幼くして両親を亡くした兄のイオと妹のケイ。
引き取られた村で、ある夜村長の屋敷へ招かれた二人は【冥婚】という村の因習の話を聞かされる。
それは50年に1度、村の若い娘を亡者に捧げるというものだった。
イオはケイを先に村から逃がして、自分も後を追うつもりでいた。
しかし、先に逃げたはずのケイが山で滑落して瀕死の状態でイオの前に連れられる。
ケイの惨状に呆然と立ち尽くすイオに、村人たちはある条件を提示した。
『お前が身代わりになるというなら、ケイを助けてやる。ただし、お前は逃げても抵抗してもならん。いいな?』
—ケイを生かしてもらうため、イオは即座に
頷いた……。
イオ
ケイと4歳離れた青年。両親を亡くして以来、ケイに不自由はさせまいと働いてばかりいたので、情事に非常に疎い。
ケイの身代わりに冥婚の儀式に捧げられる。
ケイ
イオの妹。
イオと同じく働き者で、
イオととても仲がいい。
山を下りた先の里に住む猟師と恋仲。
亡者
イオを花嫁として狭間へ連れ去る。人の理から外れた異形の者。
何体に分かれていても人格は一つ。