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■ストーリー
天涯孤独な身の上の主人公、湯築恭介(ゆづき・きょうすけ)は中堅商社に勤務する
サラリーマンだったが、所属部署の部長が不正を働いているのを知り、
その事実を出世の糸口としようと動き始めた矢先に、部下のOLの裏切りにより、
部長にその事実を知られ直属の課長により、部長の不正の責任をその身に押しつけられた挙げ句、
懲戒解雇という最悪の形で職を失う。
30半ばでの再就職はままならず、カードは停められ、公共料金や家賃も滞納し、
自身の前途に希望を見出せぬ苦境にあった。
いつのまにか自殺を考えている自分を発見し、滂沱と涙する恭介。
一体何故、どうしてこうなってしまったのか。やがて、涙は悔恨のそれとなり、怒りのそれへと変わった。
すべてが憎い。いいだろう。死んでやる。だが、ただでは死なぬ。
俺をこんな苦境に陥れた者たちに、これ見よがしに幸せの約束された人生を謳歌する者どもに、
俺の味わった以上の屈辱と絶望を与えてやる。
嗚咽はいつのまにかくぐもった笑い声になり、やがて哄笑となった。
美しき贄どもよ───
脅え、狂い、よがりながら堕ちて逝け。
■登場キャラクター
●韮山明日香(にらやま・あすか)
やや痩せぎすだが、体つきはまろやかさを帯びてきている反面、
表情にはどこかにまだ少女のような面影を残している
かつての勤務先の社長令嬢。一人娘。女子大生。処女。
人目を惹く華やかな容姿・服装をしているが、他人に心を閉ざしているため、どこか表情が硬く
そのため、他人に冷たい印象を与えがち。
●砥石亮子(といし・りょうこ)
十分に肉感的なボディラインを持っている人妻。結婚4年目であり、子供はいない。
夫は恭介の直属上司である課長。高卒たたき上げの恭介と違い、
Aランク大学卒で出世街道まっしぐらのエリート社員。
彼女自身もAランク大学の出身で、結婚しても家庭には入らず、現在、
大手証券会社に嘱託として勤務している。地方の、中流以上の家庭の次女に育つ。
体面を気にする性質で、近所の評判は上々。いわく、「清楚で貞淑、上品な奥さん」。
ただし、近所付き合いはあまりなく、苦手としている。
出張や残業、接待などで不在・すれ違い気味の夫婦生活に欲求不満を募らせている。
プライドが高く、そのため心を通わせられる友人がいない。実家や親戚との付き合いも疎遠。
非処女だが、経験はそれほど豊富ではない。実際、2年以上セックスレスが続いている。
ゴミの分別について、恭介に文句を言ったことがあるが、本人は覚えていない。「近所の人」程度の認識でいる。
●檜山碧(ひやま・みどり)
中堅商社である恭介のもと職場において「ミス田丸物産」と呼ばれるような美人のOL。
恭介の直属の部下であった。清楚な印象を人に与える、はっとするほどの美人。処女。
着やせするせいか、服の上からはそれほどメリハリの利いた
体つきに見えないせいで、より清楚な印象が増している。
親元を離れて、賃貸のマンションでひとり暮らしをしている。
東京都下の某女子大卒後、現在の職場に新卒で就職。
仕事ぶりは真面目で熱心。正義漢が強く、部長の不正を
出世の糸口としようとしている恭介の行為を知って悩んだ末に直属の上司である課長に相談したことが、
恭介の解雇のきっかけとなった。
その後、部長には(苦境を救った恩人として)目をかけられるが恭介はそれを
「身体を使って取り入った」と誤解(邪推)する。