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■ストーリー
——神と人が共存する世界。
神と人、その種族の区別は容姿によるものではなく、その血や生まれ持った力によって分けられていた。
世界は、数多に存在する神々の中で、特に力のある創造神によって成されたと伝えられている。
神と呼ばれる種族は、その作られた世界を統治する存在として世界に立ち、
人は、大地を統べる神を崇め、また恐れた。
しかし神々も万能ではなく、人と変わらぬ心を持ち、悩みを抱える。
時には、人と同じ過ちも犯した。
ただ、世界は神によって支えられている。
そして人はその世界に生きている。
これが絶対の理としてそこにある。
一級太陽神でありながら同族の神々を呪う“照日”は、
神殺しを生業とする「神落としの村」の一族に対して“神狩り”を命じる。
若くして族長となった主人公“響威”は、怨嗟に憑かれた照日の命ずるまま神々を討ち続けた。
彼にとってそれが正義であるかどうかは問題ではない。
ただ生きる為に神を狩った。
しかし神の血で汚れた彼が一人の少女と出会った時……物語は静かに幕を開ける。
■登場キャラクター
●天の子(てんのこ)
神と人との戦いで、命を落とした母に変わり、物心つかぬうちに創造神となる。
意思が通い合えたのは響威一人だった。
その姿を見たことのなる者はほとんど無い。
ただ、世界の何処かで、世界を変える礎として存在する。
人々からは天神(あまがみ)と呼ばれている。
しかし、その立場からは想像できない素直さと思いやりを持つ心優しい神。
それ故の業を背負いて、なお笑う。
孤独の中で、自分の声が届くようにと願いながら……。
●照日(てるか)
神々の中でも特に大きな力を持つ、一級太陽神。
厳粛な雰囲気を漂わせ、他を寄せ付けなぬ振る舞い。
自分の方が優れているのに、創造神になれなかった事を恨みに思っている。
全ての神を殺し、世界を滅ぼそうと考えている。
神狩りを統率し、神を狩らせている。
力のある神は殆ど死に絶え、照日以上の力を持つ神はおらす、世界は滅びを迎えている……?
何のために全てを威圧し、何のためにその身をやつす。
厳しく深いその眼の中にのみ、その答えがある。
●水母(みなも)
幼い頃、両親と死に別れた所を照日に拾われ、育てられる。
その後、響威の元に監視役として派遣される。
照日の使いとして、周囲からは嫌悪や畏怖の目で見られ、
心を開いて笑えるのは響威と共に居る時だけだった……。
それでも明るく振る舞う事を忘れない。
主人公と同郷で幼馴染の女の子。
明るくて、場を賑わせて、食べることが大好き。
そのために一見大雑把に見られがちだが、絆を求める内面はひどく脆い。
色の強い花ほど繊細であるように……。
●穂乃火(ほのか)
幼い頃の記憶になる母を想い、自分も母のようになりたいと思っている。
それ故、子供扱いされることをひどく嫌う。
自分に対して、形式張った対応をしない響威を気に入る。
見た目は少女であり、言動も子供っぽい。
「妾(わらわ)じゃ」という言葉づかいをする。
朗らかで豊かな感情は自然と人を繋ぎとめてゆく。
●咲耶(さくや)
穂乃火の住む火起こしの村(社)から離れた森の奥に一人で暮らしている女人。
そこで草木を育んで生活している。
柔らかく静かな物腰の反面、人見知りも少々。
なぜそうして暮らしているのかは誰も知らない。
緑に注ぐ確かな想いは、儚く弱く、ただそこに。
それは知られることなく、その身を包む。
●野守(のもり)
響威の住む神落としの社にいる神狩りの女官。
両親を荒神に殺された過去がある。
……神狩りに否定的な主人公を嫌っている。
“石使い”の長を務め、
“天鳥船(アメノトリフネ)”と呼ばれる船を石の力を使って飛ばす。
気が強く、しばしばとげのある物言いをする。
それは長だからこその振る舞いかもしれない。
過去の傷が無ければ、もっと笑っていられたのに。
●比乃(ひの)
神落としの社に住む女官の一人。
野守とは仲が良く、一緒に行動しているときが多い。
仲間、というよりはお姉ちゃん的存在として野守を見ている。
基本的には真面目な性格だが、がんばりが裏目に出ることも多々。
結構抜けた所もある女の子。
野守と同じく“石使い”を務める。
ただ、その力は野守よりも上。
響威に対しては嫌悪、というよりは恐れを抱く。
●翼風(よくふう)
神落としの社にいる一族の上役。
響威を幼い頃から陰で支えてきた。
響威が社で唯一気を許せる人物。
しかし、今の社では翼風の威厳も薄れ始め、響威とともに疎まれる存在になってきている。
老兵は、ただ、消え去るのみ……か?
●瑪莉(めり)
穂乃火の世話をする、社での女官の長。
温厚で人の出来た性格をしている。
そのため人望を厚く、社の管理はほぼ瑪莉が行っている。
穂乃火のわがままにも「はいはい」と優しく応える。
それがためか、なんでもこなせるすごい人。
にこりと笑った必殺の笑顔には誰もが毒気を抜かれるはず。
●華枝(はなえ)
瑪莉と同じく、火起こしの社で穂乃火の世話をする女官。
しゃべり方が淡々としているため、
聞く側にとって何を意図しているのか汲み取れないことがよくある。
感情を露わらにすることが少なく、ある意味瑪莉よりも怖い人物。
文武に長けていて、いざというときにも冷静に対応。
一つの欠点は「女好き」ということ。