリオ)の事件を通して探る物語である。主眼が人とHタイプの関係に置かれるため、Iタイプの扱いは軽いが重要なシーンが散見される。 体験版の範囲では2つのシナリオにほとんど関連はないが、以降共通の人物が登場したり一方で起きた事象が他方に関与するなど急速に関係を増していき、最後には1つに収束する。 現在の技術では1つのAIはたった1つのことしか出来ないにもかかわらずAI脅威論が取りざたされる昨今、Iタイプですら自我を持ち人と並び立つ世界の物語を一読してみてはどうだろう。
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