「セーラー服いちゃいちゃコース。ジュリアさんで」
意気揚々と風俗で指名を入れる、しがない高校教師。
しかし部屋に現れたのは、2年前に卒業した教え子だった…。
果たして勝つのは性欲か、教師としてのプライドか!?
マツモトクラブワールド、本作でも堂々炸裂!!
芸人と漫画家
作品づくりの秘密に迫る!
お笑い芸人と漫画家。
それぞれ異なる分野で異才を放ち続けるクリエイターのお二人に、
作品づくりの真髄やコラボへの想いを伺いました!
生年月日:1976/6/8
出身:東京都調布市
所属:ソニー・ミュージックアーティスツ
受賞歴:R-1ぐらんぷり2015第2位
生年月日:1980/1/12
出身:大阪府
代表作品:『マスターさんとモリナガさん』、『やれたかも委員会』
コラボ第二弾はマツモトクラブさんが風俗へ行く「ジュリア」というネタが題材ですが、ネタの内容は実体験ですか?
マツモト:これは実体験ではなくて、ある方から「これ自由に使っていいよ」って頂いた台本があって、それをもとに、いろいろとエロポイントとかを足して作らせていただいたネタなんです。実体験だとしたら、まず僕が高校教師の過去を持たなければいけませんからね。ただ僕もオトナですし、いろいろと経験はありますので、その時のドキドキとか、部屋の香りとか、いろんなことを思い出しながら作ったネタですので、そういった意味では実体験も入っているとは思います。
吉田:僕はこのネタを最初ネットフリックスで見ました。ゴッドタンで放送されたやつですね。とても面白かったです。実は第一弾のときは結構変えすぎてしまったなと思っていたんです。なので今回はできるだけアレンジせず、そのまま漫画化してみるということに挑戦しました。あと、もうひとつ動画を送ってもらったじゃないですか。
マツモト:単独ライブですね。
吉田:そっちのほうが特に面白く感じましたね。テレビではだいぶカットされているんだなーと思いました。間とかも随分違いますし。ライブ版の方が内容がきちんと入ってくるのがよかったです。前回の「モリナガさん」の時はテレビ版しか見てなかったので、前回の分もライブ版があるなら見たかったなと思いました。
マツモト:それは嬉しいですね。
吉田:テレビ用はかなり削ってるんですか?
マツモト:そうですね。テレビは長くても4分くらいなんで。マツモトクラブのネタは自分でも長めのほうが面白さは伝わるような気がしていて、テレビで2~3分でやらなきゃいけないってなったときに、ちょっと苦しいんですけど削ってますね。だから本当は見てもらいたいのは、おっしゃっていただいたように、長い尺のネタですね。本来自分のやりたかった形というのは、ライブとか劇場でやっているものなので。
アイデアはどのように考えているのでしょうか?
マツモト:一番面白いのができたときは、日常で見かけた人とか、自分が実際に体験したこととか、そのへんに歩いているオジサンのしぐさを見て「なんかあのオジサンおもしろいな」とか、そういうところからネタに発展していく形が、結果として面白いネタになるという経験が多いです。それは人間のあるあるじゃないですけど、どこか誰かに共感してもらえるような部分があったりするところからネタを作ると評価してもらえるなっていう実感があります。
吉田:なるほど。
マツモト:なるべくそういうふうに作りたいとは思っているんですが、ライブとかで新ネタをこの日におろさなきゃいけないってときに、頭の中に何にもない状態で作らなきゃいけないときもあるんですよ。そういうときは、考える時間がある割にそんなに面白いネタにはならないんですよね。だからなるべく面白い何かを見つけたときにメモったりしてるんですけど、メモが横着すぎて、「ソーセージ」とだけ書いてあって、ソーセージって何だっけ?ってなることもよくありますね。
僕はお笑いを初めて9年目くらいですけど、最初の頃はストックがあったのでそれを出していく作業だったんですけど、途中からそれがなくなって、今は色々なことをどんどん吸収して、そこから絞り出していく作業になってきています。
吉田:僕はいま『やれたかも委員会』っていう漫画を描いているんですけど、それはエピソードを投稿してもらって、それを元に描いてるんで、すっごい楽ですね(笑)。でもそれぐらい楽じゃないとコンスタントに描けないなっていうのがあって、まあなんか、すごいズルしてる気分ではあるんですけど。マツモトクラブさんのように、明日までに作らなきゃとか、聞いただけでドキドキしますよ(笑)。絶対にムリです。
コラボをやってみて、新しい発見のようなものはありましたか?
