しえんさんのレビュー一覧
レビュアーランキング | 18位 | (役に立った数:2,867件) |
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投稿数ランキング | 56位 | (総レビュー数:2,250件) |
いちおし作品
ヒトでないものが、ヒトへの執着によって己をヒトの枠にはめるありようが好きです
嘗て、大悪党の相棒たる鳥がナンパ野郎として男の身を望む様子を楽しみ、
また星辰の彼方から来た怪物がヒロインの立場に恋い焦がれ、
奇跡的に出会ったダーリンに献身を遂げる姿に胸を打たれました
翻って、本作のダーリンは丈の短いズボンが健康的な若造です
AIであるヒロインは彼の好みを加味した姿を作り、
自身の正体を明かして彼に近しい関係性を確保しています
やったね!
AIたる彼女の目的は、軍用です
作中で兵器としてのスペックを振るって火災旋風のような制圧力を示しつつ、
異質さの根本は「軍用」でなく「AI」としての特性に置いている構造が、悪魔的で素敵です
今時のチャット型AI、時々嘘吐くじゃないっすか
正しさ=倫理観なんか担保できないんですよ
だから、ラブコメとしての面を持ちながら当事者たちを未熟な年齢層に置いてるんですよ
可愛くて純粋でおぞましい人外の恋心が、読者の脳まで焼きにきます
1巻における雰囲気の重要な構成要素に、登場人物達が腹の内を隠して動いている事実があります
破局に至るリスクはラプタを筆頭に遍在しており、先行きの不穏さが絶品です
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現実の握手券商法的な商売をやっているアイドルと、彼女に大枚をはたく課金兵のお話です
主人公は握手を超えて、推しのアイドルとデートする栄冠を勝ち取っています
健全な時間を楽しみ終わったときに、ユリアさんから
「今夜は帰りたくないの」を喰らい、二人でホテルに踏み込む事になります
ユリアさんが甚大なリスクを取った理由は、プレイの過程で明かされます
大きく売り上げに貢献した主人公に対し、身体で最大の感謝を示すシチュエーションです
主人公に多様な奉仕を振舞っている点から推測して、
ユリアさんはある程度経験があるようですが、好色さやふしだらさは感じられません
その原因は主人公が股間に手を伸ばした時に明らかになり、汚い喘ぎ声を恥ずかしがる姿を見せてくれます
でもまあ、推しの恥ずかしい姿なんてファンにとってはご褒美な訳で、
主人公は躊躇せずユリアさんの前後の穴を堪能し尽くしています
ユリアさんはケツハメでよがり狂い散々醜態を晒した果てに、
主人公に入れ上げたような発言をしています
主人公はユリアさんにとって唯一の太客という認識と共に聴くと、一層楽しめるかもしれません
主人公が童貞っぽくないところが、本作の妙味です
ユリアさんに奉仕される時も、初めて女性器に触れた時も、
童貞卒業の時すら平常心を維持しているように感じます
推しにみっともない姿を見せられない意地で貫いた佇まいかもしれませんが、
結果的にユリアさんに寄り掛かられる状況に説得力を与えています
今後も推す、具体的にはまたデートできるくらい買うと意志表明する姿が、ガチで男前です
右耳のウエイトが重めなので、左耳が感じる方には左右反転をお勧めします
32bit float音源のため、可逆圧縮派の方はWavPack使用推奨です
レビュアーが選んだジャンル
2024年09月08日
地獄のお使いから生還して、その次を考える6巻です
美執村の一件で、第六支部と敵対関係にあるレベル4の集団が存在する事と、
第六支部の面々が現状レベル4に手も足も出ない事が分かっています
よって、喫緊の課題として戦力不足が上げられ、
その解決のため可及的速やかな戦力強化…修行に取り組む事になります
3冊前に黒星が付いた表紙の人は教官を拝命しており、結果表紙に抜擢されています
