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許嫁であるソフィアとの初夜。彼女から告げられたのは溜まる民衆の不満を抑えるため王女の責務としてホームレスへの性奉仕を行うことになり、
その期間中婚約者との性的な行為は制限されるという衝撃的な内容でした。

婚約者である隣国の王子を差し置いて浮浪者の相手をするなど本来ならば婚約破棄の上国丸ごと焼き討ちにして然るべき所業ですが、
国難を鎮めるためとあっては仕方のないこと。なによりソフィア自身が覚悟を決めているのにどうして口を挟めましょう。

そうして、かのアキレスと亀のように決して追いつくことのない過酷な徒競争が始まります。
婚約者への行いは奉仕に先んずることなかれ。ソフィアと共にするはずだった数々の「はじめて」は手のひらからこぼれ落ちてしまいます。
自分に対して披露される性技はいずれも昼間ホームレスに行った奉仕のミメーシスに過ぎません。
昨日よりも彼女が艶やかに見えたのならば、それは薄汚れた男たちの前で媚態を晒したという何よりの証拠。
巧みに愛撫されるほど日中の行為が思われて苛まれるパラドックスに陥るばかり。

さらに悪いことに、故あって途中からの自分への行為は手淫に限定されてしまいます。
もはや追いつく術はありません。
自分が手で亀さんをよしよしされている間にもソフィアは駆け足で性の階段を上っていくのでした。

しかし、この悪夢のような奉仕生活にも終わりが来ます。
いくら身体を汚されようと幼馴染の自分を想う心まで穢されることはないはず。
彼女はきっと戻ってくるでしょう。ホームレスの頭領である元騎士団長との、身も心も溶け合うようなポリネシアンセックスを越えて…。