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◆ストーリー
主人公・慎が幼い頃に、両親が離婚。
半ば家を飛び出すカタチで母は家を出て行く。
元々、母は情の深いタイプではなかったため、子供ながらにそれほど悲しいとは思わなかった。
むしろ、隣に住む春野家の母の方に懐いていたぐらいだった。
しばらくは大学教授の父と二人だけで暮らしが続いたが、自分の研究しか頭にない父は
数年もすると面倒を見切れなくなったのか、慎を親戚に預けてしまう。
それから十年程を経て、慎は大学院の研究生となる。
大学入学と同時に親戚の家も出て、奨学金と教授の手伝いでなんとか一人暮らしをしていた。
そんな折、突如として父が再婚すると聞かされる。しかも、その相手は隣人の春野さんだという。
父にもそんな甲斐性があったのか、驚く主人公だったが、それ以上の感情もなかった。
少し気になったとすれば、もう十年近く会っていない春野家の双子の姉妹、一葉と二葉のこと。
だが、それもほんの少し気になっただけ。
父も母もいない生活は、慎をひどく冷めた人間にしていた。
どうせ家に帰ることもないから自分には関係ない事と、家にはほとんど顔を出さなかった。
だが、再婚からわずか半年後に父親は事故で帰らぬ人となってしまう。
そうなると、義理の妹達の保護者は自然に慎という事に。
仕方なく、妹達と一緒に暮らす事にするのだが…
何故か、姉妹は慎に対して余所余所しい。
姉の一葉にいたっては、明らかに慎を嫌っているような態度だ。
以前までは、随分と自分の事を慕ってくれていたはずなのに。
どうして?
そんな疑問と戸惑いを抱えたまま、新しい生活は始まった。
◆登場キャラクター
●春野一葉(姉・はるのかずは)
明るく元気な、双子の長女。
主人公曰く「女らしい所を全部妹に持っていかれた」という位のやんちゃ娘。
運動大好きで、小さな頃から主人公の背中をずっと追いかけ続けてきた。
その行動が主人公への愛情によるものだと、本人も気がつかずに。
その元気すぎる所から、主人公から見ると弟のような存在に落ち着いている。
実際の一葉は男らしいわけではなく、細かい所に気がつくとても世話好きな少女であり、
二葉よりも早く主人公への気持に気がついている。
その為、ずっと主人公を追いかけていくうちに、どうしてもその行動がやんちゃっぽくなってしまった。
(言い換えると、主人公は女の子が一緒でもあまり気を使わないガサツな所がある訳だが)
本人はそんな自分のキャラクター性に少し疑問を持ちつつも、
結果的にはそれが主人公のそばに居られる事であると納得している。
だが妹が徐々に女性的になっていく(女である事を自覚していく)のを感じて、
少し焦りを感じ始めたり、気がつかない内に冷たくあたってしまって、自己嫌悪に陥ってしまったりする。
当然の事ながら、本当の一葉は妹の事はとても大切に思っていて、双葉の事を自分の事のように心配している。
●春野二葉(妹・はるのふたば)
大人しく内気な、双子の次女。
人見知りが激しく、いっつも一葉の後ろにヒシッとしがみ付いている。
主人公を追いかける一葉の背中を、ずっと追いかけ続けてきた。
最初の頃は主人公とも馴染めず、やはり一葉の後ろに隠れていたが今では打ち解けている。
主人公が色々な本を読んで聞かせて居た事から、読書好きな女の子になった。
だが自分で読んでいても何か物足りなさを感じている。
(それが実は本自体への興味ではなく、主人公の読み上げていた
声に心地よさを感じていたんだという事に、後になって気づく)
一葉よりも遅れて異性に目覚め、主人公に対する自分の気持に気付くと同時に、
一葉の主人公への想いにも気が付いて、その狭間で悩む事になる。