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古の瀬戸口廉也作品の一つとして、本作はCarnivalに引けをとらない、むしろ出てくる人々が(はじめは)真人間であったからこそ、より感情移入ができ、彼の思想が理解できるものとなっています。

あるルートでは非倫理的な行動に強く反対していたキャラクターが、あるるーとではためらいもなく人を殺すようになる。追い詰められたとき人は簡単に変わるんだ、二面性でも矛盾でもなく、人間とは結局環境でいくらでも善悪を乗り換える生き物なんだ。そうとも読めるような展開がある一方で、でもそんな時だからこそ生を全うしようとする姿勢がまばゆい光を放つ、人間の生は貴いのだと伝えようともしています。

氏はAniplexからの新作『ヒラヒラヒヒル』も控えており、今改めて注目されるべきシナリオらいーたの一人であることは論を待ちません。そんな氏のある種一貫した生への態度がはっきりと感じられる本作は多くの人に読まれるべきでしょう。