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■ストーリー
好景気に沸く1991年。
東京の私立W大の人文学部に通う、主人公の加茂在憲(かも あきのり)は、
卒論のテーマに選んだ「摂関政治」に関するフィールドワークの一環として、
夏休みを利用して、同じ民俗学ゼミに所属する友人の阿部泰親(あべ やすちか)、
中宮聖子(なかみや せいこ)、堀河斎(ほりかわ いつき)、
そして一行のお目付役として、ゼミの研究員である三条操(さんじょう みさお)、
さらには泰親の妹の阿部音羽(あべ おとは)までが押しかけるという大所帯でW県へと出かけた。
フィールドワークとは旅行のための建前で、
本当はバカンス気分でキャンプ生活を楽しむつもりの一行だったが、
ふとしたきっかけから、その土地にまつわる奇怪な現象に悩む地元の人たちと知り合い、
相談を持ちかけられてしまう。
ひとりは建設中のリゾートホテルのオーナーで、怪奇現象が頻発するのを理由に
ホテルの工事予定が遅れていることを腹立たしく思っているとのこと。
そしてもうひとりは、ホテルの建設を請け負っている工事事務所の現場監督で、
実際に怪奇現象が頻発するため、作業員たちが怯えてしまっており、
工事が進まずに悩んでいる、とのことであった。
ゴーストバスターズでもあるまいに…とは思ったが、
どちらの依頼を受けても宿泊場所や食事の提供は受けられるし、
フィールドワークも進められるので、ある意味渡りに船と気楽に考えていた一行であったが、
徐々に一行の周辺でも奇怪な現象が発生するようになり、追い詰められていってしまう。
しかしそれは、真の恐怖の序章でしかなかった……。
■登場キャラクター
●中宮聖子 (CV:葉村夏緒)
私立W大学人文学部の2年生。
在憲と同じ民俗学の源ゼミに席を置く。
やや引っ込み思案で臆病な性格だが、自分が一度こうと決めたら、
決して曲げない芯の強さ(あるいは頑固さ)も持っている。
中学高校と女子校出身のため、いまだに男性に対して免疫がなく、いきなり話しかけられるとおどおどしたり、
緊張したりすることがあるが本人としては、そんな自分を変えたいと思っている。
立ち居振る舞いや物腰が柔らかく、動作や喋り方がどことなくおっとりしているため、周囲からはお嬢様、
もしくはブリッコだと思われているが、キャラを作っているわけではなく、あくまで天然。
●堀河斎 (CV:桃井いちご)
私立W大学人文学部の2年生。
在憲と同じ民俗学の源ゼミに席を置く。
いつでも聖子と行動を共にしているが、性格は正反対で人見知りしたり物怖じしたりすることなく、
初対面の相手とも打ち解けられるようなタイプ。
性格は活発で明るく、基本的にいつでも前向きなポジティブシンキングの持ち主。
その反面、聖子のようなしっとりとした女性らしさに欠ける性格のせいで恋愛と縁遠いのではないか…
と本人は考えている。
スポーツ万能で運動神経も抜群だが、体を動かす時には大きくなりすぎた自分の胸が邪魔くさいと思っている。
●三条操 (CV:葵時緒)
私立W大学、民族学の源ゼミに所属する研究員の大学院生。(修士課程2年)
気心の知れない人間には口数が少なくなり、表情が硬くなるために無口で無愛想だと思われがちだが、
実際には面倒見が良く、細やかな気配りができる女らしい性格。
ただし、照れ屋で恥ずかしがり屋であり、また女性らしさを前面に押し出すことを潔しとしないため、
口から出てくる言葉はぶっきらぼうなものになりがち。
幼い頃から古流柔術(天武無闘流)を習っており、免許皆伝の腕前。
反面、心霊やオカルトは大の苦手。
●阿部音羽 (CV:倉田まりや)
泰親の妹。