マツモト:吉田さんに描いていただいた漫画を見て、気づきというか、確かにあれじゃあ説明不足だよなっていう部分が補われていたり、登場人物のバックボーンというか、この人はなぜこういう行動をとったのかみたいな裏付け的な要素が盛り込まれていて、僕としてはすごく勉強になりましたね。
吉田:恐縮です。でも、あんまりやり過ぎても面白くなくなるじゃないですか。だからすごく難しいなって思いましたね。
マツモト:でも本当に、漫画を読ませていただいたときに、それを読んだうえであのネタを舞台用に作り直してまたやりたいなと思いました。なんかこっちのほうがいいなあって(笑)
吉田:僕もすごく勉強になったんですよ。僕は例えば新しい読切とか描こうとするときに何ていうかフワッとしたものを描いてしまうんですよ。フワッと面白い人を描いて「はいエンド。」みたいにしちゃう。完全に悪い癖なんですけど。笑。でも、今回のコラボで人が作ったネタを何度も読み返す中で、「ちゃんとフリがあってオチがある!」みたいなのをすごい感じました。「あ、こうしなきゃいけないんだな。」と思いましたね。まあわかったとこでできるわけではないんですが。
マツモト:自分のネタを漫画にしてもらうってすごく嬉しくて、毎回楽しみに読んでるんですけど、ここがこういう描き方になるんだっていう発見が面白いんですよね。今回のジュリアでいうと、最後の「いける」のところの顔が、すごいカッコいい顔に描いてくれていて嬉しかったです。
お二人は同世代ですが、自分の芸風、作風に影響を与えた人物や作品などはありますか?
吉田:漫画ならジャンプですね。ドラゴンボールとか幽遊白書とか。で、大人になってからは、カイジが大好きですね。説教クサい感じが好きなんですよ。自己啓発的というか。
マツモト:僕はお笑いで言ったら、やっぱりダウンタウンやウッチャンナンチャン。あとはたけしさんとかを見て育ちましたね。それで高校生くらいのときにお笑い芸人に憧れたんだけど、自分はそんなのできないなと思って裏方に回って、ディレクターとか、テレビを作る人になりたいと思ったんです。でもやっぱ裏方っていうのももったいないなと思って、劇団に入って役者になろうとしたんですけど、それもうまくいかなくて、結局一番興味のあったお笑いを一人でやってみようと思って今の事務所に入って、現在に至るという感じです。
だから昔から憧れたり好きな芸人さんとかはいるんですけど、自分がその人たちと似たようなことをやるのはムリだと思うし、自分なりの、マツモトクラブのお笑いをやれたらいいなとは思ってますね。
吉田:最初お笑いはムリだと思ったんですか?
マツモト:そうですね。
吉田:演技はできそうだなと?
マツモト:思いました。小学校のときとか、国語の時間に一人ずつ読んだりするじゃないですか。そのとき「俺、ほかの人よりスラスラ読めるな」って。
吉田:ははは。聞き入ってるなと。
マツモト:聞き入ってるまではいかないんですけど、声色を変えたりとかしながらやってたりしましたね。あと学芸会でいい役をやったりして、スゴイねって友達から言われたりしたのがどっかにあって、それでできるって思いましたね。まあ、実際は10年くらいやって何もなかったんで、できなかったわけですけど。
吉田:いまって演技力を活かしたコントをやられていますが、その時代の経験が活きてると思いますか?
マツモト:そうですね。ひとつの劇団に10年くらいいたんですけど、決して無駄ではなかったなと思いますね。いまの自分のネタのどこかに影響を与えているとは思うので、やって良かったなとは思います。
吉田さんは、この経験が漫画に活かされているというのはありますか?
吉田:僕も同じように、漫画家になりたいとは思ってたけどムリだなと思って、22~23ぐらいのときに一度就職したんですよ。ハンバーグ屋さんに。
マツモト:ハンバーガーじゃなくてハンバーグ?
吉田:はい。ハンバーグを焼いて上に具を乗っけて、みたいな。チェーン店だったんですけど、そこで1年くらい働きましたが辛くてやめちゃって。でもこのハンバーグ経験が漫画に活かされてるかって言ったらそうでもないですね。何だろう。何が活かされているんだろう。僕の人生。でもその時に「これはもう漫画をやろう。」と思ったので、そういう意味では活かされてるのかもしれません。そこからしつこく続けてるだけ、みたいなとこがありますね(笑)
今後、お二人で何かやるとしたらどんなことをやってみたいですか?
マツモト:この先、もし何本も続けさせてもらえたとして、5~6本くらいやって、そこからさっき言ったように僕が舞台でやるネタに変換してライブをやる。で、漫画5~6本分のやつを単行本にして、その会場で物販として売りたいですね。
吉田:最高じゃないですか。僕も是非それやらせて頂きたいです。これはもうね、エイシス様にお金を出していただいて、それで1冊分描いて、電子書籍を作って、出版社にも噛んで本を刷ってもらって。ライブ物販っていう売り場があるっていうのは強いと思うんですよね。
マツモト:サインも書きますし。
吉田:僕もいくらでも書きますよ。いますぐ印税契約の話をしたいです。
夢が広がったところで、本日はありがとうございました!
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