本作は、年の差のある男女の幼馴染が高校教師(男)と生徒(女)として再会する物語シリーズの一作目と二作目を収録したセット作品です。
男女の二視点で展開される物語は、「そ」では小学生の女の子・結が高校デビューに励む男の子・樹の軟派ぶりに苛立つ様がまず描かれ、二人の関係を描きつつ、彼の大学入学に伴う別離で物語はクローズしています。
そして、「ならなきゃよかった」では教師として帰郷した樹が高校生になった結と再会する物語が描かれています。
二人の関係を深く描いた「そ」に対し、「ならなきゃよかった」は次の物語への布石のような印象です。
そして、物語としては三作目の「こんなはずではなかったのに」で完成される。ですので、できれば二つとも購入の上で読書することをお勧めしたい。
お互いの関係の変化と、その間に生まれてきた感情の推移、二人のじれじれした関係にスポットを当てた作品ですので、結末まで読み切らないときっとすわりが悪いことでしょう。
精一杯青春を生きている二人の姿はエネルギッシュでエモーショナル。
それでいて青春のある種の爽やかさも伴っている。
描写もそんな彼らの細やかな表情の描き方や、全体的に見られるタッチの優しさが印象的ですね。
できれば三部作全てを揃えてからの読書をお勧めしますが、感情的でいて爽やかな青春物としてお勧めしたい作品です。良い作品ですよー。
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