兄の泰親が旅行に行くことを知り、無理矢理押しかける形で一行に同行することになる。
とにかく幼く見える自分の外見にものすごいコンプレックスを持っており、
冗談にでもそのことを持ち出すと、烈火の如く怒り出してしばらくは手がつけられなくなる。
本当は甘えん坊で寂しがりな女の子だが、「人に馬鹿にされたくない」という気持ちが強すぎるため
表面的な性格は自己中心的で少々ワガママである。
性的なことにものすごく興味があり、女性陣の中で最も耳年増。
流行には敏感で、ファッションやプレイスポットには精通しているが、
炊事や洗濯といった家事全般は大の苦手。
アウトドアも苦手。
●黒木枝理華 (CV:夏目ゆすら)
タレント霊能力者「小田原求道」の愛人。
対外的には「助手」ということになっているが実際には金銭とセックスだけで繋がりあっている関係。
性格はとにかく享楽的で表層的。
毎日おもしろおかしく暮らしたいと考えており、堅実さとは無縁で、ぜいたくや遊びが大好き。
一般常識や倫理観はごっそり欠落しており、気に入った男性に自分からモーションをかけ、
一夜限りの関係を持つことなどにも、何の抵抗も感じない。
パートナーである小田原と同様、権威に弱く利にさとい性格で、
自分より格下と認識した人間には、遠慮なく横柄で尊大な態度をとる。
●播磨壱奈 (CV:氷室百合)
現在、W県にリゾートホテルを建設しようとしている不動産業者、須藤権守の婚約者。
大変な博識と美貌の持ち主でありながら、細やかな気づかいができ、
でしゃばることなく男を立てることができる、笑顔の素敵な愛らしい少女。
男ならば誰もが心惹かれてしまうようなタイプ。
ただ、この年齢であれば当然知っているであろう文化や風俗など、
当世の世情にもの凄く疎く、なぜかカタカナ語をほとんど使用しない。
また、初対面でほぼ全ての女性と、稀にごく一部の男性は「もの凄く嫌な印象」を彼女に持つが、
なぜそのような印象を持ったのかの理由は、当人たちにも説明できない。
●阿部泰親 (CV:夏村伊介)
在憲の友人で、在憲と同じく私立W大学人文学部の2年生。
民俗学の源ゼミに席を置く。
ひと言で言うと「変人」。
それも「超」のつくような変人である。
恐ろしいほど記憶力と博覧強記を誇り、大学での特待生の地位をやすやすと手に入れた程の男だが、
普段はいつでもふざけたことか皮肉しか言わないという強烈な毒舌の持ち主。
おまけに、かなりの人見知りなため友人が少なく、在憲は泰親にとって唯一「親友」と呼べる人間。
これだけ性格に難のある人間だが、外見はとにかくいいので女性に不自由したことがなく、
女性への対応は手慣れている。
ただし、付き合いが長続きしたためしはない。
泰親の最大の弱点はスポーツ全般で、見ている人間が哀れに思うほどの壮絶な運動音痴である。
そのため、根性や気合いといった体育会的メンタリティや、
スポーツ感動系の事物を親の敵のように嫌っている。
●加茂在憲
本作の主人公。
都内にある私立W大学人文学部に通う大学2年生。
民俗学の源ゼミに席を置いている。
今も昔も特に珍しくはない、ごく普通の若者。
彼女が欲しいとは思うものの、意中の相手にきちんと告白する……といったことは、
勇気が持てずになかなか言い出せないでいる。
泰親とは親友と言っていい間柄で、いつもつるんで遊んでいるが
主に泰親のボケに対して的確にツッコむという役まわりなので周囲からは漫才のようなコンビ、
もしくは泰親の巻き起こしたトラブルの尻ぬぐいをさせられる役まわりだと思われている。
人あたりがいいせいか、なんとなく気が弱そうで頼りなさそうに見えるが、
ここぞという時に行動力と判断力を発揮する「いざという時に頼りになる」タイプの人間。