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作品内容
天文五年(1536)夏、武田家々臣工藤虎豊次男の祐長は甲府で青雲の志を抱く若武者の日々を送っていた。
しかし、虎豊が主君の武田信虎によって手討ちとされるや兄昌祐らとともに甲斐を出奔、以後十年にわたり関東諸国での流浪を余儀なくされる。
その後、武田家の新しき当主となった晴信(信玄)は祐長たちの浮草暮しを知ることとなり、先代信虎の仕打ちを詫びたうえで臣下に召し抱える意向を伝えた。
心にわだかまりを覚えつつも祐長はこれを受け入れ、一族とともに甲斐に復帰し、以降は父虎豊と同じく武田家侍大将の道を歩むこととなる。
国峰城を奇策によって無血占領し、甲相同盟の締結などに手腕を発揮する昌豊を人は武田の副将と呼んだ。