立場上捕虜である双斧、実際教官を始めると没入して
いい大人っぷりを見せてくれる反面、没入の根拠にお労しさが覗える点が素敵です
この世界、才能ある奴はなるはやで鍛え上げないと、すぐ殉職するから…
隊長会議で「2か月後」という期限が切られたのも、3冊前です
そこから6巻に至るまで割り込みが多いと感じる反面、
そんな感覚は神の視点に基づく杓子定規なものであり、悩ましいところです
鵺とレベル4共、いずれも不測の事態を警戒して即応しており、
互いに最善手を選択した結果として、命懸けのサブクエストが続く状況となっています
実社会でも発生してほしくはないが、根絶できるかというと不可能なやつ
少なくとも、今回の修行は無意味じゃありません
後半で早々に成果が出ているし、
七咲から漂っていた半端さ一般人臭さの根拠と、そこからの脱却も見られるし
レビュアーが選んだジャンル
前巻から引き続き、単体戦力として現時点最強と対峙する戦局から始まります
のみならず、土岐頼遠は本作完結まで最強であり続けるかもしれません
だって、神話の時代ならいざ知らず、中世に一騎当千が存在しても磨り潰されるだけだから
実際前半で、北畠顕家軍総出で土岐頼遠を磨り潰す立ち回りが描かれています
怪力無双あり、いつも通り逃げ上手あり、
しかしそれらより騙し合いや信条といった、脳を駆使した要素が犇めく17巻です
取り分け北畠顕家が土岐頼遠を一刀両断にする政治的視点が最高にクールな反面、この上ない皮肉でもあります
北畠顕家の説く道理を具現化した武士は、尊氏の孫なんだよなぁ…
策や思想は、所詮弱者のツールです
それらを輝かせる敵方の強者として、中盤以降高師直軍が圧倒的存在感を放っています
いずこにも陣営はあれど内実は一枚岩ではないと繰り返し示している本作、
北朝において高師直の権勢が強大である描写に痺れます
悪役としても指揮官としても輝いている…そこに観応の擾乱とかいう逃げ若最終話(見込)より未来の史実を一滴
表紙の秕の尻から太腿が実に結構です
本編でも、亜也子が直接的間接的両面で結構なものを見せてくれます
特に間接的な方が、たまらんぜ
⇒砕けた
シチュエーションに拘る恋人同士の物語の、3作目です
大まかに前半(トラック1)と後半(トラック2~トラック4)に分かれます
前半はタイトルに謳われているNTRごっこなのですが、
全体の1/3程度の容量しか占めていない上、
トラック2のタイトルに「今日は」とあるという事は、まあそういう事です
主人公君、鬱勃起の何たるかを理解して、勉強にはなったんじゃねぇかな
彼のみならずトミ子さんも渋い反応をしているので、まあ適性がなかったという事で
前半にNTRについて語る際、認識の齟齬が発生している点が、本作の妙味です
NTR適性がない二人が、それぞれ自分がダメージを受ける状況を想像している
…即ち、ふざけているように見えて二人はちゃんと相思相愛だという事です
後半は少女漫画の再現を目指して始まるも、肉欲に押し流されて前も後ろも耕す流れになります
10分に一回ぶっ放している主人公君と、その倍以上のペースでイきまくるトミ子さん、
両者から鬱憤晴らしの気配を感じて素敵です
通常版は右耳用、左右反転版は左耳用です
レビュアーが選んだジャンル
1巻口絵の3人が本編で勢揃いする2巻です
1巻末で合流したパンドラが仲間に加わり、プルート一味は二人パーティーとなります
パーティーを組むに際してパンドラも不老不死となっており、素材が増えました
やったぜ。
よくよく考えてみれば、本作の不老不死は「死ねない」類のものと別方向に陰惨で素敵です
目的は原状回復で、即ち心身の健康を損なう事を前提に魔法を組み上げています
1巻口絵の3人目・アカツキとは、2巻最後のエピソードで合流します
主要人物が全員女性の本作、非常に歪な形で百合味があるため、お好きな方に合うかもしれません
ピンはパンドラがプルート大好きなところ、キリは当然モンスターです
1巻のハチも、2巻のカエルも、メスだからな!
