わたしださんのレビュー一覧

同サークルの約1年前の「おかえりなさい」を聴いて非常に感激した、あの衝撃が再び表れた。
なんでこんなにシチュエーションを想起させる事ができるのか、心がスタンディングオベーションですよ。
玄関を開けたときに立っている姿、遠くの青空に見える飛行機雲、猫として一緒に暮らしてた頃の道具類、そういう様子が挿し絵のように自然に浮かんでくる。
オマケのイラストにそんなものはないのにだ。
絶対純愛少女のシナリオの作り方として、キャラクターが状況説明をしすぎない、「抱きつかれてビックリした、ですか」みたいな聞き手側が言っているであろう言葉のオウム返しをほとんどしない、という自然さがあるので、会話から聞き手が自発的にシーンを想像しながら聴ける。
だからこそ、飛行機雲の大きさや距離、残された猫グッズの配置、それを聴いた1人1人が思い通りに浮かべられて、没入感が高くなる。
小説を読んでいるのではなく「会話でドラマしてる」のです。

内容的には、ペットが人の姿になって帰ってきて、中身はあのときの猫のままで耳やシッポは猫の名残がある。
なので完全に人間ではなく、若干猫要素を残したままストーリーは進むんだけど、接し方は完全に人間として対峙しているから、イチャラブ展開に早いうちに入り込める。
そうして心の距離がゼロになった状態で、後半にそういえばもとは猫なんだよなと思い出せて、終盤の展開。
「一緒に暮らして1カ月ですね」のセリフで、なんとなく不穏な感じを出しつつ、一気に怒涛の展開をギュッと濃縮し、最後はちゃんと幸せで終わってくれる。

サークルとしてはまだ2周年だけど、内容は発売数日で1000本ぐらい当たり前に売れる大物サークルと並んでいいぐらいの、それこそ発売1週間はバナー掲載されておかしくない優秀さだと私は思ってます。

原作である幼馴染ちゃんの初期の頃に見て、キャラクターの描き方がすごくいいなとファンになり、オリジナルシリーズの最終回を迎えた頃に音声作品に興味を持ち、このキャラクター達をぜひ音声作品化して動かしてほしいと思っていたのが、ついに実現した。
本当にうれしい。

原作同様、一線は越えない紙一重のところでの攻防をしているが、セリフなどの作り方ですごくエッチ。
スケベというより、「すごいエッチ」です。
やってることは素股や手コ◯などの完全に性的なことなのだが、それを子供のイタズラの延長のような流れでやっていて、あからさまなエロにしない。
To LOV〇るをギリギリR18にしたような内容をイメージしてもらうと、どんな内容か分かりやすいと思う。
なので、スケベではなく「すごいエッチ」という表現なのですよ。
アイスを舐めさせるシーンなんて、扉の向こうから聴こえる声と音だけで変な想像しちゃう漫画の1シーンのアレみたいだから。
パッチュンパッチュンやりまくるドスケベもいいけど、こういう音と声で煽情的にするのも、音声作品ならではの演出としてとても良いものです。

また、原作のオリジナルシリーズは、ピュアで無知な性格に振り回されるだいぶ健全な内容だったので、そのオリジナルに準規したようなシーンもトラック5以降に出てきてくれて、原作を知っている人ならとても嬉しいはず。

ボイスコミックも同梱されていて、ジャケットイラストとは違う動きのあるキャラクターが見られるから、これでpiyopoyoさんの描くキャラクターに興味を持ってくれる人が増えると良いな。
表情が良いのよ、ほんと。

欲を言えば、妹ちゃんとギャルちゃんも登場してほしかったけど、作中でその2人の事もちょっとだけ話に出てくるし、いつか続編でやってくれると願っています。
(頭の中では、CVはこの方だったらいいなと勝手にもうやってます)

可愛い、イチャラブ、ドスケベ、
青春フェティシズムらしさ満載で、今回もとても良かった。

本人とサキュバス化してるときで、人格が変わってるようなものなんだけど、サキュバス状態の記憶がないが、サキュバス側は聞き手と本人の好意をなんとなくわかってるから、それを利用して煽ってくるのが、わかりやすくてすごく良かった。
その煽ってくる口調が、山田じぇみ子さんのあの声だから、キャラクターと声の親和性が毎回良く考えられている。
サキュバス状態だけでなく、本人時を少年のようなやんちゃな感じで、しかもボクっ娘にしてくれた事で、無垢な白とただれた黒のように真反対なギャップになって、2面性の明暗がはっきりするわけですよ。
CVが山田じぇみ子さんなのは、幼いころを追想させる元気さ、反動でサキュバス化した時のとにかく煽るメスガキっぽさ、同じ声で成立させるナイスキャスティング。

