ディープキスコンプレックス

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ディープキスコンプレックス [EclairAppleTea]
Círculo EclairAppleTea
Lanzamiento 02/19/2017
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Resumen del producto

キスに性的で執拗な妄念を抱え執着を覚える少年「コウ」と

邪神を崇拝する妖艶で淫靡な少女「ルフ」の

二人の高校生の
奇妙で薄暗くも眩く淡いコンプレックス幻想恋愛短編小説。

全12ページ 10000字程度

本文サンプル1

 唇のありのままのふわふわとしてやわらかいマシュマロのような感覚を味わいたい。マシュマロよりも、甘味で脳をしびれさせるあの感触が頭から離れない。
 それをじっくりと堪能したうえで互いの舌を絡め合わせ禁断の蜜をむさぼりあいたい。その蜜は脳を溶かす。中毒性があり、僕はそれを何よりも求め、渇望している。キスこそ至高、唇こそ極上の美味であるのだ。
 女とのキスに僕は異常なまでの執着を覚えていた。
 僕は唇に飢えていた。

本文サンプル2

「いいよ」
 彼女がそう言う。何が良いのか。言うまでもないが。
 僕は、どうやら我慢ができないようだ。気が付けば立ち上がり前にのめり込み彼女の頬を掌でとらえていた。
 そして、音もなく静かに唇を重ねる。唇を重ね合わせるだけの平凡なプレッシャーキス。
 彼女のきめ細やかに整っている唇は非常に美味であった。そのしとやかさが、僕のからっぽの瓶を満たしていくようで。
 幸福。この瞬間を幸福と呼ぶのだろう。
 しばらく重ねたまま、呼吸を止める。目を閉じて、果実をじっくり味見する。堪能していた。
 そのやわらかさに時間が止まる錯覚すら覚えた。それはとても静かに溺れてゆく様だった。

本文サンプル3

 なまめかしい感触がお互いを満たしていく。ぬるぬるとしたような、どろどろとしたような、じわじわと溺れるような甘味。甘味と言うには甘すぎて、濃すぎて、苦さすら覚える。
「んぁ……」
 ちゅくちゅくと唾液が混ざり合う音がする。それがあまりにも卑猥で互いの心を煽情した。舌を舌で包む。そうすると僕の背中に回されたルフの腕に力が籠る。どうやら彼女はこのキスがお気に入りらしい。
 続いて僕は舌で彼女の歯をなぞる。どうやらこちらは彼女的には苦手らしい。羞恥に身をよじらせる。でも僕は逃がしはしない。彼女を強く抱きしめて。頭蓋に手を添え、引き寄せる。離させはしない。

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