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ストーリー
季節は、湿度が鬱陶しい梅雨。
舞台は普通の学園、誠京学園。
主人公、五十嵐准はこの学園に通う2年生。
青春まっただ中にある彼は、恋の病にかかっていた。
それはその人のことを思うだけで、身も心も焦げついてしまいそうな恋。
といっても、彼が恋い焦がれる相手はクラスで人気の女の子や、
男子達に人気の新任女教師などではなく、
教師歴10年以上、准とは母と子ほどの年齢差のある地味なベテラン女教師
准が1年生のときの担任、ケイコ先生だった。
ケイコ先生の溢れる母性に恋心を募らせる日々……
しかし、彼がいくらケイコ先生に想いを寄せていても、
それは成就しない恋だった。
ケイコ先生の左薬指に光る指輪がそうさせていた。
准は叶わぬ恋心を抱いたまま2年生となり、
クラス替えが行われ、担任も変わる。
ケイコ先生との接点が薄くなったと感じられたが、
彼は先生が顧問を務めるバドミントン部に入部することにする。
ほとんど幽霊部員ばかりのバドミントン部。
放課後、ジャージ姿の先生とふたりきりの練習。
それはそれで主人公の胸をときめかせていった。
ある日、隣の席になったクラスメイト
クラス委員を務める女の子が話しかけてきたことにより、
准とケイコ先生との間に新たな接点が生まれる。
「五十嵐クン、いつも母がお世話になってます」
准は『先生の子供が、この学園に通っている』
という噂を聞いたことがあった。
「みんなにバレちゃうといろいろ面倒でしょ?
だから五十嵐クン、ほかの子にはナイショだよ」
なぜケイコ先生の娘、紗依が今まで隠していたことを
自分にだけ教えてくれたのか?
その理由は准には分からなかったが、
『家でよくお母さんが五十嵐クンの話をするから』
という紗依の言葉で、彼はひとり納得する。
「やっぱり、五十嵐クンの家が父子家庭で、
うちが母子家庭だからかなぁ。
お母さん、よく五十嵐クンの話をするんだよ」
“先生の家は母子家庭”
“つまり、先生は旦那さんのいない、未亡人”
事情を知ってしまったことで、准の恋のスイッチが音を立てて
激しく鳴った。
彼は、ケイコ先生に告白することを決意するのであった。