いやほんと、サキュバス化してしまう病気というぶっ飛んだ設定なのに、「あぁ、あのサキュバス症は大変だったね、ぐらいの当たり前の世界観にしちゃってるから、違和感を抱かせないのはさすがよ。
だから症例か」ぐらいの、すでに認知されたものとして特に詳しく説明してないから、どんな世界線だよという違和感もなくすんなり入っていけるのは、さすがよ。
ドスケベになるだけじゃなくて羽や尻尾が生える、奇病と言うより怪現象なのに、再発って事は一度は症状が改善した、つまり治療方法があるわけだからさ。
医学にエクソシストが絡んでるのかい?
サキュバス状態は妊娠しないから大丈夫、しないと元に戻れないよ、そんなこと言われて理性保てる方が無理だって。

キャラクターでシチュエーションを作るのがうまい。
毎回ハズレがないよ。

最初に言っておくが、私はこれまで色々な催眠作品を聴いてきて、完全にかかったことはありません。
しかし、その導入が自然かどうか、聴いていて心地よくて寝そうになるか、という部分はきちんと理解ができます。
一応導入部分で寝てしまうことはあるので。
で、催眠としてはとてもオーソドックスで、深呼吸や体の緊縮によるリラックスというわかりやすいもの。

催眠は人によるので評価するのが難しいが、今作は「とにかく可愛い」が過ぎる。
陽向葵ゅかさんのふわっと柔らかい声が、5月の晴れた日のように暖かい。
実際に店にいたら間違いなく人気になる感じの、絶妙なあざとさ。
催眠に入れなくても聴いていて心地よさはかなりあるので、むしろ睡眠導入やリラックス用途として使ってもいい。
トラック2だけをプレイリストに入れて、陽向葵ゅかさんに入眠を手伝ってもらえると考えたら、お値段とか気にならん人もいるんじゃないかと。
なので、壊れても良いように安くて小型なイヤホンを使って、そのまま寝落ちしても良し。

あと、後半に所々で「ほら、やれ」などの命令口調になったり、催眠に関係なく指示がシンプルで、トラック4だけをオナサポとしても使える。
なので、催眠にかかりにくい体質でも後悔しにくい。

途中までは再開した幼馴染とのイチャラブ展開をしつつ、なんでこうなったのかの説明は無いまま地の底に叩き落とされて意識をグチャグチャにされる、某雛見沢のバッドエンドを想起させる急展開。
やってることはタイトル通りにエグイんだけど、NTRとかの胸糞要素がないからだろうか、約3時間の大ボリュームがスルッと聴けた。
とはいえ、絶望の底だな→ちょっと希望が見えた→さらに深い底へ叩き落とす、憎しみのはけ口にされ続けるから、最後まで救いは無いんだけどね。

中盤の内容はだいぶエグイけど、ちゃんとエロイから実用性もかなり高い。
前半のイチャラブ、中盤から後半の逆転なしどころかその可能性すら弄ばれる一方的な蹂躙、それが2キャラ分。
しかもそれを、大山チロルさんと柚木つばめさんというビッグネームが担当してるんだから、ハズレるわけがない。
逃れようと希望を持つのを諦めさせる狂気に満ちた高笑いは、ぜひ聴いてほしい!

イラストと作品内容で何となくイメージはできるが、声が入ると倍ぐらい違う。
内容的に苦手なジャンルかなと思っても、演技力の高さに注目する人ならそっちに感動するぞ。

あと、作品内のReadMeに「続編制作中です・新キャラ出ます」とあるのを見て、これをどう展開するの?と楽しみよ。

同サークルの作品は複数買っていて、徐々に距離を詰めて最後に幸せ100%にしてくれる、そのパターンは大体同じなのだが、毎回起承転結の転の部分でキャラクターの過去とか内面に触れてイッキにこちらの気持ちを引っ張って、「もう、好きっ」になってる。

最初は冷静なお姉さんが終盤で目がハートのお嬢さんになるとき、ターシャと呼んでくれとは言われるけど、こっちの気持ちもアナスタシアさんからターシャになる。
呼び方で気持ちの変化をイッキに持っていかれて、最後の2トラックの盛り上がりがもう、ね。
「あの頃みたいに○○って呼んで」ってのは、色んなところで使われることがあるけど、ずっと思い続けてたんだとお互いが愛おしくなってグッとくるわね。

そして、CVである大山チロルさんの声とキャラクターのシンクロ率の高さ。
冷めているのではなく、修羅場をくぐってきて冷静になっただけで、言葉にはちゃんと優しさがある。
特に、近距離で囁かれたときに耳の中を暖かい息で埋め尽くされる、大山チロルさん独特の息の使い方によって、身も心も抱きしめられるみたいな感覚に陥るし、それが終盤のエッチには興奮状態に拍車がかかって聞こえて、好きだからメチャクチャにしたい(されたい)と言わんばかりのイチャラブに。

あと、制作の裏話みたいなのがReadMeファイルにあるけど、こだわりみたいなのが垣間見えたり、この部分が大変だったのかとか、実は結構楽しみにしてたりします。

お化け屋敷的なやつも、泣いたり腰抜かしたりするレベルのやつはできれば避けたい、恐怖というよりビックリするのがあまり得意ではない性格です。
すっかりそれを忘れていて、ホラーってあんまり無いよなぁと興味だけで聴いてしまい、ガチのホラーでびびった。