まあ、筆者はヘテロの方が好きなので、2巻で最大のボリュームを占めているゴブリンが大好きです
ゴッツァンゴッツァン
生まれ変わったらゴブリンになりてぇ…
ちょっと特異体質な女の子の物語の、2巻です
無事に続きが出て、何よりです
大まかに、前巻から続く放電の話を描いた前半と、
ルリが体育祭実行委員として奮戦する後半に分かれます
そして前半と後半を、ルリが苦手な運動と反りが合わない同級生という2本の軸で繋いでいます
スマートな構成が素晴らしいな、それとルリが嫌そうなときにする本当に嫌そうな表情
反りが合わない前田とルリ、いずれも正面から行く厳つい精神構造をしており、
首脳会談的タフな会食を経て、つき合い方を模索していく事になります
で、落としどころに辿り着いた後もなおコミュニケーションが足りないところが、青くてとてもよき
放電の問題は、青木母による脳筋プレイで解決しています
実際身体動かすと色々いい方向に向かうしな、これぞ人生経験
メインは若造共の本作、母の描き方がその時々の役割によって変わるところが素敵です
運動中の青木母、普段と異なる映える描き方をされています
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近代欧風世界を舞台とする物語の、13巻です
大まかに、期末の緊張と浮つきを描いた前半、
終業パーティーを描いた中盤、
表紙の人の過去を描いた後半に分かれます
大部分イーデン校に関わるエピソードから成っているため、
表紙の人は後半のみならず前半中盤も出ずっぱりです
後半は彼が現在の生き方に至る原点を描いており、
ちちやモジャモジャとはまた別種のお辛さを噛み締められます
SPY×FAMILYの回想はいいねぇ…記憶の中の姿がちゃんと未熟で青くて、読んでいると苦味が広がる
隠し事や嘘を軌道敷として進む本作、唯一その路線から外れているアーニャによって、本作固有の枠組みを作っています
中盤で、このアーニャの個性が猛威を振るっています
じなんに対して彼が一番喜ぶ言葉をかけた上、
彼に対して筋を通すいい女ムーブを見せてくれるのですが…無自覚なんだよなぁ…ああもどかしい
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主人公が表紙を飾りながら、本編には全く影も形もない38巻です
大まかに、三つ巴の抗争にカキン軍やら旅団やら何やらが干渉して混沌としている前半、
幻影旅団の結成経緯を描いている中盤、
センリツを主軸として王位継承戦を描く後半に分かれます
中盤の正しくない方針を取らざるを得ない状況が、味わい深くていです
特に、クロロの郷里に対するメタ認知が
マフィアの中に、現実的で筋の通ったナイスガイがいて素敵です
援軍を認知して驚く行、本当好き
その上、作中トップクラスの危険人物の好感度も稼いでやがるし
…おい危険人物、お前自分は嘘つきなくせに正直者大好きだよな
レビュアーが選んだジャンル
主人公の少年が、ただならぬ陰気を纏っているお話です
この場合の陰気は、一般的な形容動詞としての意味に加えて、陰陽道的な意味も伴っています
結果よくないもの…直接的リスクがある怪異が寄ってくる境遇を基調として、
怪異を払える神様との出会いと関りを描いています
陰気さを改善すれば霊障も改善するものの、陰気さは主人公の人格に由来しており、一筋縄ではいきません
神様は迷える主人公を救おうと志すものの、二人の過去の影響もあって、やがて互いを卑近な方に意識していきます
怪異に対してやってる事だけを見ると、主人公の立場は拝み屋ってやつですね
生業として高度に仕上げてほしいものです