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作品内容
金色の月が光る夜。石畳を打ち鳴らし、階段を駆け上る少女がいた。
喧騒から逃れた静かな街。 一人の青年は彼女を見つける。満月を、見つける――。
坂道に囲まれたとある神社。 そこで彼らは出会った。
神のいない、廃れてしまった神社。 そこで彼らは、互いを見つけた。
眠れない少女は祈る。 神のいない、廃れてしまった神社で、ひたすら祈る。
『普通』という言葉の定義が、一般的なそれだとすると。
眠れない身体を持つ彼女は、『普通』から大きく離れていた。
いつの間にか、『普通』から逸れてしまっていた。
そして、彼女を覆う枠の中に入ってくる者は、決まって『普通』ではなかった。
――これは、煌びやかな日常の、その裏側のお話。
東京という街で、照明の当てられなかった人たちのお話。
非現実的な、それでいて、誰もが持つ迷いや悩み、決断のお話。
祈ることしかできない彼女と、祈ることを忘れていた彼と、祈ることが意味を成さない彼女と――
やっぱり、どうしようもなく狂ってる人たちの、ごく一般的でありながら、ごく非現実的な
本当にもう、どうしようもない物語である――。