そんなに特殊なことはしてないのだろうが、音声作品ならではの距離と位置の動きで、急に至近距離にくるビビらせが、すごく効く。
部屋を暗くしてちゃんとアイマスクしてたら、「これ音声だよね?何もいないよね?ね!」って思っちゃった。

正直に言えば、催眠としての要素はよくある深呼吸ぐらいだからそれほど強くはないけど、そんなことよりホラーとしての作りがうまい。
音声作品らしい音の使い方として非常にベーシックなんだろうけど、だからこそ急な距離の詰め方などで純粋に怪談らしい恐怖が表現されてる。

人によっては、1回聴いたらもういいやになるかもだけど、その1回が「ぁあ!こえぇよぉ!」とインパクト充分で満足度は高い。
もう1度言うけど、こういうホラーってほとんどないしね。

内容説明をほとんど見ず、タイトルとトラック名からなんとなくこういう作品だろうなという程度の前情報で聴き始めました。
それでも、キャラクターの説明とかの前振りはなしでトラック1の最初からキスが始まっても、なんの違和感もなくすんなり入って行けた。
いや、「そもそも最初からそこにいた」という方が良い。

内容はタイトル通りで、本当にキスだらけです。
徹頭徹尾という四字熟語が当てはまるぐらいに。
で、それがトラックごとに変化し、ASMR用途としても実用性が高い。
エッチくなるのはトラック5からなので、1～4は寝る前の癒しに聴いたりとかも。
トラック2と8以外はだいたい10分ちょっとになってて、布団に体を沈めて深呼吸しながら聴いたら、頭がボ～っとしやすくなる(かもね)

良い作品は共通して、ほとんど説明しなくても聴けば大体のことがわかる。
今作はセリフがかなり少なく、音の位置とわずかなセリフだけでシチュエーションをしっかりイメージでき、音と雰囲気と楽しむ音声作品の大事な部分がよく考えられている。
片足どころかお腹までドップリ浸かっている愛好家だけでなく、興味を持ち始めたビギナーさんにもおススメできる聴きやすさです。
(色々考えず無になって聴いていれば楽しめるという意味で)

あと、フリートークが10分もあるよ。

タイトルに「僕っ娘」とあるが、おそらく種族などの風習で僕と呼称しているだけで、キャラクター自体は元気な女の子。
一人称が僕なだけでカッコいいより可愛いに傾いているので、イケメンな感じを想像するとちょっと違う、好奇心旺盛な可愛い女の子よ。

ストーリー的には、捕まった立場で保健体育の生きた教材にされるような始まりだけど、グロや胸糞は全くなく、スケベなことをしてみたい好奇心でいっぱい。
ダークエルフは種族としては人間より上位存在になっているので、最初だけは良いペットを手に入れたような感じだが、これが男なのかという好奇心が前面に出ていて、タイトルの事務的というのも種族の上下関係で序盤にちょっと匂うだけで、冷徹さや面倒な感じはない。

あと、淫語とオホ声の量が多すぎず、異世界ファンタジーの巨大生物の雄叫びのような汚さはなく、行為が盛り上がったところで体の奥からうっかり漏れるぐらいだったり、淫語もセリフの大半がそれになるほど多くなく、性知識が少ないキャラクター性を崩さない程よさ。
適量だからこそ可愛さと相まって、むしろ良い。

事務的僕っ娘が、トラック3ぐらいからは甘イチャ元気っ娘になるから、サンプル聴いて「甘々な内容なのか?」と感じたら、そっちを信じていい。

淫語やオホ声がエグ過ぎるのは苦手なんだよな、和風ソースのさっぱりしたハンバーグ、みたいな程よさが好きな人には「もう、可愛いなぁ」が前面に出てイチャラブでとてもいい。
基本的に私自身が、あまり淫語やオホ声が多くてきついのが苦手なので、これぐらいだと「、、、エッチやん」ぐらいのイチャラブになってちょうど良かった。

タイトルと作品紹介の通りではあるんだけど、その内容が非常に面白い。
良く出来てるというより、面白い。

最初は題材にしているおとぎ話の内容に突っ込みを入れる程度なのが、徐々にオリジナル要素をぶち込んできて、殺戮マシーンとか東横線とか急に別世界に飛んで「これ何の話だっけ?」になるんだけど、お姉さんが通行人Bにまで入り込んでノリノリなもあって、なぜか聞き入ってしまう。
「こわっ」とか「ムリなんだけど」とか、お姉さんの感想が出てきちゃうのもまたね。
眠れるように、だったはずだけど、こんなん眠れないって。

耳かきとか川のせせらぎとか、ASMR要素の癒しももちろん良いけど、こういう「なんか雰囲気がおかしいぞ、でもそれが面白いな」という作品も良いなと思わせてくれるね。

タイトルと内容を見て、某カス嘘お姉さんを思い浮かべた人もいるだろう。
それで気になったあなたは、ぜひ買ってくれ。
また違った面白さだよ。